魔王と少女と暴竜②

 魔族の中でも上位に位置する竜種だが、絶大な力を持ちながらもそのさがは穏やかかつ内向的である。

 彼らは持ち前の魔力属性に従って住む土地を決めており、その生息圏は世界各地に及ぶ。しかしそのどれもが何者にも干渉されない僻地でごく少規模の集落を営むにとどまっているのは、彼らがひとえに諍いや喧騒を嫌うためだ。それ故にヒトからは『隠れ里』と呼称されたりもする。

 悠久ともいえる時を過ごす竜たちにとって、集落の長に求められるのは統率者としての素質などではなく、平穏な生活の守護者としての力量だった。

 だからこそ、その里において最も強いが長に選ばれる。

 だがそれでいて、そもそも竜種の敵となるほどの脅威など、ほとんど存在しない。


 ならば何故、“力”が求められるのか?


 それはきっと“使われないこと”にこそ意味があるのだろう。

 最強の剣であり盾でもある里長が穏やかに過ごしている。それこそが周囲の竜たちにとって、平和の証であり象徴なのだ。



   * * *



「暴竜はその時代で最も強い竜がかかる病気のようなものではないか」


 そう語ったのは、ロベリアが冒険者としての旅の途中、偶然出会った古竜だった。


「どうしてそう思うのかしらぁ?」

「まあ、あくまで推測……というより、ほとんど勘だね」


 少女の問いかけに、竜種の老人は枯れ木のような指を振りつつ答える。

 彼が生きた二千年の間に、四度よたび暴竜が出現したこと。

 そのすべてが魔王に匹敵するほど強力な竜であったこと。


「一度目は暴竜に転じた後、魔王と戦い討ち果たされた。二度目のを倒したのは、勇者だったね」

「三度目と四度目は?」

「その時にはもう隠居してたからね。魔力の質から転化したのはわかっても、どうなったかまでは、ね。一度目と二度目だって偶々たまたま見届ける機会があったってだけだし」


 四度の出現例。

 確信に至るには少なく、かといって偶然とすませるには多い。

 だがロベリアには、老人の言葉にストンと腑に落ちるものがあった。


 暴竜の出現によって命からがら逃げだしたあの日、エルシャは「恐ろしいモノ」から里の者や子供たちを守るために叔母様ねねさま父様ととさまが残ったと言葉少なに語りながらも、叔父様ディルクウェットの名を一度として出すことはなかった。

