第26話

 粗方のゴブリンを殲滅した俺らは、休憩を取る事にした。トカゲはレベルが上がったらしく、鱗の色艶が良くなっている。生肉をあげたら美味しそうに食べている。尻尾が物語っている。

 ぐれ子と俺は、水でも飲みつつボケェ〜とする事に決めた。ここは草原。気持ちが良い。今日の仕事はもうこれで終わりでいいと思う。

 休憩も出来たし、帰ろうかと思ったら、なんか叫び声が聞こえる。


「ブヒィー!!!」


 オークって奴なのかな?2足歩行豚?猪?が2匹出てきた。お相撲さんみたいな身体付きだ。先に走ってくるのはぎゃあぎゃあ喚きながら俺たちの前を走り去って行く4人組。これがトレインって奴なのだろう。迷惑行為なんだろうなぁ。


「シャー!!!」


 トカゲがバールの釘抜き部分を頭目掛けて振り下ろす。脳味噌部分まで刺さって、1匹は即死した。すぐさま2匹目を盾でフルボッコする。トカゲ強え。殺したオークはアイテムボックスへ。残りは……。


「この豚、どうする?」


「食材って意味で?」


「いや、この豚は殺した豚と少し違うぞ。仲間になりたそうにしてる、気がする。」


「豚、仲間にしてどうすんの?ゴブリンみたいに女性攫ってヤっちゃう種族かもしれないよ。戦い方もトカゲと同じタンク系戦士になると思う。被っているよ?」


 俺の異世界計画がある意味狂って来ている。エルフ、ELF、エロフ!!!出来れば、ぺったんこらしいエルフより、ボインなダークエルフ(褐色タイプが良い)を奴隷、出来れば仲間にしたい。ここは!ここは!豚は要らない!獣人だって欲しいのに!リザードマンにオークじゃ獣人枠はもう無いじゃん。


「まあ良いじゃん。無理ならこの豚、食材にしようぜ。」


 面倒を見ようとする動物を使えなければ殺すって、ぐれ子、恐ろしい子!!!。


 なし崩し的にオークを仲間にした……。


 トレインして来た4人組はギルドに行って報告した。俺らは姫さま案件なんで権力万歳、カード剥奪だって。ご愁傷様。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る