きょ、きょうぎちゅう

「きょ…協議中」

イルミナティ機械は岩肌を突き合わせた。知恵を絞る事わずか数秒。影響力を行使して反撃に出た。

まずは紀一が撒いたウイルスの根絶だ。持てる資源と人員の全てを投入して徹底研究した。

彼の発明したKコロナ(KC)はシベリアに生息するコテングコウモリが媒介する、SARSによく似たウイルスだ。

DNAを逆遺伝学の手法により一種のキメラ・ウイルスであると断定した。表面蛋白質の前者の、骨格はSARS自体を流用している。それが人間の受容体レセプターと結合して呼吸器系細胞に感染する機能を備えている。


「感染とは細胞とウイルスの間に橋梁シナプスが形成される過程で生じる現象だ。ならばそれを阻害すればよい」

石碑達は各大陸に点在する研究機関を総動員して対策を導き出した。

紀一は受容体に感染を捗る細工を施したに違いない。そう睨んだ研究員はKCと既存ウイルスの塩基配列を比較し、差分抽出に成功した。

「やっぱりエイズウイルスか! 抗HIV薬が有効だ。直ちに増産と投与を!」

ボス岩が音頭を取り、これまた世界を裏から操る力を大車輪させて達成に近づけた。


「どうだ。K博士。チェックだ」

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