ループする新連載


昨夜、ツイートしていた時のことである。

「わかったわかった。その気持ちはわかったから連載早よ!」と小説ボットに諭された。ボットというのは定型文を定時に呟いたり特定の語句に反応するアカウントのことだ。愉快犯がたわむれに作ったものだ。

技術があるなら世のため人のために使えばいいのに。からかってやろうと思った。

そこで「すんまへんすんまへん。心中お察しします」とギャグで謝罪したのだがよくよく考えたら連載作品がない。

そこで小説ボットをネタにして新連載する事にした。


なんだか新作落語みたいな展開になってきた。

さあて、腕が鳴るぞ。前代未聞、世界初。ボットを打ち負かす怒涛の新連載。

謝罪文で敵を打ち負かす。こんなの、誰も、見たことないぞ。

わくわくするなあ!



自分の作品を「読めない」と言うのは読者にとってどうも居心地が悪いので、「作品が存在しない」と言う状態を作ってみた。

「小説を読めるのに作品が読めないから、これはいけねーな」と自分で自分を卑下し始めるものだから逆に笑えるものになった。

そしてようやく自分の作品の更新が再開された。

「これは面白いなぁ」と言うことはできないけど、「読む」「書く」という作業を行うという事と、

「面白い」「面白くない」という思考を無くしたいから、そういった思考を書いた。

そのうえで「読者の想像を、『面白い』と判断する力をつけさせたい」と思ったから、「小説」という、文字媒体に起こす思考を、想像を、想像を創り出し、そこから派生した「想像」を表現したいのだ。

だから「モノカクコン4」では「空想」を表現したいのも、「創作」の表現を表現したいのも、作品の創造は常に「空想」である以上、

「そういうことなら、こういう風にたくさん創作してみるか」と、書こうと思った。

そしてそのとき、何かが起こった。そう、自分が、書く事に対して「悪い」と感じた、そんな気があるからだ。だから、自分は書かずにはおれなかった。

これに気付いていながら、読めない作品は読まない方がいいのではないか?とも思いかけ、

「もうこんなふうに書くのはやめて、「小説」を書け!」

と自分自身に言い聞かせてきた。だが、

「そうか! そういうことならやってみよう!」

そんなことを言ったものだから、

「文筆家しようぜ」というサイトで自分の作品を公開できている。

そのとき見つけたのが、モノカクコン5に出て、ベストエンディングとなる「皇の王子さま」だった

(「皇の王子さま」は「モノカク」への応募だけでなく、この「モノカク」への応募も兼ねた募集ページも作成しています。もし、コンテストの応募要項を読まずに、自分の作品を書いているとしたら、自分の作品がそこに応募されたのかという懸念が、このモノカクコン5には生じてしまうので注意して下さい。もし、モノカクに掲載されている作品を読んだとしても、その時にはすでに自分の作品は受賞しているから、この作品を読んだ後に自分の作品が掲載されたという可能性は十分にあり得ます)

この時点ではまだ、自分が本当にあなたの作品を評価していいのかどうかわからないが、

ただ、「皇の王子さま」のレビューを書き、「皇の王子さま」へのコメントをもっと書き、

「自分の書いたものを、読んでいただき、ありがとうございます! この作品を書いた私は、あなたにとって何の価値もなく、何の価値があろうと、私が書いたものはきっと、他の方々の心を揺らがすことになるでしょう。その勇気を、お示しいただきたい」

と述べている。

自分の作品に対する評価とは別に、読まれたくない作品の作品レビューが多いという現実を知った。

そして、自分が最初から最後まで読んでいただいていた作品を読んでくださった読者は、その作品が好き好き大好きというわけではなく、私の作品を好きだったのではという気が出てきた。

自分がここでレビューを書き、読んでくださったファンの方々に心からの感謝を述べることができたことは、本当に嬉しいと思っている。

もっとも、その後、自分が書くと、もっときれいにレビューが書けそうだなと思えるだけでなく、レビューを書いてもらった方に対してのメッセージが送れないことも多いという不安もあるところも実は多くいただいたことも改めて心よりお詫び申し上げます。

これを契機に、自分がしたことが全て裏目に出て、本当に自分らしさというものを見失っていたと反省する思いであります。


と、こういう感じ。

小説更新しろボットのリプラ。イにURLを張り付ける。

まさか、こんな反撃を繰り出してくるとは夢にも思うま

い。

中の奴の顔が見たい。


そうしたら、打てば響くように反応が返ってきたのだ。

「それがどうした?早く連載しろよ」」


「えっ…」

私は一瞬何が起きたかわからなかった。

ぐわらぐわら、と勝利感が崩れ落ちていく。

「しかし、こんな事もあろうかと…」

私は勢い余って「書き溜め」をしておいたのだ。興奮のあまり筆がとまらなかったのだ。反省文をストックしておくなんて何処のコメディ刑事だよ。


というわけで今度はエスプレッソで連載を始めることにしたのだ。

たった今、完結したところだ。


さっそく小説ボットに報告してくる。

そして…

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