ばーさす・しろあり
「ほう…流石は猖獗を極める院政の頂点。隔離病床の新設、医療関係者の促成栽培、マスク・検査キットの増産、抜かりないですな」
凱・紀一は世界各地から届く最新の報告を讃えた。クレーン車やユンボが一斉に首をもたげ、演舞するように大地をえぐる様は圧巻だ。
「多国籍の工兵部隊が急ピッチで病院を爆築しておるわ」
「機械類の腐食はどうやって凌いだんです?」
「これだ!」
カァン、と軽やかに椀がどこからともなく転がり出た。
「おおう。そう来ましたか!」
K博士が漆器を拾い上げた。
「そうだ。木だ。もっともそれは一部に過ぎんよ。鋼鉄にも勝るとも劣らないありとあらゆる代替材を開発した。K博士といえども白蟻の品種改良に今から着手できまい」
うははははは!と円堂に哄笑が響き渡る。他の石碑達も貰い笑いする。
「ぐぬぬ!」
きりきりと奥歯をきしませる紀一。
「他に術はなかろう。なあ、K博士よ。子供じみた意地は捨てて、仲良く異星人の下僕を務めようではないか」
ボス岩は圧倒的勝利を宣言した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます