ボーナス消費で瞬殺チート開拓
空っ風が淡々と吹いていた。空気が粉っぽい。ポーテスの前世記憶が腐乱臭だと嗅覚に訴えた。その鼻を衝く刺激で目が醒めた。尖った礫岩が背中に刺さる。熱気が頬をあぶる。むせびながらゆっくりと立ち上がる。目線より高い位置に火の山が聳えていた。
「ここは何処だ?」
見渡す限り切り立った崖や家ほどもある岩が点在している。足元には草一本みあたらずとても住める場所ではない。残念ながら前世記憶は沈黙している。
呼吸していると喉の奥がザラついてきた。空気もいらがっぽい。早く近くの町に避難したい。ポーテスは道路を探した。往来があればその先に文明がある。彼は前世記憶の助言に従って心に希望の灯をともした。
一歩踏み出そうとしてバランスを崩した。たけしの記憶が警告している。
火山性ガスが充満している。逃げろ。
「逃げろと言われたって…」
ポーテスは餞別の残高を確認した。星が二つ輝いている。
「ボルケーノ!助けてくれ!1ポイント消費で俺のすぐそばに病院を…」
世界が暗転した。
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