第11話花祭り

 ハイ!!始まりましたよ、花祭り!!え?展開が早い?じゃあ逆に聞くけど木である私に話すべき事がそうそうあるとお思いで?あっ何か自分で言ってて悲しくなってきた。まぁそんな事は忘れて花祭りの話をしようか。花祭りを開催するくらいなので今、私の枝には沢山の花が咲いている訳ですよ。これがまた綺麗なんですわ〜。どんな花なのかと言うと私は桜なので花弁の形やサイズは前世の桜そのもので特筆すべきは色かな?と言っても特別珍しいわけではなく白と薄桃色のまだら模様になっている。白い幹と良い塩梅にマッチしてて綺麗だわ〜。

 と、まぁ私の花の紹介はこれくらいにして花祭りの内容について語ろうかな。花祭りは先ず私へのお祈りから始まる、次に供物を捧げる、酒、肉、野菜とか食べ物全般や布や金属といった物まで様々な物が私に捧げられる、それも終わったら宴である。イマココ、村の皆は勿論儀式的なものも真面目にやっていたがやはりこれが目当てだったようで皆楽しそうである、特にケモミミオッサンズはまだ真っ昼間だと言うのに呑んだくれている。かなりのどんちゃん騒ぎだがこの辺境の村には娯楽なんてほぼ無いので良いと思う。エリアとエンラの親子も楽しんでいる様で何より。そうだ!少しサプライズと行こうか!


 (霊幻魔法Lv2虚構顕現!!)


 周りの景色が一変する、例えるならウユニ塩湖の様に地平線まで鏡の様に、空は青く私の薄桃の花弁が舞う。浮世離れした幻想的な景色に村の皆は固まってしまった、虚構顕現は広範囲にわたって幻覚を見せる魔法で見せる幻覚は私の思い通り、ウユニ塩湖にしたのはなんとなく。

 村の皆は私がやったと気付いて安堵したのか景色を眺めながら酒盛りを再開した。結局、このまま次の日になるまで宴は続くのだった。





************************************




 死屍累々とはこの事か!!と言わんばかりの有り様だ…翌朝、私の前には酔い潰れたケモミミオッサンズがゴロゴロと転がっている…。木である私には酒臭さなどは伝わってこないが、もう皆起きているのにケモミミオッサンズに近づかないのはそう言う事だろう。えっ?木のくせに見る事ができるのに臭いは分からないのかって?私に聞くなよ!私が1番知りたいわ!!

 ケモミミオッサンズ以外は既に花祭りの片付けは終わっていて皆普段の生活に戻っている。まだ花の季節は暫く続くが祭りはもうお終いの様だ、私も華蓮と魔法とかのアビリティの練習でもするかな〜




 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る