paw-17 はじめてのぼうけん - 2
ボクはそれを見た瞬間、すぐに判った。
この
助けないと――!!
=^ΦωΦ^= =^・×・^= =^◎ω◎^= =^・д・^= =^Φ*Φ^=
「ぐふぅ!!」
ボクに突き飛ばされた野犬が怒ったようにこっちを睨んでる。
よーし、これで狙いは逸れた!
へンっだ! お前になんかあの子をヤらせるモンか!
既に他の2頭を仕留めたご主人が後ろで心配そうに見てる。
だいじょーぶっ! ご主人がいれば、ボクは怖い物なんか無いよっ!
身体の底から熱い何かが湧き出してくる。
うん、イケる。ボクは強い! こんな奴になんか、負けないっ!
=^ΦωΦ^= =^・×・^= =^◎ω◎^= =^・д・^= =^Φ*Φ^=
野犬、とは言っても背中の高さがコロンの頭と変わらぬほどには大きな犬。
大のオトナですら怯むようなそんな相手に、目の前の彼――コロンは何ら臆すること無く対峙している。
その全身からは茜色の
「ぐぅぅぅーーー」
野犬は唸り声を上げてコロンに飛びかかる構えを見せている。
対するコロンはと言えば全身の力を抜いたような自然体の構え。
あまりの緊迫感にモンシャも手を出し兼ねていたのだが――
「ぐわぁー!!」
「ちぇーぃっ!!」
交差する黒と朱。
しゅた、と着地した両者だが、コロンが僅かに姿勢を崩し息を荒げる。
あっ、とばかりに彼の方へ駆け出すモンシャの目の前で、野犬はその巨体をどうとばかりに
=^ΦωΦ^= =^・×・^= =^◎ω◎^= =^・д・^= =^Φ*Φ^=
「――ふぅ。これで良し、と」
先程の野犬を全て縛り上げ、モンシャはコロンと黒猫の方を見る。
黒猫は先程までの恐怖もすっかり忘れたかのように、コロンに撫でられて喉を鳴らしている。
今だけ見れば何というか――実に長閑な光景ではある。
「――なぁ、コロン」
「はい?」
「今のは、意識してやれたのか?」
「――んーと……なんていうか……判っちゃったの」
「判った?」
「うん。この
「仲間――ってことは、まさか……」
「それで、助けなきゃ、って思ったら、なんかいきなりぶわぁーって」
「ぶわぁー……って……あぁ、
「それにご主人が後ろに居たからねっ!」
「コロン、今、もう一度さっきみたいにやれるか?」
「えー……うーん……無理……みたい」
「そうか……今のところは火事場の馬鹿力レベルか」
「あ! そうだ、ご主人!」
「ん?」
「この
「へ?」
「にゃにゃー!!」
黒猫がコロンに同意するように一際大きく鳴いた。
「いや、探してる……って、それどうやって……?」
「なんとなく(゚Д゚)?」
「えぇ~……(´・ω・`)」
どーしろってんだ、という顔のモンシャの前までとてとてと走ってきた件の黒猫も、訴えかけるように鳴いている。
しかし悲しいかな、猫なので何を言ってるかなど彼には解ろう筈も無く。
「ま、仕方が無い。この野犬のこともあるし、その
その日の依頼はコロンを慣れさせるためもあってごく簡単な野草採取だったのも幸いして、黒猫を抱えたモンシャがコロンに森に生えている野草を道々説明しながら採取していき、早めに戻った。
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