第3話J.D.C.I.S
大臣との一件からしばらくして新設組織の主だったものが呼び出された。
今回は前線メンバーが大臣室に集まり顔合わせなどと言いたいところだが、全員がそれぞれと何度か会話をしてある程度知れた仲にはなっていた。大臣を交えた形だけの会合である。しかし今回は少しだけ違った。なにしろ組織の正式名称が決まってから初めて集まったのだから。
その名は”日本国国防犯罪捜査局”略してJ.D.C.I.Sである。
国内では”国犯”と呼称される。
こういう系統の組織はどうしても名前が似たり寄ったりするものだが、それもそのはず、この組織のモデルはアメリカ海軍の犯罪捜査局”N.C.I.S”だからである。やることは同じなので仕方はないだろう。政府とのある程度の規定が定められ、改善点があれば、順次改正するという。初めての試みなのでそこは様子見といったところだろう。
制服がスーツになり新しい身分証明書が発行された。無論これまでの物も使用するが、国犯を認知する組織間でのいざこざを防ぐための対策らしい。
っと一佐が今まで説明されてきたことを頭で整理していると、刃集が喋りだす。
「今回新設組織、改め、日本国国防犯罪捜査局の命名が天皇陛下より直々になされた。この名に恥じぬように君たちには頑張ってほしい。現在君たちは本格的に始動すべく訓練に訓練を重ねているだろうが、もう一度肝に銘じてほしい。」
一旦、一呼吸入れてから刃集は続ける。
「我々は国家の光とならなければならない。但し、それは表向きではない。あくまでも国民の見えぬところで、この国の柱を支える影の大黒柱になるのだ。君たちには苦労を掛けるかもしれないが、君たちの奮闘を期待する。」
そう言うと刃集は一佐たちに向け敬礼した。
「大臣閣下に敬礼!!」と言い放ち一佐たちも敬礼する。
そして本格的に”国犯”が始動していくのであった。
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だが腰を落ち着ける時間もない。
ここからが我々にとっての本当のスタートラインなのだから。
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