第2夜 友情、共感、浮遊。

 今日も、夢を見る。いつもと同じように、夢を見る。



 今日の主人公は、一人の少女だった。その少女は仲間意識の強い少女と行動をともにしていた。それだけならいいのだが、問題はそこにあった。彼女は仲間意識、共感が強すぎるのだ。だから少女がなにか決断をするとなるとともに行動し、その行為をより良いものにしようと努力してくれる。

 そして今回も事件は起こる。

 今、少女は飛び降りようとしていた。

「もういいや…飛び降りようかな…」

「一体どうしたの?そんな暗い顔して」

「わたし、もう生きているのが嫌になっちゃったんだよ…もういいかなって思っちゃってさ…」

 そしてその少女が引き金を引く。

「なら私も一緒にしよう。二人一緒なら怖くないでしょ?」

「いや、でも…」

「もしかして、私の心配してくれてる?その必要はないよ。だって、友達じゃない。私達の絆、見くびってもらわられては困るよ、本当に」

 そう、ここが行けないのだ。どのようなことでも、ともに行動しようとするのだ。

「だって、飛び降りたら死んじゃうんだよ?わかってる?」

「それをわかった上で提案しているんだよ」

「うん、わかった、わかったけど…」

「ならもういいでしょ、準備をしよう。飛び降りるのは、ここのビルからでいいか。時間は夜でしょ、当然」

 そうして二人は日程を決め、当日。二人は高層ビルの屋上にいた。

「さあ、準備はいい?」

「いいけど、本当に良かったの?」

「何を言ってるのさ、いいに決まってるじゃないか」

「わかったけど、」

「じゃあ行くよ。3、2、1、」

「ゼロ」

 そして二人は空気中に舞い降りた。そして重力をその身で体感する。風が強く二人を叩いて、彼女たちに襲いかかる。空中で彼女たちはこのような会話を交わしていた。

「ねえ、誰か見ている人いると思う?」

「もしかしたらいるかもね」

「じゃあ、みんなに、地面に向かってピースしてやろうよ」

「それいいかもね、やってみよう」

「でも待って、わたしたち何かを忘れている気が…」

「何を?」

「ほら、今から私達死ぬよね?その前に来る

 そう、彼女たちは忘れていたのだ。飛び降りて、死ぬまでのちょうど真ん中にあるもの、そう、

 衝撃、そして激しい痛み。その間、二人は何かを見ることができた気がした。



「はっ!?またか…」

 どうしてこうも悪い夢ばかり見るのだろう。つくづく嫌になってくる。まだテレビはついている。

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