木阿弥

勝利だギューちゃん

第1話

「今日も、疲れた」

帰宅して、鞄を放り投げて。ベッドに倒れこむ。


「こんなはずじゃなかったのにな・・・」


過去に描いていた今の自分との、あまりのギャップに涙が出てくる。


「ご飯は・・・いいや・・・寝よう・・・」


・・・・・


「・・・きろ・・・」

「グーグー」

「山村、起きろ」


眼が覚める。

周りがクスクス笑っている」


あれ・・・

ここは・・・


「山村、まだ寝ぼけてるのか?」

僕に声をかけてきたのは、高校生の時の歴史の担当だった、赤井先生だ。

でも、赤井先生は・・・


「赤井先生・・・死んだんじゃ」

「いい加減、眼を覚ませ。わしは生きておる」


赤井修吾先生。

一人称はわしだったが、僕が高校生の頃は、まだ30代。

でも、高校を卒業して、5年後に事故で他界した。


周りを見る。

間違いない。

僕が、高校3年生の時の教室だ。


これは、夢なのか?

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