 彼こそが最強の守護者であり、義理の弟であったにも関わらずだ。


 それと老人の話をあわせて考えれば、「ならばかの里長こそが自分たちを襲った災厄の正体なのだろう」と思い至るのは難しくなかった。


 風の噂によれば、母が亡くなったあの日にの暴竜は討たれたらしい。

 誰に――などというのはどうでもいい。もう自分にはどうすることもできない過去の出来事なのだから。

 何者にも知られることなく消滅したちっぽけな里を襲った災厄の、その一端につながる情報を偶然得られただけでも僥倖である。


 そう、ロベリアにとってはそこまでで充分だった。


 どうして、かかさまは死ななくちゃいけなかったのか。

 どうして、暴竜なんて“病”が存在するのか。

 どうして、そんなものに見舞われたのが数ある里のうち、自分の故郷だったのか。


 謎、ナゾ、なぞ――そんなもの、いくら考えてもなくなりはしない。

 だからもう、やめよう。


 終わったことで自分の胸を抉るのは。

 思い出すにも辛い過去に涙を流すのは。


 ――そうして少女は、里での思い出を記憶の奥へとしまい込んだ。



   * * *



「…………ディルクウェット……


 くしゃり、とロベリアの表情が歪んだ。

 眉を強くしかめ、唇を大きく曲げる。それは憎き敵への怒りに打ち震えているようでも、認めたくない現実を前に泣きだしそうになるのを必死に堪えているかのようでもあった。


 均整の取れた肢体に、髪と同じ白銀色の翼と尾。まるで彫刻のような美しき竜人は静かに佇んでいる。

 紅玉のような瞳がロベリアを捕らえた。

 父の面影に似た端正な顔がゆっくりと向く。


「――――っ」


 ロベリアは声にならない悲鳴をあげた。

 ディルクウェットの顔の左半分は、竜の形態の時のように半ば腐り、溶け落ちて肉と骨が表れていた。なまじ美麗な容姿であるだけにその落差による衝撃は途方もなく、それ以上に叔父の無残な姿は少女の心を容赦なく刺した。


「VALUAAAAAAAAAAAA!!!!」


 猛り狂った獣の咆哮。

 ロベリアは全身を氷漬けにされたように指一つ動かせない。


「っ! ラーハルト!」


 事態をいち早く察したエレオノーラが叫ぶ。

 ディルクウェットが地を蹴り、一直線にロベリアへと向かう。

 ラーハルトが立ち塞がるが、雷のような拳を受け止めた剣はへし折れ、それでも殺しきれなかった衝撃に鍛え抜かれた長身が木の葉のように大きく弾かれた。


「無視とはつれないじゃないか。色男……!」


 エレオノーラが刃を振るい、ディルクウェットが爪を長刀の如く伸ばし迎え撃つ。

 刹那に何十合と繰り広げられた打ち合いはしかし、二度の瞬きのうちに終了した。


 ボギン――。


 エレオノーラの脇腹に竜人の背部から現れた触手がめり込んだ。

 死角からの一撃に彼女の細い身体から鈍い音が響き、小石のように地に叩きつけられ転がっていく。

 障害を排除したディルクウェットがロベリアの前に立つ。

 振り上げられる拳。


「GUROAAAAAAAAAAAAAA!」

『ロベリアぁ!』

「――ひっ」


 アルの叫びに我に返ったロベリアは咄嗟に身をかばう。しかしそれは防御などと呼べるものではなく、ただ幼子がおびえて両手をかざしたに過ぎなかった。


 ぱぁん――っ。


 竜人の拳を受けた右腕が破裂した。

 激痛と主の身体を傷つけてしまったという衝撃に、ロベリアの精神は停止する。


『ロベリアっ、しっかりしなさい!』


 だがアルの再びの叱責が少女の意識を引き戻し、驚異的な反射で後方に跳躍することで追撃を辛うじて回避する。


(だめだ、だめだ、だめだ! しっかりしろ自分! アレは敵。かかさまたちの仇なんだ! わかってたはずでしょう! 覚悟はしてたはずじゃない! 竜の姿から見慣れた形に変わったからって、そんなの関係ない……っ!)


 歯をくいしばり、戦意を湧き上がらせる。

 さらに距離を取り、反撃のために残った左手で焔を展開――


『――すまない』


 かつてかけられた言葉が脳裏をよぎり、ロベリアは唇をかんだ。


(……やめて)


 ディルクウェットからそう謝られたのはいつのことだったろう。

 幼い自分にはその意図がわからず、おどおどと叔父の硬い表情を見上げるばかりだった。

 あれは、兄の家族をそんな環境においてしまった自身の不甲斐なさに対してだったのか、それとも姪を意味もなく怯えさせてしまっている不器用さについてだったのか……。


(やめてよ、いまさらこんな記憶もの……)


 あのあと、ねねさま義姉かかさまにアタシを怖がらせたって叱られてたっけ。叔父様ったら背中を丸めちゃって。あんなに大きかった体が妙に小さく見えておかしかったな。


(……やめてってば)


 ねねさまが初めて出産するってなってた時は、らしくもなくうろたえてたよね。

 ととさまに促されて、生まれたばっかりの双子に笑いかけてたけど、ぎこちなさすぎて逆に泣かれてた。

 ……ああ。そういえば、アタシも急に叔父様に抱き上げられてびっくりしたっけ。アレはたぶん、はしゃいでたんだろうね。


(なんで今さらこんなものを思い出すの……。どうして、今さら……!)


