ルデル、ダンジョンを攻略す
第19話 そろそろ大型クエストが始まりそうです
「よし、行くか!」
「ええ!行くわよルデル!」
イーサンの件が完全に解決して数日。
僕とライラはパーティを組み、相も変わらずレベル上げに励んでいる。
まずは朝、クエストが始まるまでに2人でジョギングだ。
大型クエスト開始まで残り3日、その頃には大物冒険者たちも参加しにやってくるだろう。
それまでに強くなっておかなくては。
「「えっほ!えっほ!えっほ!」」
僕は経験値を貯める、ライラは【ウマ耳娘】の本能である『走りたい』という気持ちを満たすために行われる。
「はあっ…はあっ…ルデルったらまた脚早くなったわね」
「そう?」
「ええ。でも、負けないわ!」
朝汗を流して走る彼女はとても健康的でカワイイ。
服も薄着だし。
「…ルデルのエッチ」
…気づかれました。
朝走った後は朝食をとり、クエストの受注に向かう。
「おはようだにゃー!ちょうど一件つよつよモンスターの討伐クエストがあるにゃ!」
「ありがとうございます」
そして受注したクエストをこなすため、バイブリーの街を出た。
****
「ルデル!モンスターが現れたよ!」
「分かってる!」
今日は沼地で凶悪な蛇型モンスター【キングボア】1匹の討伐だ。
「シャアアアアアッ!」
討伐推奨レベルは20、この時期の冒険者ならかなり強力だが、今なら恐れることはない。
「【エアライド】!」
ライラの風魔法に乗って、一気に距離を詰める。
向こうもチャンスとばかりに大あごを開き、僕を飲み込もうとするが、冷静にスキルを発動。
「【ソード・ストライク】!」
「シャアアア…!」
手ごたえあり!
叫び声を上げていた【キングボア】の大あごごと巨体を引き裂いて、断末魔をあげさせぬまま半分に切り落した。
「経験値の到達を確認。レベル21に到達しました」
「よしっ!」
スキルシート(345日目)
名前:ルデル・ハート
種族:人間
レベル:21
クラス:
ランク:C
所属パーティ:【同じ道を歩む者たち】
称号:【勇気ある者】【重荷を持つ者】【力を示す者】【戦いを運命付けられし者】【正義を示す者】
レベルアップに必要な経験値: 200000/200000
HP:2500/2500
MP:250/250
攻撃力:300
防御力:250
素早さ:250
スキル:【神脚】~一歩歩くごとに経験値を獲得。歩いたり走ったりしても疲れにくい。
戦技:【ソード・ストライク】【ストリーク・ストライク】【ジャイアント・ストライク】【ブーメラン・ストライク】【パニッシュメント・スラッシュ】
アクティブ戦技:【エネミー・サーチ】【ラース】
武器:【ショートソード】【皮の鎧】【蹄鉄のブーツ】
※【蹄鉄のブーツ】により【重荷を持つ者】が常時発動します
またレベルは上がったけど、追加のスキルや戦技はなしか。
実績解除により数日歩いて戦闘するだけでレベルアップするのはかなりのチートだが。
ー転職はレベル10上がるごとに可能だにゃー!
そういえばリンさんもそんなことを言っていたような気がする。
後でギルドに寄ってみるか。
「経験値の到達を確認。レベル14に到達しました」
「やった!アタシもレベル上がった!」
「おめでとうライラ。君も強くなってきているね」
「ありがとう。でもいいの?」
「ああ。同じパーティだから、モンスター討伐の経験値を分け合うのは当然だ。僕は歩くだけで強くなるしね!」
「…ふ、ふん。ルデルも言うようになったじゃない」
口調とは裏腹に嬉しそうなライラは【スキルボード】を見つめる。
するとー、
「えええええええ!?」
ピーン!
ライラの尻尾と耳が総立ちになる。
「る、ルデル!ちょっと!これ見て!」
「どうしたの?」
彼女の【スキルボード】を見つめると、こう記されていた。
スキル:【二重の才】〜レベルアップに伴い獲得できるスキルが2つまで増える。【風魔法】および【蹴撃】。
おお!
【神脚】と同じでレベルアップによる変化が起こるスキルか。
これでライラも、レベル20になれば憧れの
「…ぐすっ」
「って大丈夫!?さっきの戦闘でどこか痛めた?」
「違うの」
ライラは身を震わせたかと思うとー、
「うわあああああん!嬉しいよぉぉぉぉぉ!諦めずにレベルアップしてきてよかったあああああ!ルデルのおかげだよぉ!!!」
「違うよ!これはライラ自身の努力の賜物…」
「ありがとおおおおお!」
「うぐぇあ!?また、首が壊れる…!」
とにもかくにも、ライラも新たな一歩を進めたようだ。
これからも頑張っていこう!
****
「数日でもうレベル20を突破しちゃうなんて…さすがだにゃ!」
というわけで、予定通りバイブリーのギルドにて転職を試みる。
「いつものように鏡の前に立つにゃー!」
どんな勇者になれるんだろう。
ワクワクが止まらない!
この前のように部屋が光に包まれ、目を開けるとー、
2つのクラスが鏡に書いてあった。
どういうこと?
「これは…2つのクラスを選べるということにゃ!」
「2つ?」
「そうにゃ!どちらを手で触れれば、転職が可能となるにゃ!」
「なるほど。うーん。どっちにしようかな」
【怒りの勇者】は【ラース】がポイントとなるのなろうか。
常に怒りまくって敵を倒す、なんだか強そうだが怖そうでもある。
もう1つは【拳の勇者】か。
己の肉体で戦うと言うことらしい。
その分基礎ステータスの上昇が早かったりするのだろうか。
「じゃあ、
少し悩んだ後、後者を選択することにした。
理由はいろいろあるが、最大の決め手が1つある。
【ショートソード】が、先程の【キングベア】を倒したとき、ポッキリ折れてしまったのだ。
エレナさんには申し訳ない気持ちで一杯だが、これからの戦いではそろそろ通用しなくなるのだろう。
破片を丁寧に拾い、アイテムBOXで丁重に保管するつもりだ。
そんなこんなで、これからはパンチやキックで戦う勇者となる。
少し変わり種だが、まあそんな勇者が1人いてもいいだろう。
****
「さ、そろそろ【帰らずの洞窟】への出発ね。覚悟はできた?」
「もちろん!ライラにも【蹄鉄】を返すよ。これからは風魔法バンバンかけながらキックで敵を仕留めてくれ!」
「任せて!と言いたいけど、転職しない限りは戦技と何もないけどね。それはいいけど、【重荷を持つ者】はどうするの?」
「あ…どうしよ」
「そんなだと思ったわ。後で装備買いに行きましょ。重い装備ならなんでもいいはずだし」
ライラと会話をしながらギルドの出口に向かうとー、
「きゃあああああっ!」
誰かの悲鳴が聞こえた。
見てみると、ギルド支部の待機室で誰かが責められている。
「許してください…!お願いですからぁ」
「許すわけないでしょおおおおお!私は栄誉あるギボンズ氏の血筋、それを汚す奴には容赦しないわぁぁぁぁ!」
それを見て、とっさに体が動いた。
「ライラ」
「分かってる。ぶちかましてきなさい!」
こうして、新たな敵とダンジョンとの戦いが幕を開けた。
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