第2話 繰り返される儀式
「で、今日は何か用事があったんじゃないの?」
あれから世間話をいくらか交わした後急に白刀山が言い出した。
「えっ・・・、俺はお前と話したかったからここに来ただけだよ」
「だって
「あ・・・」
話さなきゃいけないとは解っていてもなかなか本題を切り出すことができずにいつもと同じノリで話していたけど、結局はただの時間稼ぎ、嫌なことを先送りにしただけだ。見方によっては白刀山が助け舟を出してくれたともとれるけど、その船はお前を死に誘う沈没船なんだ・・・。
それでも今日この話をしなきゃいけない。覚悟を、決める。
「・・・今日俺の親父達が集まって話し合ったんだけどさ、・・・今年の生贄は・・・お前になったんだよ」
「・・・そうなんだ」
「もっと驚いたりしないのか?大体今までの生贄はみんな女だったのにいきなり相撲取りのお前が選ばれるなんておかしいじゃないか」
「でも仕方ないじゃないか。今まで10人以上の村娘が身投げしたわけだし僕だけうまく免れる、なんてわけにいかないじゃないか」
「お前なぁ!!なんで死にたくないって言わないんだよ!」
俺は大声で怒鳴っていた。同時に涙も流れてきた。俺と白刀山の二人しかいない道場の中で情けないことに俺の鼻水をすする音だけが響いている。
「本当は俺だってお前に死んでほしくないんだよ・・・・・。こんなこと言わなきゃいけない俺の身にもなれよ・・・!お前がみっともなく命乞いでもしてくれれば俺だけこんなに馬鹿みたいにならなくて済んだのに・・・・・」
「・・・ありがとう、僕のために泣いてくれて」
「もう、床に落ちてる水滴はお前の汗だから、俺の涙なんかじゃねぇからな」
「・・・そうだね、刻春が泣いてるところなんて僕はみたことないよ」
「・・・・・まだ生贄の儀式まで1か月ある。それまでになんとか覆してやるから」
「うん、頑張って」
この村には何百年も前から村人から信仰を集めている神様がいた。名は
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