第2話どうやら私は木に転生してしまった様だ…

 はい皆さんこんにちは!清々しい朝です!私が木になっていなければな!

 くそ!くそ!何故?何故木なんだよ〜!そうだよ私が選んだくじのせいだよ!くそ〜でもミジンコとかよりマシか?いやどっちもどっちだわ!

 ふ〜今年で17のなのに取り乱してしまった…落ち着け落ち着け私、現状の確認だ、周りは田舎の村と言った感じで文明が発達している様子は無い、まだ朝早くなので人影は見られない、厩?の様な場所には大きな蜥蜴が繋がれている、異世界って感じだわ〜鑑定とか出来るかな?


 鑑定!…反応しないか…


  (アビリティ「鑑定」を取得するにはAPが500足りません)


 何か喋ったー!女の人の声が聴こえる!

 そう言えば黒い男がナビゲーターをつけるって言ってたな。


 ナビさん!ナビさん!AP ってどうやって増やすんですか。


  (AP はレベルアップにより入手可能です)


 どうしたらレベルアップ出来ますか!


  (生命体を殺す事によって得られる経験値が一定に達すると可能です)


 なるほどね、私のステータスって見れる?


  (ステータスを表示します)


 名前 無し


 Lv1/50


 種族 霊木 チェリーブロッサム

種族特性

 霊木 「祈願」


 HP 500/500

 MP 700/700

 ST 0/0


 移動能力

 0

 物理攻撃

 0

 魔法能力

 300

 防御力

 1000


 アビリティ


種族アビリティ

「光合成」「毒合成Lv1」


魔法アビリティ

「回復魔法Lv5」


ユニークアビリティ

「魔力操作強化超特大(特殊)」「魔力回復超特大(特殊)」「植物魔法Lv1」


AP0


称号

「転生者」「御神木」




 色々あるな〜移動と物理攻撃0かよ、木だから仕方ないか〜STは何かと思ったらスタミナらしい、「光合成」は日光を浴びると回復するもので「毒合成Lv1」は葉に弱い毒を作るもので「回復魔法」は次のようだ。


 「回復魔法Lv5」

 Lv1「ヒール」Lv2「ハイヒール」Lv 3「グレイトヒール」Lv4「エリアヒール」Lv5「リモートヒール」


 1〜3は回復量と魔力消費の差みたいだ、「エリアヒール」はその名の通り範囲回復で「リモートヒール」は遠隔で回復が出来るらしい全部ナビさんの受け売りです。


 「植物魔法Lv1」は次のよう

 Lv1「種子召喚」


 「種子召喚」は植物の種を魔法で呼び出す物らしい。

 一回やってみっか。


  (「種子召喚」!!)


 あれれ、何も起きない?


 (召喚する種子を選んで下さい)


 あっはいすいません、召喚出来る種子は前世にもあったものからファンタジーって感じの植物まで色々あるみたいだ。

 う〜ん、そうだな〜特に理由はないけどクリスタルフラワーというファンタジー植物にしてみよう。

 種子を選択すると身体から何かが抜ける感じがした、これが魔力か…緑色の魔法陣が形成され中からキラキラした種が出てきた。

 出てきた…それだけである。えっ?おしまい?お終いか…あんまり使えないな…すぐ成長するわけでも無いし、他の能力の確認をしようか。

 この種族特性ってのは何だ?


  (種族特性とは種族固有の能力で種族が変化すると失いますが保有している間はノーコストで利用可能です)


 種族特性 「祈願」

 生命体を討伐すること以外でも他者の祈りや呪いの力を吸収して経験値に変換する。


 当たりやん!動けない私でも経験値が稼げるぜ!


 次に称号ってのは何だ?


  (称号は行動やアビリティなどで条件を満たすと与えられるものです、称号によってはアビリティが付与されるものも有ります又、称号自体が効果を持つものもあります)


 ほえ〜、じゃあ私が持ってる称号を見てみよう。


 「転生者」

 転生した者の証 獲得経験値20%増加、アビリティ熟練度50%増加。


 「御神木」

 御神木たる証  「祈願」による獲得経験値50%増加。


 おお〜!これは良い!村人から一杯祈られればすぐレベルアップ出来そうだ。

 アビリティは最大レベルは10で物によっては進化したり、新たなアビリティが派生する事もあるらしい、ナビさんの受け売りです。

 ナビさん!アビリティってどうやって増やすんですか?


  (アビリティに応じた経験を積むと熟練度が溜まり、一定に達する事で獲得可能です)


 アビリティに応じた経験ね〜、魔法アビリティを獲得するにはどうすれば?


  (APを消費するか対応する魔術を行使する事で獲得できます)


 魔法と魔術って何か違うの?


