paw-27 仮面の闖入者 - 02
「ご主人ー!!」
仮面少年の攻撃を凌ぎ、モンシャを振り返るコロン。
「モンシャ!!」
ハーシィも仮面紳士の攻撃を凌ぎつつ叫ぶ。
「をーっほっほっほっ!! これで終いじゃ!!」
勝ち誇ったような魔術師ジョドォの哄笑が響き渡る。
=^ΦωΦ^= =^・×・^= =^◎ω◎^= =^・д・^= =^Φ*Φ^=
「"
そう唱えたモンシャの正面に顕現する分厚い氷壁。
巨大な火球は氷壁の厚みに阻まれ、また冷気にその威力を次第に削られていく。
信じられない光景に眼を見張るジョドォを余所に、彼は二の矢を放つ。
「"
雷鳴と共に降り注ぐ雨――が、火球を貫くように集中していく。
みるみるうちに火勢を削がれ、次第に小さくなり、やがては消滅してしまった。
『……(( ;゚Д゚)))』
眼前の凄まじい魔法の応酬に、あれだけ騒いでいた観客はすっかり静かになっていた。
同様に試合中であるはずのモンシャ以外の5人も呆けたようにその様子を見ている。
自分に集まる視線に、はたと我に返り皆を見るモンシャ。
「……えーと……みんな、試合は……?」
「……そういやこういう奴だったよな……」
驚きから覚めたハーシィが呆れたように零す。
「うわー!! さすがー!! ご主人ー!!」
嬉しそうに耳をぴこぴこさせながら飛び跳ねるコロン。
コロンに跳ね飛ばされた仮面少年は驚きのあまり言葉も無い。
渾身の奥義をあっさりと防がれてしまったジョドォは放心している。
「……ふふっ、あははっ!!」
唐突に仮面紳士が天を仰いで大声で笑い始めた。
「はははっ!! ……相変わらずだなぁ。これじゃ僕たちの闘いなんてすっかり翳んでしまったね!!」
そのまま実に愉快そうに笑い続けた。心底愉快だと言わんばかりに。
「――様?」
彼のその様子を仮面少年は珍しいモノを見るように見つめている。
思わず彼の名前を口にしてしまっていたが、幸いそれは笑い声に紛れて誰の耳にも届いていない。
「――はははっ。それはそうと――」
仮面紳士はジョドォを見遣り、
「ジョドォ殿、まだやれますか?」
問われたジョドォ、放心状態から再起動して、
「……ま、まだまだ。このままでは王国魔術師団の沽券に関わりまする!!」
やる気だけはまんまんだが、大魔法を放出したためかその肩は激しく上下しており、膝も震えている。
「――ふむ、とは言え、ちょっと回復させる必要はあるな――」
彼はモンシャたちの方を向いて、
「一端、休憩にしようか? そちらも今のうちに
「おいおい、まだやる気かよ」
流石に呆れ気味のハーシィ。
「まぁ、二人の――特にコロンの体力を回復させるのは賛成なんだけど――」
でもなぁ――と思案顔のモンシャ。
「そうか、お前、治癒系はからっきしだったな」
「面目ない(´・ω・`)」
「ボクはだいじょーぶだょっ!!」
「いや、おめーは下手するとまた子猫になっちまうだろーが」
「こんな時に彼女が――」
「こういう時にアイツが――」
同時に言いかけてはっとするモンシャとハーシィ。
一瞬、気まずい沈黙が流れたその刹那。
「ぅふふ、
そこへ突如舞い降りた仮面の少女は悪戯っぽく微笑むと優雅にカーテシーを――。
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