第17話 2021年5月26日(水) 誕生日のプレゼント
母は6月6日で64歳を迎える。
例年、母の誕生日には好物やちょっと上等なケーキ等の食べ者を買って持って行くことがこれまでは多かった。
買えそうなものであれば大体母の日の贈り物にしていたため、誕生日は食べ物でいいかなくらいに考えていたからだ。
しかし、今年からは状況が違う。
次があるのか分からないつもりで取り組まないと必ず後悔することになるだろう。
そうなると、母ができるだけ喜ぶ誕生日にしたいが、贈り物だと元々ブランド品には興味がないし、高価な品を渡せば喜びよりも戸惑わせてしまうだろうから、何をするからは母が喜ぶものから考えた方がいいだろう。
まず思い浮かんだのは私の結婚や孫の報告だ。
しかし、これはいくら何でも無理が過ぎる。却下。
次に思い浮かんだのは、母にとっての孫の存在だ。
孫たちが実家に来て顔を見ながら祝ってくれると母は絶対に喜ぶが、コロナ禍の緊急事態宣言下でそれを実行するのは無理がある。
いや、直接は無理でもビデオ通話でリモートならどうだろうか?
思いつくと下の妹に連絡し、姪たちとビデオ通話ができないか頼んでみることにした。
結果的に、誕生日当日は夕方くらいなら揃って時間が取れるから可能ということだった。
一方で問題もあった。実家には光回線が引き込んであり無線LANも設定されているのだが、母と妹がスマホでビデオ通話をしようとしたときに通信が安定しないことが多く、良く途切れるということだった。
問題の原因の予想はすぐに思い浮かんだ。
実家のネットワーク環境を構築したのは私だ。
きっかけは、私が実家に戻った時に、ゲーム機でオンラインプレイをしたかったからだ。
実家では結構古いルーターを使っているため、いくつかの機器を同時に使っていると無線LANのスループットが低下しているのだろう。
最近はともかく、以前はオンラインプレイでは有線が当然だったため、無線LANはついでくらいに考えてルーターを設置したが、さすがに今の環境には厳しくなってきたのだろう。
まあ、この程度であれば、家電量販店で販売されている1万円弱レベルのルーターを置き換えることができれば十分に事足りる。
あとは、現在、実家には母がインターネット等を使うために8インチのandroidタブレットがあるのだが、これも古くなってフリーズすることが増えていることから、ちょうどいい機会なので10インチのタブレットに更新すればいいだろう。
ビデオ通話にはそれを使えば、孫の顔がスマホの小さい画面よりもはっきり見えるので母も喜ぶだろう。
下の妹には、ルーターとタブレットの更新をするからそれで改善するはずと伝えておいた。
今週末に実家に戻ってルーターとタブレットの更新をするためには、とりあえず機材を準備することが先決だ。
ただ、これは母の誕生日のためにすることではあるが、誕生日プレゼントにはしたくない。
気を使わせないためにも、私も使う日用品の修繕という体で話を進めていこうと思う。
これで、母の誕生日にやることのめどの一つが立った。
何としても成功させなければならない。
あと、私が贈るプレゼントも考えないといけない。
ここ最近は考えることだらけだが、期限もあるため嘆いている前に動かないとどうしようもない。
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