第4話 ハプニング!?
「失礼しました」
来たみたいだな。
職員室の方から東雲さんの声が聞こえた。
足音がこっちに近づいてくる。
曲がり角から艶やかな黒髪を揺らしながら顔を出した東雲さんと目が合った。
「えっ・・・・・・何でいるの?」
本当に驚いているらしく、大きな黒目がさらに大きなくなっていた。
「んー。なんとなくだな。強いて言えば、少し東雲さんに興味が湧いたから?」
「私に、興味・・・・・・」
東雲さんの顔色の変化を見てしまったと思った。この言い方じゃあ、他の生徒たちと何も変わらないじゃないか。
東雲さんとお近づきになりたいみたいじゃないか。
俺はただ題材になりそうだと思って言っただけなのに・・・・・・。
「ごめん。別に深い意味はないから」
「・・・・・・分かってる」
重たい沈黙が二人の間に流れた。
「やっぱ、帰るわ。ごめんな・・・・・・」
その沈黙に耐えられなくなった俺はそう言って階段を降りようとした。
「ま、待って!」
「えっ・・・・・・」
「きゃっ!」
東雲さんに呼び止められて振り返った。
その瞬間、俺の後を追おうとした東雲さんが階段を踏み外し、俺に向かって倒れてきた。
マジかよ・・・・・・。
俺は東雲さんを受け止めて、東雲さんに怪我をさせないように俺が下になって階段を転げ落ちた。
十数段の階段を結構な勢いで落ちた俺と東雲さん。
最悪だ・・・・・・。
背中を強く打ったのか息ができなかった・・・・・・。
「・・・・・・じょうぶ・・・・・・」
東雲さんが泣きそうな瞳で俺のことを見下ろしながら、何かを言っていたが、意識が朦朧としていた俺の耳には届かなかった。
☆☆☆
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