ぼうりょくそうち
紀一・凱の開発した新型ウイルスは永久凍土に数百万年前から封じ込まれていた代物だ。隕石に付着して飛来して数えきれない種を絶滅させた。
そして、いよいよ本領を発揮する直前に大宇宙の意志が猛威を封印した。宇宙からの使者は進化の調整弁として遣わされた――いわば、摂理であった。
「それを貴様はエルズミーア島のボーリング調査と称して解き放った」
「極超核燃料の試掘を企図したのはオセアニア経済連合でしたな」
「二人ともやめい!」
いつ果てるとも知れぬ水掛け論をボス岩が仲裁した。
「醜い擦り合いは聞きとうもないわ。紀一・凱博士、パンデミックが戦線にまで拡大すると兵器ビジネスが成立せんのだ。既に大口顧客から苦情が来ておる」
「売れ筋商品がABC兵器の一つに置き換わるだけでは?」
マッドサイエンティストにとっては死者の数など統計学上の数値にすぎない。まるっきり他人事だ。
「K博士。いくらジェノサイドと言っても死なれすぎては困るのだよ。地球上から人類が絶えてしまっては我われイルミナティ機械の旨味が無くなってしまう」
ボス岩は本音をさらけだした。
するとドクターKは僅かに口元を歪めた。
「なるほど。貴方様の弱点はそこですか?」
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