 ――きっとね、わかりづらいだけで、あの人は優しい人なんだよ。


(うるさい、うるさいうるさい! そんなことがあるものか! 優しいなら……本当にそうなら……)


 守るべき里を、

 信頼する兄を、

 愛すべき妻を、

 慈しむべき子供を、

 すべてすべてすべて、破壊し尽くしてしまうなんてことがあるものか――!


 ずぶり、


「――えっ?」


 突如襲ってきた激痛に我に返る。

 何かが腹部から生えていた。

 自分の腕くらいの太さの、蛇のような何か。


「…………っ」


 触手に貫かれたのだと悟ったロベリアは、とっさに練り上げていた焔で焼き尽くそうとする。が、別の触手が炎に群がり、大蛇の如き咢で喰らい尽くしていく。


「や……」


 すべての触手がいっせいにロベリアの方を向いた。

 開かれた口腔から魔力の光が迸る。

 身体が蒸発するような激しい痛みと熱に襲われ、ロベリアは鈍い悲鳴と共に後方へ大きく吹き飛ばされた。

 強制的な飛翔は、里の家屋を二棟潰してようやく止まった。


「…………ぅ……うあああああああぁぁぁぁ!」


 悲鳴のような雄叫びをあげて瓦礫を吹き飛ばす。

 くそっ。くそっ。くそっ! 迷うな! 躊躇うな! 余計なことを考えるくらいなら、いっそ憎んでしまえ! アイツは、みんなの、仇なんだ!


 さらなる追撃を警戒し態勢を整える。

 しかし予想される動きは訪れなかった。

 先ほどまでの獣の如き狂乱はなりを潜め、ディルクウェットは静かに佇んでいる。

 だが、竜人の立つに気づいた時、ロベリアの視界は真っ赤に染まった。


「ふざ……っけないで……!」


 そこはっ……里の境界じゃないか……!

 この期に及んで、里の中では戦闘をしないと!?

 まさか、守ってるつもり?

 里を、みんなを、こんなにした張本人アンタが? 


「ふざけるなあぁぁあぁぁぁぁぁああああああああっ!」


 そんなもの、本当に今さらでしょう!?