  (魔法はアビリティにより使用が簡略化されたもので魔術は一から自身で構築するものです、そのため魔術は魔法より扱い難いですがより自由に力を行使することが可能です)


 なる程ね、私は魔力操作強化超特大を持っているから魔術も割と使えそうだな。

 という訳で魔術を使って魔法アビリティを獲得しようと思います!先ずはそうだな…イメージするのは水、雨が降り川になり海に流れていく様子を想像する…魔力を操作してそれを再現する…


 バシャ!! 1メートルくらいの水球が地面に落ちる。


  (「水魔法Lv1」を獲得しました)


 おお〜!!意外と早かったな、この調子で他の魔法も獲得しよう!ナビさん曰く魔法の属性は水、火、土、風、光、闇の基本の6つと回復、空間の特殊が二つ、基本属性が複合した、雷、氷、幻夢の3つの複合属性があるらしい、私の持ってる植物は?とも思ったが気にしない事にした。





 ふ〜一通り試してみたが火と氷の二つは獲得出来なかった、私が木だから火と氷は相性が悪いのかも知れない。

 獲得した魔法アビリティを見てみよう。


 「水魔法Lv1」

 Lv1「水弾」

 「土魔法Lv 1」

 Lv1「礫弾」

 「風魔法Lv1」

 Lv1「風弾」

 「光魔法Lv1」

 Lv1「光球」

 「闇魔法Lv1」

 Lv1「影球」

 「空間魔法Lv1」

  Lv1「空間指定」

 「雷魔法Lv1」

 Lv1「雷弾」、

 「幻夢魔法Lv1」

 Lv1「幻霧」


 ほとんど名前のまんまなので説明は省く、ただ幻夢魔法だけは効果が解らないので使ってみよう!


  (「幻霧」!)


 周りに霧が立ちこめる、どうやら霧と感覚を共有して周りの様子を探れる魔法みたいだ、これは便利だ!

 そろそろ村人が起きてきそうだ、木が魔法を連発していたら怪しいだろうから一旦休憩だ…お!最初の村人発見!!

 獣人ってやつかな?ケモミミがある、だが期待してたんとちゃうわ…うさ耳のゴツいオッサンが出てきたんだけど…大きい槍を持ってる、狩でもするのだろうか。

 そんな事を考えていたら続々とケモミミオッサンが集まり始めた、みんなこっちに向かって来るんですけど!!

 私の前までやって来たケモミミオッサンズは私の前にお酒とかを置いて跪き手を合わせ始めた、え〜と何してんの?


  「******」


 ん?何か言ったか?


  (経験値を獲得しました)

  (レベルが1アップしました)


 おっおう?あっ!「祈願」の効果か祈られて経験値を獲得したと…なる程ね、狩に行く前に安全や大漁を願ってるのかな?まぁ頑張ってきてらっしゃいな。

 それにしてもお供え物か…木だから食べたり出来ないのが悔しい!!

 ケモミミオッサンズが村を出て森に向かって行く、「幻霧」を使ってちょと見てみよう、見ると言っても霧で動きを感知するだけだからシルエット的な物が頭に入ってくるだけなんだけどね。

 ケモミミオッサンズは森に入るとそのうちの1人が呪文を唱える、雰囲気的に「幻霧」かな?発動遅!

 あっイヤ、私が魔力操作強化超特大持ってるからか?これが普通なのかもね、ケモミミオッサンズは森の奥にいるでかい熊をターゲットにしたらしい、あの熊よく見たら腕四本ないか?いかにも魔物って感じだ、てかそれ狩ってどうするん?美味いのか?

 ウサオッサンが脚力を生かして四本腕熊の前に躍り出てそのまま飛び上がって槍を投擲する。槍四本腕熊の腕を一本地面に縫い付ける。


 「グガァァ!!」


 熊が残り3本の腕を振るう、掠っただけで周りに木々が吹き飛んで行く…ナニソレコワ…

 ウサオッサンが気を引いているうちにネコミミオッサンが背後から近付き槍を突き刺した。ケモミミオッサンズ強くね?この世界の基準は知らんけどさ…

 ケモミミオッサンズは四本腕熊を血抜きした後森の奥に進んで行った、熊はウシオッサンが抱えている…1人でね…怪力すぎだろ!四本腕熊7メートル位あっぞ!

 飽きてきた(怖くなった)ので村の中を見てみよう、ケモミミオッサンズが森に行った少し後から女性や子供も出てきた。

 ケモミミキッズ可愛いな!それは置いといてだな、やはり文明は発達していないようで機械などは見られない、その代わり魔法か手作業で洗濯などをしているみたいだ。何言ってんのか全然わからないからまず言葉を学ぼう!という訳で村人が会話する所などを重点的に観察しよう。

 暫くそうして人間観察していると分かったのはまずこの村獣人しかいない事、次に農業などはしていない事、しかし野菜などはあるため何処からか買い取っているのだろう、また魔法を使える人は少ないという事、いや、人って一括りにしない方がいいか私は獣人しか知らない訳だし、他の種族がどうなのかは分かんないもんね。

 おお!何か美人さんがやってきたぞ、私は女子だけど(今は木だろとかいうな!)それでもテンション上がる位の美人さんだ。

 美人さんは猫の獣人で肌が雪のように白く、オニキスの様な黒髪を持ち、触れたら壊れてしまいそうな儚さが有る。

 美人さんは私の前に来ると跪き祈り始めた。


  「************」


  (経験値を獲得しました)


  (レベルが2アップしました)


 んん?さっきのケモミミオッサンズより経験値が多い気がする、レベルも良く上がってるし、でも何言ってるのか分かんないから何も出来んな〜早く言葉を覚えなければ!経験値をただ貰うだけじゃ申し訳ないからね!そうと決まれば人間観察頑張りましょう!!













 

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