第10話 あったかい



 アリアたち一行は聖フィリア王国の王都セピアへと向けて、森の中、道なき道を歩いている。

「後二日もあれば到着するわね」

 メイリーは言った。

 もうそんなところまで来たのか――アリアがそう思うのも無理はない。

 ミヤとフィンドを助けるため一日、前進を遅らせた。

 にも関わらず、そこまで進めているのは、アリアたちの足取りが軽いからである。

 メイリーが手間暇かけて作った料理の与える恩恵を、アリアたち一行は、全員等しく授かっていた。

「お芋、メイリーのお芋サラダが食べたいです」

 ウニさんがなにやら呟いている。

 よほど気に入ってくれたらしいと、メイリーは笑みを溢す。

「そうだな。ここ数日は進むばかりで訓練もしてなかったし、今日はここで一泊しよう」

「そうですね。セピアに着いた時の段取りなども話しておかなくてはいけませんし――」

 アリアとメイリーの発言により今日は、魔力操作の訓練と王国救出作戦の話し合いへと移行した。

 話し合いは夜でいいだろう――というアリアの提案を受けメイリーは快諾した。

 アリアはまず、ミヤとフィンドを見る。

 この二人は侍と戦っていたのだから、戦闘の初心者というわけではないが、現時点をもって戦闘に参加させるべきではないとアリアは考えている。

 だが、なにが起こるか分からないところへ行く以上、せめて自衛できるだけの力は持っていてほしい――いや、持たせるべきだ。

 だから二人の能力を見極め、把握しておきたいのだ。

「ミヤとフィンドは魔術を使えるか?」

「まじゅつ?」

 伝わらなかった。

 それもそのはず、日纏では魔術のみならず、魔法、魔力という概念すら存在してはいない。

 だが、アリアはそこまで理解していなかった。

「ん? いや、これなんだけど」

 アリアはそう言って匠の木造建築、改を無詠唱で行使した。

 よって匠の木造建築ほどの仕上がりではない。

「あー! 神力しんりきか!」

 神力、またの名を神通力じんつうりきとも言う。

 フィンドのその発言を受けてアリアが問う。

「神力? 日纏では神力って言うのか?」

「ああ、アリア殿のような力を我々は神力と呼んでいる。神通力とも呼ぶな」

 アリアは思い出す。

(まほう? いや、悪魔のような女、だ)

 あの時のフィンドの訂正はただの訂正ではなく、魔法という言葉を知らないことも試算していたわけか、と。

 アリアは考える。

(この世界に天使、悪魔が降り立ったのは百年前。そのずっと前から日纏は鎖国状態だった? じゃなければ説明がつかない。魔力という概念自体は、天使たちが降り立つ前から存在していたはずだ……)

「セキエン、魔力はいつからあるか、わかるか?」

「拙者が産まれるずっと昔、ということくらいでござるな」

(セキエンは二百年間生きている。いや、死に続けている、だな。そのずっと昔……)

「フィンド、日纏はどのくらい前から鎖国していたか知ってるか?」

「百年前、天使や悪魔が地上へと降り立った時から。だと伝わっている」

「魔力、魔法、魔術。聞いたことないか?」

「ないな」

「ミヤは?」

「…知らない」

(……おかしい。百年やそこらで魔力という概念が消滅するものなのか? 魔力自体が消滅したとしても概念は残る。いや、消滅はしていない。書き換えられたんだ。神力に。なぜだ? それがミヤの母親が天使と攻め入った事に関係してるのか? いや……間違いない。それこそが攻め入った理由だ)

 なんの根拠もないが、アリアは確信していた。

 そしてそれはミヤの母親を見つければ分かることだと、思考に無理やり蓋をした。

 皆が怪訝な表情、あるいは心配を浮かべて自分を見ていることに気が付いた。

「ああ、悪いな。大丈夫だ。とりあえず、その神力。使って見せてくれないか?」

 ミヤとフィンドを除く四人は、母親とのつながりまでは読めなくとも、大まかにアリアの思考を把握していた。

 そのアリアが大丈夫だというのだ、ならば自分たちは信じて付いていくだけ。

 そう思考し、四人も安心して意識をミヤとフィンドへと移した。

 

 梓条しじょう美弥みや日纏ひてんかんなぎである。

炎纏武装えんてんぶそう』――と彼女は言った。

 綺麗な白衣と純白のはかまを履き、全身白色に覆われたその少女は、くるりと一周。

 回り終えるその頃には、下半身に炎をまといて緋色ひいろす。

 懐からなにやら書かれた、白い縦長の紙を取り出すと続けて言った。

「咲き誇る一条ひとすじの火――華火はなび!」

 それは御札と呼ばれる物だとフィンドが言った。

 自身の眼前に迫る光景を見て、アリアは関心し感動した。

 彼女の手より放れたお札は瞬く間に燃え上がり、前方へと飛び立ち、効力を発揮したのは三十メートルほど先だった。

 そのお札が燃え尽きた時点をもって、爆発し辺りに火を散らす。

「すごいな……」

 アリアが思わず口にしたそれを聞いて、隣の四人は唾を飲み込んだ。

 今、皆の目の前にて燃えている建築物。

 アリアが無詠唱で作り出した木造建築は大変気の毒だが、威力を知らしめるための致し方ない犠牲と言えよう。

「ご、ご、ご。ごめんなさい!」

 ごを三回も溜めたのだ。

 アリアは許すしかないだろう――というか、そもそも怒ってはいない。

「大丈夫だ、家ならまた建てればいい」

 今はそんなことより――。

「フィンドも見せてくれ」

 承知した。


 フィンドはユニコーンである。

風纏武装ふうてんぶそう』――と彼は言った。

 純白の体より生える、薄い黄金色のたてがみと尾を、いななき一変。

 浅葱色あさぎいろへと変色させる。

 その場に吹き出す旋風せんぷうは、フィンドに寄り添うように集まっている。

「走る強風きょうふう――玉風たまかぜ

 吹き抜けるように走るその風は、今なお燃えるその家を、纏う炎ごと吹き飛ばす。

 辺りに舞い散る灰燼かいじんを、フィンドが風にて遠くへ運ぶ。

 その場にあったはずの家は、二人の魔法、神力により消滅した。


「まずは、見せてくれてありがとう。うん、十分だな」

 アリアは素直に思っていることを口にした。

 アリアが守るだけではなく、戦力として十分、数えられる――そういう意味だった。

 ウニは落ち込む気持ちを隠せないでいた。

 フィンドはともかくとしても、ミヤは人間であり、しかもまだ十一歳の女の子である。

 アリアは認めたのだ、ミヤは背中を合わせて戦えるに足る実力者だと。

 魔力に関して、精霊である自分が勝っていなくてはいけないのに――そんな思いだった。

「後は、メイリーとライセだけだな」

 アリアの言葉にウニがすぐさま反応する。

「あの、アリア。私は、十分なのでしょうか……」

 アリアが名前を上げなかった、それは戦力として数えてくれているのか、自分はアリア自身が守るからそもそも戦力として数えていないのか。

 後者は、自惚れを強めて考えてしまっていることを重々承知した上での思いだった。

「セキエン以外は、まだまだだけどな。十分戦えるだろ? 不安か?」

「頑張ります!」

 力の入ったその返事を受けてアリアが微笑み、ウニも顔をほころばせた。


 ウニ、ミヤ、フィンドの強化はセキエンに任せて、アリアはメイリーとライセの前に立っていた。

「ライセ、なにか掴めたか?」

「いや、全く」

 ただ光る剣を卒業したいライセは日々考えていたが、なにも思いつかないでいた。

 ライセの発言を受けて、アリアは目の前に自身の分身のようなものを木で作った。

 いわゆる木像という物である。

 だが、アリアの作ったそれは木、本来の茶色一色で、よく見ると顔の造りや服なども素晴らしい出来栄えとはとても言えない物だった。

 アリアはそのお粗末にかたどられた木像を、ライセに示しながら告げる。

「木で作った物だからな、茶色だろ? まあ花とか草とかで彩を付ければ遠目からなら俺と認識できるかもしれない。だが、戦闘には何の役にも立たない。だけど、光は違う。この約三週間、お前は同じ色の光をひたすら点滅させていたが……馬鹿か」

 はっきりと告げられたその暴言に、言い返す言葉もないライセはそのまま話を聞く。

「光だけで攻撃できる者もいるかもしれないが、俺にもお前にも今は無理だ。だけどハッタリならどうだ? お前は騎士なんだ、攻撃は剣で十分だろう?」

 ハッタリ、つまりは嘘――騙す、か。

 目の前に作られた木像とハッタリ、同じ色の光、剣――。

 ハッ――ライセはやっとアリアの言いたいことが伝わった。

「なんでこんな回りくどい教え方をするんだよ……」

「お前のような馬鹿は、言われたとおりに実践して自分でイメージすることを止めるからだ。気付いたならもう一つヒントをやろう。詠唱を考えすぎるな」

 そう言われたら余計に考えてしまう。

 ライセはアリアに指摘された通り、自分は馬鹿だと認識を改め、訓練を開始した。

「アリアはライセのことを、よくわかっていますね」

 微笑みを浮かべながらメイリーが称賛する。

「俺も似たようなもんだったからな」

 アリアは苦笑いである。

「確かにアリアとライセは似ているところが多いですね」

「似てない。やめてくれ……」

 アリアは不服そうな表情を浮かべている。

(ライセに言っても同じ言葉が返ってくるのでしょうね――)

「そんなことよりメイリー。お前には必殺技を教えてやる」

「私にはヒントでは無いんですか?」

「メイリーも馬鹿なのか?」

 アリアは口角を引き上げて、悪戯っぽくメイリーに聞いた。

「いいえ、馬鹿ではありません」

 はっきりと口にするメイリーの表情は先程のアリアと同じものだった。

「今から教える技は、必殺技。必ず殺すことも、必ず殺せるようにすることも、必ず殺されないようにすることもできる。そんな技だ」

「ひ、一つの技で。攻防一体、なんでもこなせるのですか?」

「いや、なんでもではないぞ? 相手が人間ならば、の話にもなるしな」

 メイリーは真剣な眼差しでアリアの言葉を待っている。

「今から教える技は俺の考えた技でもない」

「誰の技なんでしょうか?」

「俺の母親の技だ」

 その言葉にメイリーが驚かないわけもなく、驚愕――はたまた歓喜と言った表情を浮かべている。

(あ、アスタリア様の技を私が教えてもらえる!? ゆ、夢? これは夢なの? いいえ、現実のはずよ! 魔術? 魔法? どっちでもいい! 一体どんな…いえ、待ってメイリー。冷静になって考えてみて。私にそんなすごい技が習得できるの? で、できるわけがない。で、でも……やるしかない! いいえ、やってみせるわ! 頑張って私!)

「それで! それはいったいどのような!」

「待て! 落ち着け! ウニが見てる!」

 興奮のあまりグイグイと自分に身を寄せて迫るメイリーを慌てて止めるが、すでに遅く、アリアは飛んでくるその言葉に只々身構えることしかできなかった。

「アリア! それ以上は浮気になりますよ!」

 少しだけ言葉が違っていた。

 なぜだろう、やはりメイリーだからだろうか。

 そんな疑問はどうでもよく、言葉は違えど怒りは同じようなものなのだ。

「う、ウニ!――」

 俺からじゃない――そんなことを言えばこの前の二の舞になるだけだ、そう思いとっさに言葉を変えた。

「愛してる」

 凛々しさを表情に際立たせ、地面に片膝ついて囁くように口にしたその言葉のおかげで、ウニさんの怒りは収まっている様子だ。

「私も愛してます」

 アリアが差し出すその手を取って抱き合う二人。

 時と場所をわきまえずに愛を囁き、抱きしめ合うこの二人は、どこまで馬鹿へと成長するのだろう。

 その場にいた者たちは等しく二人の将来に大きな不安を抱いた。


 気を取り直して。

「こほんっ。それでメイリー、今から教えるこの技は魔術と魔法の連続使用になる。まあ大体の技がそうなんだが……習得できるかどうかはメイリーの想像力ではなく、記憶力次第だ」

「き、記憶力ですか……」

「詠唱をそのまま教える。とりあえずやって見せるから結果を見て、詠唱を聞いて、できる限り記憶してくれ」

「そんなに長い詠唱なのですか?」

「いや、多いだけだ」

「一つではないのですか?」

「一つだ」

 一つなのに長くはなく多い。

 矛盾にも思えるその技の正体とは、メイリーは真剣な眼差しでアリアを見る。

「今から花を咲かせる。その花は母さん自ら作り出した花で、この世界で自然生成されることはない。まずは種を生み出す魔術――――」

 そこからは、ただひたすら同じことの繰り返しだった。

 一時間や二時間など、無いにも等しく感じさせるその膨大な技の訓練を日が落ちてもなお続けた。

 そして、月が天辺に来たところでメイリーとライセの最後の訓練が終わりを迎える――。



 聖フィリア王国へと向かう理由を、ざっくりとミヤとフィンドに伝えたアリアたちの会議は。

「私が父を殺します」

 メイリーのその一言で幕を開く。

 そのままメイリーは続けた。

「もちろん、いきなり殺す。と言っているわけではないわ。まずは話をして、話が通じなくて。私たち誰か一人でも命を脅かされたのなら、そうする。ということよ……」

 話をするメイリーの表情からは、多分そうなるだろうと確信にも近い予想を立てていることを皆に分からせた。

「そして、もしそうなった時。私たちフィリアの者ではなく、例えばアリアがその手を汚してしまったのなら、私たちは良かったね、ありがとうって、笑ってはいけないの。助けてくれるとアリアは言ってくれたけど、私たちの国で、私たちフィリアの者たちの問題だから、その役目は私たちが請け負う……いいえ、違うわね。果たすべき責任よ」

 アリアは告げる。

「メイリーの気持ちも、言っていることも分かるが、お前たちが危険だと判断したなら、俺たちは容赦しない。俺たちは国を救う手助けをするとは言ったが、お前たち二人の命が最優先だ。メイリー、ライセ。お前たち二人の喉元に剣が向かうなら、セキエンが、ウニが、俺が。そいつを殺す」

 アリアの発言を受けて二人が大きく頷いた。

 そして、メイリーとライセは微笑む。

「ありがとう。その時は、そうね。よろしくお願いするわ」

 それで聞きたいんだが――アリアはそう前置きをして問う。

「フィリアの守護天使、ラファエル? だっけ。そいつは帰ったと言っていたが天使全員が帰ったのか?」

「わからないわ。ラファエル様と直にあった事すら数回しかないから……」

「そうか……」

「それより、いいの? 忘れていたけど悪魔は攻めたことが無いのに、もし戦闘になってアリアの存在が露見すれば、天使は血眼になってあなたを狙う。それに魔族からも狙われることになるかもしれないわ――」

 ふと思った、そんな軽い気持ちでメイリーは言ったが自分の言葉を理解する。

「……だ、だめじゃない! 何してるの私! あ、危なかったわ…アリアたちは十分助けてくれたわ。おかげで強くもなったし。だから、アリアたちはこのまま国を出て…またどこかで会いましょう」

「メイリー、勝手に話を進めるな。行くぞ俺も」

「アリア! 馬鹿なことは言わないで! って私が言えたことじゃないけど……使族だけじゃなく魔族からも追われるなんて…アリアを危険に晒す、どころか自殺へ導いてるようなものだわ」

「そうすると、他殺。じゃないのか?」

「確かにそうね。ってそんなことを言っている場合じゃないの! 大丈夫? 理解してる?」

「おい、俺の気は確かだ。良いんだよ別に。例え師匠と戦うことになっても……今の俺は負けない」

 八魔王サタンの中でも最強との呼び声も高いベリアル相手に負けないと、自信に満ちた様子もなく、当然、と言わんばかりに話すアリアを見てメイリーは言葉を失った。

 アリアが続けて口を開く。

「メイリー、あの日お前たちを助けた恩ならもう、返してもらった。訓練にしたって俺の気まぐれだからな。気にしなくていい。なにより俺のために行くんだ。天使に聞きたいことがある。まあ、いなければ無駄足になるんだが。それに……ミヤたちのこともあるしな」

「だ、だからってそれならいいか、とは思えないわよ……」

「今別れても俺たちは行くぞ? だから俺の用事のついでに、お前たちを手伝うだけだ」

 でも――そう言って渋り、了承できないメイリーの代わりにライセが答えた。

「アリア、よろしく頼む」

「おう、任された」

「ちょっと! ライセ! 正気? 天使の情報の時とは訳が違うのよ!?」

「分かってるさ。これで何かあって、アリアが死んで皆が死んでも、メイリーのせいじゃないよ。俺とアリアの責任だ」

 その通りと言わんばかりにアリアが大きく頷く。

 アリアとライセの説得をあきらめたメイリーは他の者たちに視線を変える。

「ウニ! いいの!? アリア死んじゃうかもしれないのよ?」

「そうなったら私も死ぬので大丈夫です。あの世でもずっと一緒です」

「メイリー殿、無駄でござるよ。拙者たちは死ぬまでじゃない。死んでもなお、共に行くと心に決めておる」

「な、なんでそこまで……」

「分からんのか? メイリー殿には」

 な、仲間だから――そう思った。

(だけどおかしい! そんな仲間だからなんて言葉一つでそこまで尽くせる心なんて……この世のどこを探しても――)

 ありはしない――メイリーは心の中でそう思った。

「あったのだ。それが、今ここに――」

 セキエンに心を見透かされ、驚き体が硬直する。

 そのメイリーを置き去りに、セキエンは続ける。

「ウニ殿、一つ尋ねるが。アリア殿に足を舐めろと言われたらどうするでござるか?」

「喜んで舐めますね」

 セキエンは笑う。

「では、死ねと言われたらどうでござるか」

「笑って死ねます」

 セキエンは笑う、高らかに。

 そして纏う雰囲気を真面目なものに変え、告げる。

「拙者もウニ殿同様。笑って死ねる。だがな、メイリー殿。アリア殿は絶対にそんなことは言わない。逆なのだ。拙者たちのために笑って死んでくれるアリア殿だから、拙者たちも付いていける」

 ウニが続ける。

「その通りですよ。メイリー。私たちの気持ちを、あなた方にも分かってほしいと、そんなことは言いません。ですから、ただ見守ってくれていればいいのです。私たちの行く末を――」

 ライセが笑った、セキエン同様、高らかに。

「メイリー、お前の負けだ。助けてもらおうぜ。黙ってさ――」

 メイリーは諦めたのか、大きく息を吐いてからゆっくりと口を開く。

「……分かった。助けてもらう。その代わり! いい! 死んだら地獄の底だろうと殺しに行くからね! 分かった!?」

 その場に響くメイリーの怒号は、とても気持ちのいいもので、ミヤとフィンドを除く四人はお互いの顔を見て、笑いあった。

「……すごいね。フィンド。ここはとってもあったかい…」

「ふっ…そうだな――」

 ミヤとフィンドはただ、成り行きを見ていただけだけれど、ここに集った者たちの、その温かさに触れ、優しく笑った。


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