第6話 同一人物?
翌日、俺はお昼過ぎに目を覚ました。
一応、寝る前に母さんにパソコンを持ってきてと連絡をしておいた。
体を起こして、スマホを見てみると『夕方に行くわ』と母さんから連絡が入っていた。
「夕方か・・・・・・」
普段はパソコンを使うのだが、今手元にはスマホしかなかったので、夕方まではスマホを使って書くことにした。
とりあえず、先日、題材に決めた裏垢に投稿されている写真を見ながら話を考えていった。
ポンポンとアイデアが浮かんできて、それをスマホのノート機能に記録していく。
その作業を一時間くらいしたところで、俺は例の裏垢を検索してみた。
実は、昨日のあの事故で俺は例の裏垢のことを思い出した。
たまたまだった。たまたま、見えてしまったのだ。東雲さんの真っ白な太ももにほくろがあるのが・・・・・・。
しかもそれがあの写真と同じ位置で似ていたのだ・・・・・・。一瞬だけチラッと見えただけだから、確証はないが、そのほくろの形は本当によく似ていた。先日俺が見つけた、例の裏垢の女性の特徴的なほくろの形と。
「もしかして、これは東雲さん・・・・・・?」
この前と同じ写真を俺は見ていた。
こんな特徴的なほくろを持っている人は全国探しても二人くらいしかいないんじゃないだろうか。さすがに同じ学校にはいないと思う。
だが、これが東雲さんだという自信もなかった。
本当に一瞬の出来事で俺の見間違いということは大いにあった。
確証がないまま本人に聞けないよな。
なんとかして、もう一度見ることできないかな・・・・・・。
そしたら、今考えているものより面白い話が書けそうな気がした。
あくまでも俺の目的はそれだ。面白い話を書くこと。俺の目的はその一点のみ。決してやましい気持ちはない。確認さえできればそれでいい。
「いっそ、本人に見せてと言うか・・・・・・」
いや、殴られて終わりだな・・・・・・。
そして、俺の優等生としての仮面が崩れ落ちて、学校生活終了だな。
それはさすがにリスクがデカすぎるな。
俺と東雲さんが恋人同士だったら、見る機会もあったかもしれないが、俺たちはそんな関係とは程遠いところにいた。
友達ですらない、一回しかまともに話したことのない赤の他人だった。誰が、そんな関係の相手に太もも、それも際どいところを見せてくれるというのだろうか。
まぁ、こんな写真を投稿してるくらいだから、見せたがりなのかもしれないが、だからといって、それなりに仲がよくないと踏み込めないよな。
どうすれば、もう一度あのほくろを見れるかを考えていたら、俺はいつの間に寝落ちしていた。
☆☆☆
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