paw-28 仮面の闖入者 - 03
「ぅふふ、
そこへ突如舞い降りた仮面の少女は悪戯っぽく微笑むと優雅にカーテシーをする。
後ろで結わえた美しい銀髪が風に揺れた。
=^ΦωΦ^= =^・×・^= =^◎ω◎^= =^・д・^= =^Φ*Φ^=
「――ちょ、ちょっと、お待ちください!!」
焦った様子で仮面の少女に走って行く仮面紳士。
仮面少年も同じ様子で走って行き、三者で声を潜めて激しく言い合っている。
少女は必死で説得する様子の紳士に対して悪戯っぽく笑ったかと思えばむーと膨れてみたり、くるくると表情が変わる。
独り蚊帳の外のジョドォはぽつねんと佇み、
「……あのー……
「――まーたなんか来たぞおい」
「随分と乱入の多い試合だねぇ(^^;」
「あ、そーだ、ご主人、ボクと戦ったあの子って――」
「そうだ、俺も言いたいことがあったんだ。俺の相手の気障野郎――」
「――3人とも、そこに座って」
不意に後ろから声が掛かり、何事か言いかけた2人が総毛を逆立てる。
ハーシィは冷や汗と共に、コロンは歓喜の笑顔と共に。
「リータさんっ!!」
「げ」
「――リータさん」
ハーシィの失言は意に介さず、モンシャの細かい傷を治癒していくリータ。
「あ、リータさん、僕は最後で構いませんから、コロンとハーシィを――」
「駄目です」
「へ?」
「細かい傷でも甘く見ると……」
有無を言わせぬ彼女の様子に黙り込むモンシャ。
「おーおー、愛されてるねぇ」
つい冷やかしたハーシィはリータの黄色い双眸に睨み付けられて諸手を挙げて降参する。
次いでハーシィ、最後にコロンを念入りに回復させると、彼女は踵を返そうとしたが、
「リータさん」
モンシャの声に耳をぴくっとさせて立ち止まる。
「その――本当に助かりました。ありがとう。お礼は改めて――」
「不要です」
「え? ――でも」
「身内の不始末の尻拭いのようなものですから」
「身内って――?」
しまった、という顔のリータ。
2人が見つめ合ったまま固まってしまった、その時。
「――やぁ、お待たせして済まない。再開といこうか?」
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