第13話発展

 花祭りが終わり村は普段と変わらない日常に戻った。私の魔法は好評だった様で来年はもっと凄いのを披露出来たらと思う。それはさておき私が魔法が使える事が行商人を通じて獣人族の中央部にも伝わったらしく聖職者見たいな人が来た。何でも私の進化の段階で魔法を行使する事は非常に珍しいらしい……そりゃそうだわな普通は木が意識を持って魔法何て使わんだろうよ。その聖職者さんの話だと私の周りに教会を建てようとか……いや、辞めてください。霊木、聖木信仰は獣人族の伝統で私みたいな特例はかなり神聖なものらしい。



 まぁ村の人達も喜んでるっぽいし教会建ってもいいか!!


















 そうは言ったけどさ、たったの3ヶ月で建つと思わんやん、現在私の周りには非常に神々しい教会が……。私の周りだけ元の地面になっていてその周りは祈りの場みたいになっている。前世の建物で例えるとイスラーム建築に近いかな?まぁとにかく綺麗なんだけど前世から貧乏性が抜けない私は落ち着かない。それと何故か華蓮が得意げです。



 (華蓮、何でそんなに嬉しそうなのさ?)


 (…お答え出来ません)


 (えっ!!教えてよ!!同じ身体を共にしてるんですから!!)


 (……お答え出来ません)




 教えてくれたってええやん!!華蓮はナビさんだった頃よりずっと感情を出す様になって嬉しいけどこうやって隠し事されるのはちょっとだけもどかしい。




 さて私の教会が出来た事で中央から礼拝に来る人が現れて村は狩猟以外の収入ができ非常に潤っている。なんなら中央から村まで街道ができるくらいに……いや、中央も本気やん!?私別にそんなにすごく無い!!





 中央から来る人の中には定住する人もいて我らがアルト村は勢いに乗っている。教会が出来てから2年が経ち益々発展して居ます。花祭りの規模もお拡大して収入も増えている様だ。だが問題も有る、まず人口増加で土地が無くなり森を切り拓く。すると森の魔物達の住処が無くなり魔物の被害が増える。そして一番の問題が権力について、人口が増えると統治する者の競争率なども上がる、それに伴い賄賂とか陰謀とかが増えた。私は魔法で村……いやもう街だな…の様子を把握している。侵入してくる魔物を追い払ったりしているがそう言った人間の闇深い所を目撃する事がとても増えた。私に彼らと意思疎通する術が無い為誰も気付かず平然とそんな悪事が横行していく。ああ、発展して皆んなが幸せになるなら全然構わない、だが私の種族特性の「祈願」は私に対する祈りや私に誰かを呪って欲しいとかそう言う感情をキャッチして経験値に変えるアビリティだ、そして私の進化先はどんな感情を集めたかによって変化する。どんな感情が蓄積したか確認出来るのだが発展し始めてから負の感情が溜まり始めた。





 発展した事で誰かの不幸を私に祈るなら私は村のままがよかったな。

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