お題「嫉妬」タイトル「未題Ⅱ」

小テストなんてなくなればいいと思う。


放課後、今日の英語の小テストの結果が芳しくなかったせいで、簡単な書き取りドリルを3ページ分させられる。


俺以外にも二人、居残りで職員室で書かされている。


「はぁ」


思わずため息をついてしまう。


握ったシャーペンをプリントの上に投げ出し、がっくりと肩を落として大きく息をつき、ダラダラと書き取りを再開する。


今頃、友人たちはグラウンドでサッカーでもしてるか、バスケ部と一緒にシュート錬でもしてるんだろう。


あいつだって、馬鹿みたいに笑いながら、いつもの感じでもう家に帰ったかもしれない。


…なんであいつが出てくんだよ、くそっ。


後半の文章が、少しだけレベルが上がってわからなくなる。


隣のやつは解けたのか、気づけばカバンに荷物をしまい込み、席を立とうとしてやがる。


ちょっと急ぎ気味なのは、誰か待たせてるのか、それとも部活か、用事なのか。


どっちにせよ、早く帰れるのがうらやましい。


がしがしと頭をかきむしり、わからないなりに、教科書とにらめっこしながら文章を完成させていく。


30分ほどの格闘の末、何とか教師に許しをもらって、どっと疲れた感覚にやるせなさを感じ、教室に荷物を取りに行く。


「あー、俺も荷物準備しておけばよかった」


すぐに終わるだろうって、帰り支度もそのままにしてたのが悔やまれる。


…ほんと、今頃あいつは家にいるか、仲間と一緒に遊んでるんだろうな


「…だからなんであいつが出てくんだよ」


「あいつって誰だ?」


「おわぁ!?」


キョトンとした顔をしたあいつが、後ずさった俺を見ている。


「ぷっ、なんだよおわぁって」


小さく噴き出し、けらけらと笑うあいつにムッとしつつ、カバンに教科書を詰めていく。


「なんでいるんだよ?帰っとけよ」


「ん?いや、なんとなくなー」


スマホをいじりながら、机の上に座って片膝を立てる姿に、さっきまでこっちはやりたくもない居残りをさせられてた事実を思い出しムカッとする。


「うし、帰ろうぜ!」


「…おう」


とりあえず半端に荷物を詰めて、iPodをいじりだす。


ちょっとだけ楽しい曲を、賭けたい気分だ。

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