闇の先へ
先生の言う『片付ける』というのは、私も言いたいことだけど、本来はあまり難しいものではなくて、物事の方向性を操作する言霊の類らしい。
小穴の脇に『片付ける言霊』に関する
「ここだよ」
「ここ? 何だと思う?」
と、言われると、少し頭が痛かった。
「いよいよだ。お前も確かめてみろ」
先生に促されて小穴を覗いた。もちろん破邪の半鏡を介してでだ。深淵そのものがもつ邪推から自衛するためだ。
奥は白昼のように明るい。
「あれっ、既視感があります」
「そうだ。お前の生活空間だ」
そこには、確かに、私の家に通じる窓がついていて、そこからは、家の中を見ることが出来るのだ。王都目抜き通りに面した庭付き平屋建ての邸宅。庭師が剪定している。安堵感がある光景だ。でも、何か怖くて、そこからは声が聞こえてこない。
「ほら、あそこだ」
「鉄騎像の小道をまっすぐだ」
先生が言うと、片付けるの言霊が状況を整理していく。
「ほら、俺の家だ」
そこには確かに家があった。
家の中からは、楽しそうな雰囲気を出している子たちが出てきて、とても元気そうな雰囲気だ。
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