 叫びと感情の高まりに呼応して、泣き叫ぶ少女の頭上に里を覆わんばかりの巨大な火球が現れる。


「だったら…………こんな……こんな場所……もろともぉぉぉおおおおおおお!」

『だめだよ、ロベリア』


 パン。


 軽い衝撃がはしった。

 茫然と、じんわりと熱をもった頬に手を当てる。

 見覚えのある。正面には、主が眉をひそめて立っていた。


「だめだよ、ロベリア」


 主がもう一度言の葉を紡ぐ。


「でも…………でもぉ…………」


 ぼろぼろと涙がこぼれる。

 主に口答えをしたいわけではなかった、こんな無様をさらしたいわけではなかった。

 だけどあふれ出した感情が止まらない。

 六年間堰き止めていた想いが、溢れていく。


「ここが嫌いなわけじゃないんでしょう?」


 ぐずぐずと鼻をすすりながら頷く。

 自分がまわりと違う疎外感はあったけれど、大好きな人たちが周りにいた。気遣ってくれる人たちもいた。

 なくなってほしいなんて、思ったことない。

 なくなってしまうなんて、思いもしなかった。


「だったら、壊しちゃだめだよ」


 両腕で涙をぬぐう。


のことは?」


 それはわからない。

 ずっと怖い人だった。

 もしかしたら優しい人なのかもしれないと思った。

 だって、ととさまの兄弟で、ねねさまの旦那さんで、あんなに穏やかに笑うことのできる人だったのだから。


「そうだよね、家族だもんね………………ごめんね、辛いこと押しつけちゃって………………あとはわたしに任せて」


 くしゃりと、頭を撫ぜられた。

 するとロベリアの意識は眠るように落ちていった。



   * * *



 横たわったロベリアに自分の上着をかける。右袖がないけれど、小柄な少女には問題ないだろう。


「…………はぁ」


 自分の不甲斐なさに自己嫌悪に陥ってしまいそうだった。

 あまりに察しが悪すぎる。

 心配しているつもりで、そのくせ自分より小さい子に甘え切って肝心なところを考えもしていなかった。

 討伐対象の暴竜ディルクウェットがロベリアの親族であることに気づけなかったのは、彼女が黙っていた以上、まあ仕方ない。だが、それがロベリアと同じ里の者だとは少なくとも明言されていた。

 いかに仇敵であったとしても、同郷の同族を相手に何の葛藤もなく殺し合えるわけがない。そんな当たり前のことにすら気がつかず、ロベリアの心をここまで追い込んでしまった。


「ほんとうに……ごめんね、ロベリア」


 申し訳なさに、少女の赤毛に軽く指を這わせる。


「GULURRRRRRR……」


 抑えた威嚇の唸り。


「……ああ、やっぱり。アンタ、このが誰なのか、うすうすわかってるんだね」


 なら、少女を傷だらけにしてしまったのは、やはり私の責任だ。このはずっと、ロベリアへ攻撃を加えようとは一度たりともしていなかったのだから。

 何となく感じていた。この竜人が抱く狂おしいまでの怒りは魔王アルに向いているのだと。

 理由は見当もつかない。それがいつから燃え続けている憤怒なのかも。彼が里長であったころからなのか、暴竜と化してからなのか。あるいは一度死して屍となったことで、いま里やロベリアを認識しているように、魔王に敵意を抱く原因となる何かがあったのか。


