paw-26 仮面の闖入者 - 01
『――えー、そ、それでは、試合再開!!』
戸惑ったような進行の声と同時にさっと散開する両者。
後衛に残った魔術師、モンシャとジョドォの前にそれぞれ、ハーシィと仮面紳士、コロンと仮面少年が対峙する。
「ふむ、僕の相手は君か――お手柔らかに?」
優雅に一礼する仮面紳士。その度に先程から観客席に黄色い声が上がっている。
「――へっ、そりゃどーも」
軽く返したハーシィだが、ふと鼻をひくつかせて一瞬、怪訝な顔になる。
それに気付いたのかどうか、仮面紳士は急かすように剣を構え直し、前に突き出した――。
「えー、事情により名乗れませんが、宜しくお願い致しますっ!」
コロンに対して深々と礼をする仮面少年。つられてコロンもやっている。お見合いかw
お互いに拳を握って構える二人だが、互いに間合いを計りかねているのか、一向に闘いが始まらない。
うーん(´・ω・`)と困った顔の仮面少年はやがて、ままよとばかりにコロンに拳を繰り出した――。
「――うーん、これは僕の出る幕はないかなー」
序盤はこっちには手を出すな、とハーシィに釘を刺されていたため、彼らの闘いを後方で暢気に見物しているモンシャ。
そこへ、唐突に拳大の火球が飛んできた。
「――ぅわっ!! 危なっ!!」
「お主は一体、やる気があるのかえ!?」
見ると、激おこのジョドォが錫杖を構えている。デスヨネー。
「助っ人殿が手出し無用と言われた故、あちらには手は出さなんだが、お主は別じゃ!」
彼女の錫杖の先には巨大な火球が成長を続けている。
「喰らうが良い、
その巨大な火球がモンシャに一直線に飛んで行く――。
=^ΦωΦ^= =^・×・^= =^◎ω◎^= =^・д・^= =^Φ*Φ^=
「ヤベぇ!!」
ジョドォから放たれた
流石にあいつでも、あの威力の炎は――。
「余所見はいけないなぁ?」
その隙を逃さず、先程から長槍で牽制していた間合いにするりと潜り込んだ仮面紳士の剣戟にハーシィは防戦一方となる。
「ち! 嫌らしい野郎だ! まるでアイツみたいな――」
アイツ――? まさか――!?
「ご主人ー!!」
同様にコロンも全身の毛という毛が逆立つ。
いけない、ご主人が――!!
しかし――。
「えーい!」
目の前の仮面少年、なかなか隙が無い。
兎に角、手数が多い。これだけ多いと一発一発は散漫になりがちだが、それがいちいち正確にこちらの隙を突いてくる。
闘いとしては極めて正統派、ハーシィに言わせれば「逆に手を読み易い」となるのだろうが、なにせこちらは経験不足どころかほぼ初心者のコロンである。
相手の手を捌くか避けるだけで精一杯で、隙を突くどころかモンシャの所へ駆け付けることすら叶う状況ではない。
次第に精神的に追い詰められ、焦るコロン。
その焦り故か、仮面少年の拳が当たり、よろめく。
「これでっ!!」
止めを刺すべく、蹴りの体勢を取る仮面少年。
ご主人、ご主人、ご主人――!!
コロンの全身から茜色の
蹴りの体勢に入った仮面少年だったが、
「ご主人ー!!」
コロンは彼の蹴りを交差した両腕で受けると、その勢いのまま弾き飛ばした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます