4つの不条理
○○あぁ
4つの不条理 その1
わたしは、4つの不条理を目撃した。
《その1》は、田舎の公立高校の卒業生と、30歳の英語教諭とのかけおちである。
ふたりの出会いはその4年前だった。彼女が高校3年生の春、彼は転任してきた。大学の英文科を目指していた彼女は、その英語教師を尊敬するようになった。
そして彼女は東京の女子大へ。親友と呼べる友人や、同郷の恋人もできた。彼等と学生運動にも足を突っ込み、彼女なりに充実した3年間ではなかったのか。
英語教諭の方は、学生結婚した妻との間に2人目の子供が生まれていた。
英文科4年生になった彼女は、母校で教育実習を受けることにした。担当教諭は偶然か?必然か?彼であった。2週間の実習は、短いながらも充実しており、彼女は彼を慕うようになっていった。その後の夏休みまでは、文通で互いの気持ちを、あたためあっていた。もちろん!イングリッシュで。英語の苦手な私には、到底効き目のない妙薬が、そこには、、、あったのかもしれない!
実行は夏休み、彼の車は東へ向かった。あてがあったのか?なかったのか?
ふたりが、たどり着いたのは、日本有数の大都市だった。捜索から逃れるにはその方が都合が良かったのだろう。先ずは、住むところを決め、生活のための仕事を探した。わけありの2人を雇ってくれたのは、ステーキレストランのオーナーだった。そのオーナーの人生も、わけありらしく、快く引き受けてくれたそうな。
半年後、彼女は実家にいた!どうやら、両親と叔父が雇った探偵が、名古屋に潜伏していた二人を探し当てたらしい。そして、叔父に説得された彼女は、自分の意志で戻ってきたそうだ。
その後、彼女は1年留年し、無事に大学を卒業し、人並みの人生を送り、現在に至っている。現在の心境を聞いてみたいものだ!
彼の方は、当然!教師に戻れるはずもなく、しばらく名古屋にいたらしいが、、、
なんと!嘘か?ほんとか? 妻が子どもを連れて、名古屋に行ったとのこと!!
つづく
4つの不条理 ○○あぁ @susukitukiko
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