「GUROAAA……」

「ああ、ごめん。わかったわよ……わかってるわよ」


 ロベリアの叔父。今となっては彼女のただ一人の親族。だが、それも『里を守る』その思念だけが暴竜の肉体に残り、土地を彷徨うだけの悲しき残骸となり果ててしまっている。


「ロベリア……あなたの魔力、使わせてもらうわね」


 頭上で燃え続ける火球へと左手をかざす。業火は掌中へと呑みこまれ、アルの背部に一対の深紅の翼が、砕け散った右の肩口から燃え盛る腕が現れた。


「アンタの怒り、きっちり受け止めたげる。でもね、覚悟しなさい。私だって怒ってるんだ」


 腰を落とす。翼が震え、大きくその形を広げた。


「私のを泣かせたこと、思いっきりぶん殴って思い知らせてやる」


 地を蹴ると同時に、火の粉を散らし翼が大気を打った。

 アルの身体は紅蓮の尾を引き、流星の如く一直線にディルクウェットへと突進する。


「VALDORAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」


 咆哮。

 ああ、そうだね。アンタはずっとその名を叫んでいた。

 魔王ヴァルドラ、と。

 いくら噴き出しても尽きぬ溶岩のような憤怒が全身を叩く。怖気そうになる弱気を振り払い、アルはさらに加速する。

 魔力の使い方はロベリアが教えてくれた。アルの肉体を通して彼女がどのように魔力を運用していたのか、その感覚をはっきりと覚えている。

 だが繊細に扱うことは到底出来そうにない。想像を現実に反映させるには経験が足りなすぎる。


 だから――


 アルは減速することなく、竜人へと衝突した。

 突き出した右拳がディルクウェットの頬を捕らえる。


「ごぶ――」


 同時に、ディルクウェットの拳もアルの華奢な胴へと沈み込んでいた。

 超加速から生じる途方もない破壊力はしかし、諸刃の剣となり返ってくる。いくら魔力で強化しようと耐えられるものではない。

 だがアルは止まらない。勢いを殺すことなくさらに翼を羽ばたかせる。

 腹部を腕が貫き、想像を絶する激痛が襲いかかる。


「が、あ……はっ…………っうわぁああああああああっ!!」


 それでもアルは自らの肩をディルクウェットにぶつけ、さらに前進する。

 竜人は衝撃に圧され、大きく後退した。


「つか……まえた……っ」


 アルの焔でできた右腕が縄のようにうねり、自身と貫いているディルクウェットの腕を固定する。

 まともに戦ったのでは勝ち目はない。付け焼刃の魔力運用では、勝負にすらならないことをアルは十二分に理解していた。


「あっは。


 右手で触れたディルクウェットの左半身が消滅する。だが、瞬時に再生し、そのまま拳がアルの顔面へと繰り出された。

 アルは翼を突き出してそれを防ぐ。さらに肩口へ指を突き立て魔喰を発動させる。しかし竜人の肉体は健在だった。魔力の喪失による崩壊に拮抗する速度で再生しているのだ。


 ディルクウェットは雄たけびをあげ振りほどこうとするが、アルは喰らい付いて離さない。

 引きはがすのを断念した竜人の背部から多数の大蛇が牙をむく。

 焔の翼を帯状に展開し触手を迎撃する。帯に触れた蛇はその膨大な熱量まりょくを取り込む暇もなく焼滅していく。だがアルの拙い操作では大量の触手を捌ききれず、肩に、腕に、膝に、腹に、次々と牙が突き立ち、魔力を、肉体を食い散らかしていく。


「あ…………これ……ちょっとまずい…………かも」


 エレオノーラの言ったように、喰らう速度も量もアルの方が圧倒的に勝っている。しかし、やはり問題はその肉体が持つ毒性だった。

 魔喰による魔力補充と肉体再生でも追いつかないほどの猛毒の浸食。全身に激痛が走り視界が歪む。

 ディルクウェットが大きく口を開いた。鋭利な牙の奥に魔力の光が生じる。


「あ……しまっ……!」


 竜の吐息。ロベリアがよく使用していた技だというのに、竜種が人の姿でも撃てることを完全に忘れていた。

 密着しているこの状態では回避は不可能だ。

 口腔から業火が放たれる寸前、竜人の頭部に折れた剣の切っ先が突き立った。

 不意の一撃に炎が中断される。


「ったく、は止めとけっつったろうが」


 アルの全身に牙をたてていた触手が切断された。

 次いで強く身体を引かれ、そのまま後方に放りだされる。


「っと」


 誰かに抱きとめられる感触。


「の、さんっ、怪我人なんですからもっと優しくしてください!」

「腹に風穴あいたくらいで魔王サマが死ぬもんかい」

「そ、そういうことじゃなくってですねっ」


 二つの見知った顔が覗きこんでくる。

 栗毛のメガネをかけた優しい顔立ちの少女。

 無表情でぶっきらぼうにも見える幼さを残した少年。


「ご、ごめんなさい、アル。遅くなっちゃって」

「……エーファ…………ひさしぶり」


 半月くらいだっけ? そんなに長く離れていたわけじゃないのに、まるで何年も会ってなかったみたいだ。

 懐かしさに胸の奥から熱いものがこみ上げてくる。


「困ってる、よな?」

「…………なぁに……その訊き方」


 クスリ――と、つい息がこぼれてしまった。

 いつもいつも、腹が立つほどちょうどいい時にやって来るもんだ。

 本当は狙ってやってるんじゃない?

 だけど、いいさ。


「うん……困ってる…………だから、手伝って」

「わかった」


 黒髪黒眼の少年は一つ頷くと、アルの身体を慎重に横たえて立ち上がる。


(騎士団のところにはもっといい武器があったでしょうに……しかも相手は竜なんだけど、それでもくわ持ってきたんだ)


 緊張感に欠けるというか、とても場違いな格好なんだけれど、それが妙に安心する。

 ここまでくればは必要ない。

 勇者がいればいい。


 さあ、決着をつけようじゃないか。

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