「小説さっさと連載しろボット」でリブートする世界
水原麻以
暗い闇の中で
暗い闇の中で私はあてどなくさまよっていた。本当に真っ暗で手探りすらできない。自分の腕すら深い闇に吸い込まれる。だから本当に怖い。慎重な一歩というか抜き足差し足で歩みを進める。
早くこの不安から脱出したいのだが空は星明り一つなく本当に世界が黒一色に染まっている。
もしかしたら私は人類最後の生存者かもしれない。シェルターから出た時、文明があった証拠はことごとく破壊し尽くされていた。ドロドロに溶けた眼前に沼がある。文明残滓と言って人間の営みが戦禍で溶けてしまった時にあらわれるという。
「おお」
私は嘆いた。「おお、本当に誰もいなくなったのか。だったとしたら人はどこまで愚かなのか。」
そして思う。こんな寂しいところに私一人いたくない、この無限に虚しい世界に誰も助けに来ないのか。
そうしたら一人ぼっちで死ぬのか。だから私は胸に刃振り下ろす。死んだ後、誰かに私を見つけて貰おう。
腕からスマートウオッチを外した。心拍数と血圧をモニターしている。バッテリー残量はわずかだ。AI音声アシスタントに後を託した。
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