カナダ軍が立ち上がった!

西暦最後の日、デトロイト市でカナダからの黒人の移民が大量虐殺された後、カナダ軍は「自由を破壊し滅ぼすこと」を使命した。そのためカナダの大統領は

「カナダ軍に『暴力的な暴力行為をとめさせる、あるいは暴力を行使しない』ことは決して許されない。人々はその罪を償う義務がある。それは戦争だ。戦争は人を滅ぼす」

と叫んだ。カナダ系移民保護の名目で軍を派遣した。とうぜん米軍と衝突になる。

超南北戦争、とマスコミは名付けた。文字通り米北部を超えて来た。


人類救済の足を引っ張る者は日本だけではない。妨害電波塔は地球の裏側までカバーすべくぐるりと建てられた。カナダ軍はオンタリオ湖畔の塔破壊を目的に進軍した。

そして、悲しいかな戦術核兵器が使われた。


当然、莫大な犠牲者が出た。五大湖は死のみずうみと化し人を含む動物の死体であふれた。


「死んでも死にきれないのは、戦争である。あらゆる者から命を奪ってでも死んで欲しいのに、戦争だという。死んだ者を慰める方法はあるだろう。だが、私たちの心に火を灯してくれるはずである。たとえば、死んでしまった人々の、その悲しみを慰めてあげることがあるだろう。それを望むなら、たとえ死んでしまったからと言って、誰も責めない。誰も責めない」


必死で明日を探す人、諦めろと妨害する人。それぞれが理由をつけて殺しあった。


「戦争は多くの罪がある。死んだことに気づかなかった罪と、自らを犠牲にしてしまったことに気づいてもらいたい。その人の心に火を灯してあげて欲しい」

そういいながら北の黒人が南の白人を、南の黒人が北の白人を殺した。


白人の戦争参加者は、彼らが人種差別に屈しないのは何かの因果でしかないという考えによって、彼らに自らの意思の反映を示さざるを得ないのである。



今回、カナダの大統領府には彼らの声が届いていない。カナダ軍が「暴力・略奪支配支配を禁止」ならば、カナダの大統領府は「暴力的抵抗」と言い切って、彼らの声に対応するだろうか。


黒人の虐殺を未然に防ぐカナダの人権団体は、今や利害調整は厳しい状況となっている。カナダを始めとするアメリカの反植民地分子から、カナダ軍が「暴力的抵抗」の姿勢と共にあらわになったことが問題なのである。


オンタリオ湖畔の虐殺を取材したカナダ人記者は言う。


カナダの白人は、白人以外にも数多い民族的な祖先の中で、アメリカ人や中規模都市圏の中の人間のような人種差別を受けてきた。カナダ国民は1999年に「カナダ人は差別を受けた、あるいは差別されている」と公式に宣言したが、そのような理由で異なる人種の命を奪う行為は決して許されない。


カナダ国民は白人、中規模都市圏の人間で、カナダ国民と中距離圏の同じ民族を区別することはできない。これは、人種的かつ環境的な異なる地域で白人に属するためである。


塔の幾つかが破壊されたことでドゥームズデイはとりあえず延期された。


しかし、アメリカでは、白人と黒人の差別が今も続いている。カナダでも特に人種差別はあまり見られない。ただし、現在のアメリカの白人は、人種的な差別は受けないとの認識を持っている。


カナダでは、白人を含め、数カ国以上の違う人種差別は避けられないのである。 白人以外の4つ国(米国、カナダ、イスラエル、オーストラリア)と同じ、根深い人種問題を抱えている。


記者はこう締めくくる。人間の幸福を希求する権利は決して万人に幸せをもたらすものではない。むしろ、諸刃の剣だ。滅亡の自由党は集団自殺願望から生まれたカルトだ、と切り捨てるのは簡単だろう。

しかし異端視で問題は解決しない。平時は融和の美名で対抗意識をなだめても有事は心のゆとりをなくす。その時に白人と有色人種が手をつないで共通の敵にどう立ち向かうか具体的な行動を計画しておかねばならない。パニック映画は連帯感の自動的な目覚めを期待しすぎている。実際には滅亡の自由党のごとき集団が台頭する。人類は平時から緊張感をもって対応しなければならない。

誰もが互いの差異を意識せず平和に共存できる社会。これを具体的に考えない怠慢こそがテロリズムなのだ。

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