paw-03 コロコロ - 02
もう、どのくらい歩いたのか。
ずーっと先に見えていた光は、なかなか近づいてこない。
こんなんじゃ辿り着く前にお腹ペコペコだよー!
誰かー! ママー! キキ
心細さのあまり叫ぶと、突然、目の前が真っ白になって――
=^・×・^= =^ΦωΦ^= =^・△・^= =^◎ω◎^= =^・△・^= =^ΦωΦ^= =^・×・^=
――あれ!?
ここ、どこ?
いつものご主人の家の周りとも違う。
あれ、誰か人がいるよ。
「――え!? えぇーっ!?」
なんかえらく驚いてるなー、この人。
ところで、ここ何処なのかなぁ?
「にゃう?」
――あらら、なんか固まっちゃった。それにしてもお腹空いたよね……。
「にゃ~~!!」なんかくれ!!
あ、なんかガサゴソやってる。コレは脈アリだね!
干し肉……? 猫缶は無いのかぁ。あ、細切れにしてくれてるよ。ありがとー!!
=^・×・^= =^ΦωΦ^= =^・△・^= =^◎ω◎^= =^・△・^= =^ΦωΦ^= =^・×・^=
ふぃ~~満腹満腹。さて、食後のお手入れ……っと。
野良猫にとって身だしなみ大事。ってこれはママの受け売りだけど。
…っと! 股を舐めようとするとやっぱり転がっちゃうなぁ。それでご主人も僕に「コロコロ」なんてヘンな名前付けたみたいだけど……。
――ぅお!! さっきの人か! 急にお腹を"わしゃわしゃ"するからびっくりし…た……あれ……? なんかもの凄く気持ちいいんだけど……。
こ、この感触は……この絶妙な撫で具合は……間違いない!
ご主人ー!!
=^・×・^= =^ΦωΦ^= =^・△・^= =^◎ω◎^= =^・△・^= =^ΦωΦ^= =^・×・^=
「――さてと、ぼちぼち戻らにゃなぁ」
至福の撫で心地を持つぷにぷになお腹に大いに未練はあったものの、それを振り払うように彼は立ち上がると、まだ足下で喉を鳴らしている子猫に呼びかけた。
「それじゃぁな。お前も逞しく生きろよ。――俺は明日には素寒貧だけど」
たはは、と情けない顔で笑い、彼は再び村の方へとぼとぼと歩き始めた。
遅れて我に返ったさっきの子猫がむくりと起き上がるや、その後を付け始めたことなど知る由も無く。
=^・×・^= =^ΦωΦ^= =^・△・^= =^◎ω◎^= =^・△・^= =^ΦωΦ^= =^・×・^=
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