paw-37 闘い、終わって - 02
「――目立った怪我は無いようね。念のために――
寝転がったコロンとオーレの傍らに座り、2人の治癒を進めていくリータ。彼女の手の平から淡い白光が溢れ、それがコロンやオーレの躰に触れていく度に、彼らの顔に朱が差し、眼は輝きを取り戻していく。
「何から何まで、済みません――無理はしないで下さいね? あれだけの術を使った後ですし」
「つーかよ、こっちの仮面のおチビはオーレだった訳かい。ったく、どいつもこいつも――」
愚痴の続きをリータの一睨みに封殺され、目を泳がせるハーシィ。
程なく一通りの回復施術が完了し、コロンとオーレは立ち上がって歩けるまで回復した。
コロンは早速オーレに抱きついて喜んでいる。
「それにしても、この後、どうすればいいんだろう?」
「それな。誰も来やがらねぇから、こっちも動きようがねぇや」
「そう言えば、ハーシィ? さっきクーリェと話してたけど――」
「あぁ。今回の件はそのうち野郎からきっちり説明させる。話してたのはその事だ」
「そう――。そう言えば、あっちの女の子って誰だったんだろう?」
「ありゃぁ俺らも知らない相手だな、多分。クーリェはそのお守りなんだとよw」
「彼が護衛に付くくらいだから、貴族の御令嬢とかだろうね」
「あんなお転婆が、ねぇw」
「御前試合に出場の皆様!!」
先程、クーリェ達が消えた方から聖騎士が1人、大声で叫びながら足早にやって来る。
「先程はご苦労様でした!! ――お疲れの所、申し訳ありませんが事情聴取もありますのでこちらへ――」
と、モンシャ達を見て自分の方へ差し招く。
「また事情聴取かよ――(´・ω・`)」
げっそりするハーシィ。
たはは、と諦め顔のモンシャ。
コロンとオーレはきょとんとしている。
リータは何事か思案顔だったが、やがて決意したように前を見据えた。
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