第23話襲撃と襲来
遂に私は人族の街に辿り着き襲撃した。
街を取り囲む壁を破壊し、幹や根を伸ばし塵共を襲う。
根で捕らえたものどもは人族がアルトのみんなにやった様に嬲り殺し隠れてやり過ごそうとした奴らは広範囲魔法で殺した。植物魔法で呼び出した食人植物を操り生きたまま食わせた。
嗚呼!!ああ!!みんな!!見ているかい!!聞いているかい!!
人族共に滅びの時は訪れた!!このまま殲滅してあげるから!!皆んなが望んだ様に!!
街に居る人族共をくまなく探し見つけ次第捕らえ嬲り殺す。それを暫く続けた時変わった男を捕らえた。他の奴らは泣き喚き狂った様にして死んでいくがその男は違った。その男だけは何をかずっと書き続けていた、そして微笑んで死んだ、意味が判らない、まぁ問題無く殺したが。
私が最初に訪れた人族の街は男を最後に全滅した、此処には私以外生きているものは存在しない。次だ、次の街を目指そう。このまま人族を絶滅させろと私の中に入り込んだ皆んなが叫ぶ、殺せ殺せと掻き立てる、皆んなが望むなら私は止まらない、この世から人族が消えるまで殺戮は終わらない。
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マスターが人族の街に辿り着き殺戮を開始した、次々に築き上げられていく屍の山を私、華蓮はなす術なく見ていた。私はオマケみたいなものでマスターに与えられたナビ機能にマスターが''華蓮"というか名前をつけてくださり生まれた存在、しかしもう事実を淡々と伝えるだけナビじゃない、だからマスターに生きて欲しくてマスターが望まぬ進化を進めた、私の事をマスターが嫌おうとマスターが生きているならそれで良い、マスターが生きているなら他の有象無象はどうなったって構わない、そう思っている。
だけどマスターはそうじゃ無い、暴走状態になる前のマスターは周囲の人々全ての幸せを願っていた。優しい方なのだ、今のマスターの行いはかつてのマスターが望まぬものだ。そのかつてのマスターは失われつつある、濃い呪いがマスターの精神を蝕み殺戮以外の思考を無理矢理排除させるのだ。、アルトの街の奴らも勝手だ、あいつらは村から街になってから自分達で街を守る努力をしていなかった。街の警備どころか街の維持すらまともにやっていなかった、ゴミの処理、魔物の侵入を阻む結界など多くの事をマスターに押し付けていた癖に挙句自分達が死んでからは人族を殺せ殺せとマスターに呪いをかけた。
本当に勝手な奴らだ、私はマスター程アルトの獣人達が好きではない、寧ろ嫌いだ。だが勝手なのは私も変わらない、マスターを今の悲惨な姿に変えたのは私だ、マスターともっと一緒に居たいというか自分勝手な思いで勝手な行動にでた。マスターと私は同じ身体を共有している、あの時マスターが過剰に吸収し魂の破壊の手前までいった獣人達の呪いを私が肩代わりして私が消滅すればマスターは苦しまずに済んだ、望まぬ殺戮に染まる事も無かった、しかし私はマスターと一緒に居たいというか勝手な願いでマスターを殺戮者に変え。自我がだんだんと壊れていくマスターを見て自分には何も出来ないからと誰かがマスターを救うのを祈っている。
私も本当に勝手な奴だ、獣人達と同じくらい、いやそれ以上に自分が嫌いだ。
人族の街で破壊の限りを尽くすマスター、すると北東の空に巨大な影がいくつも現れた。
龍だ、龍の群れだ。
マスターが目的か、それとも別の何かが目的か不明だ。
それでも変化の時が近いと空を震わせる羽ばたきが告げていた。
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