『火の島』下の中の上の2
『あたしが、先に行くにゃん。くまさん、あんた、その大事な機械背負うにゃん。』
ねこママが指示しました。
『わかった。くまら。ぼくらのためだから、くま。』
我々一行は、巨大な火山を登りはじめました。
・・・・・・・・・・・・・・・
一方、ふもとの村では、ついに、一揆が始まりました。
宇宙ごきの管理事務所が、見た目くま属と、地球ごきに襲撃されたのです。
見た目くま属は、武器をほとんど持っていません。
むかしは、あったらしいのですが、宇宙ごきにより、武力は廃止されたのです。
見た目くま属の若者や、壮年組たちは、一揆に夢中になりました。
しかし、長老の多くは、戦争の愚かしさを説き、若者たちを諌めようとしたのです。
『いまは、平和だ。くまら。一揆など起こして、どうする。』
しかし、若者の代表は、言いました。
『この村を出ることさえできない我々は、奴隷に過ぎない。くま。いまこそ。自由を!』
長老たちは、宇宙ごきの意向を受けていました。
一揆の知らせは、長老たちから、事務所に通報されたので、若者たちがおしよせたときは、相手はすでに、武器を準備していたのです。
それは、見た目くま属を、一気に昏睡させるような衝撃を与える、大砲のような武器でした。
『やれ。ふん。ばかどもめ。』
事務所長の宇宙ごきが命令しました。
宇宙ごき側は、少数でした。
まさか、見た目くま属が、反乱を起こすとは、思っていなかったのです。
しかし、この、強烈な一発で、すべて、終わるはずでした。
ところが、そうはならなかったのです。
確かに、衝撃弾は、反乱くまたちの頭上で、炸裂したのです。
『所長。効きません。衝撃波が、中和されました。ごきらら。』
『ばかな、ごきな。なぜごきらら。』
『報告しまごきら。連中は、地球ごきの兵器を持っております。すでに、敷地の門を、突破されまごきららら。』
『なんと、ごきな。しかたない。死くまは出したくないが。やむを得ず。30ミリ機関砲を出せ。』
『さらに、報告しまごきらら。きゃつら、シールドを全体に形成していて、攻撃不能ごきららららら。』
『なんとごきら。隊長、やむを得ない。あれを、出せごきららら。脱出準備も、せよ。ごきららら。』
『あれ、ごきら? あれは、大量殺戮兵器ごきらら。惑星上の全員、即死ごきららら。空中の、地球人捕虜も、全滅ごきららら。まずは、和平交渉をやりまごきららら。でないと、あなた、責任取らされるかもごきら。』
『よい。自ごきは、名誉を重んずるごきららら。連中と和平交渉など、恥だ。いいから、やれ。ごきららら。勝利なければ、速やかな死を与えよ。』
それは、宇宙ごき皇帝の、絶対的な、言葉でありました。
『わかりましごきら。君、いっしょにきたまえ。殲滅爆弾を設置する。我々は、ここごと、脱出だ。脱出システム用意せよ。……不本意ながら。やはり、和平交渉すべきごきららら。』
隊長は、小声で付け加えたのです。
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『火の島』 下の中の上 やましん(テンパー) @yamashin-2
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