paw-16 はじめてのぼうけん - 1
深夜、皆が寝静まっている。
彼女はつと立ち上がり、寝床へと滑り込む。
「
その当人が目を覚まさぬよう小さく呟いて、彼をそっとかき抱き、その胸に顔を埋める。
今だけ、今だけでいい――
その
=^ΦωΦ^= =^・×・^= =^◎ω◎^= =^・д・^= =^Φ*Φ^=
「おはようございますー!!」
一夜明け、"コロン"に戻った彼は朝から元気いっぱいであった。
その溌剌とした声で目を覚ましたモンシャはまだ半分夢の中にいるようで、ぼーっとしている。
「? ――どうしたの、ご主人?」
「――ん? あぁ――何て言うか……変な夢?…を見てさ」
「夢?」
「あぁ。――あんな夢、見るとか……大丈夫か、僕?」
それきりぶつぶつと悩ましげに独りごちるモンシャと頭の上に特大サイズの"?"を浮かべたコロン。
そういえば、とモンシャは思い出す。
「"みゆ"が居ないな――コロン、知らない?」
「うぅん? 一緒に丸くなって寝てた筈なんだけど、ボクも起きたら居なくなってた(´・ω・`)」
「そっか――まぁ、自分の
その彼らを通りのかなり離れた所から見ていた美しい白猫が、そっと踵を返して村の雑踏に消えていったことに彼らは気付かなかった。
=^ΦωΦ^= =^・×・^= =^◎ω◎^= =^・д・^= =^Φ*Φ^=
「
ギルドの受付で待っていたマールからそのままギルド長の許へ案内されたモンシャとコロン。
デスクに構えていたマスター・ベラスは、彼らを前にそう告げる。
「――まぁ、先日の件の褒賞も兼ねて、と言うところだね」
「あ、ありがとうございます!!」
「それと」机上に伏せてあった札をつい、とこちらに滑らせて
「これはそっちのおチビさん――コロネット君の登録証だ」
「え!?」
一瞬、ぽかんとする2人。
「コロネット君の件はハーシェイからも聞いている。君が連れ回すつもりならどのみち登録はせにゃならんだろう?」
「そ、そうです。はい!」
「ボク、ご主人と一緒に行ってもいいの?」
「あぁ、これを身につけてれば大丈夫だよ」
「やたーっ!!」
茶虎の耳をぴこぴこと振りながら部屋中を飛び回って喜ぶコロン。
粗相が無いかと冷や汗をかきながらも嬉しそうにそれを見守るモンシャ。
マスターも柔和にそれを見ていたが、耳が違う方を向いていたのは他に気に掛かることでもあったのか――。
=^ΦωΦ^= =^・×・^= =^◎ω◎^= =^・д・^= =^Φ*Φ^=
「ぼっうけん~ぼっうけん~ごっ主人っとっ、ぼっうけん~♪」
相変わらず節回しの怪しい歌を唄いながら、モンシャと共に本日の依頼に出掛けたコロン。
今日はハーシィが別件で遠出しているため、2人で出来る範囲の野獣狩りにした。
「……とは言ったものの」
ご機嫌メーターがMaxに振り切れているコロンを見ながらぽりぽりと頭を掻くモンシャ。
「こないだのアレが意識的に出来るようになるか、なんだよなぁ、問題は」
そう。
魔闘士さながらの先日のコロンだったが、当人はそのことを全く覚えていなかった。
「アレを使いこなせれば、僕とハーシィと3人で綺麗に分担出来るから――あと治癒士が居れば――」
そこで"白の聖女"リータの顔が浮かんで我に返る。
「――いやいやいや、ないないない。リータさんは彼女じゃ無いんだから――」
大きく首を振りながら己を戒めるように自分で自分の頬をぱんぱんと叩くモンシャを不思議そうに見ていたコロンだったが、
「にゃーーー!!」
突然、聞こえてきた絹を裂くような鳴き声に耳がぴんと立ち、そちらの方向へ駆け出して行く。
慌てて追うモンシャ。コロンはその小柄な体躯を意識させぬ程の足の速さで、むしろ追いかける方が息を切らしている。
「にゃにゃーーー!!」
駆け付けた彼らの前では、子猫モードの"コロコロ"よりやや大きめの黒猫が3頭の野犬に追い詰められていた。
犬と猫の喧嘩か、と一瞬躊躇ったモンシャだが、野犬たちの目つきが先日のように尋常ではないと気付き、身構える。
目の前のコロンに「気を付けて!」という間もあらばこそ、野犬は黒猫に飛びかかろうする。
「ぐわふぅー!!」
「まずい!!――間に合うか!?」
そのうち一際大きな1頭が黒猫めがけて飛び出した。残り2頭も左右から退路を断つべく飛びかかる構えを見せている。
「――くっ!!」
ままよと指弾を撃つも、間一髪で外れる。黒猫は最早声も無く自分に飛びかかろうとする野犬を見ていたが――
「てぇーぃっ!!」
横腹に突撃を敢行したコロンに阻まれ、彼もろとも転がった。
左右から挟み撃ちにすべく飛びかかった残り2頭を、今度こそ狙い過たず
ふぅ、と息を吐き、コロンの方を見ると、彼は先日のような茜色の
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