第16話 2021年5月24日(月) 生活に欠かせないもの
土日に実家に戻ったことで私は実家のリフォームを強く意識するようになった。
私が婚活をして相手と交際を重ねてもどこかの段階で、必ず実家に連れていくことは避けて通れない。
その際に、今の実家の状況を見て引かれて交際を断られてしまっては元も子もない。
特に私が問題だと考えているのがトイレである。
このトイレ母屋と隠居の間にあるのだが、外からそのまま入れる、というよりも角度によっては家の前にある道路から、トイレの入り口ドアが見えてしまうような状態なのだ。
しかも、水洗ではなく、汲み取り式だ。
夏は虫が多いし、冬は雪が降る地域なのでかなり寒い。
そして個人的に怖いのは秋だ。
何故なら家の後ろの山には熊がいるからである。
実家の敷地内の柿の木が熊にやられたことはこれまで何度もある。
そんな状況で夜、トイレのためとは言え、外に一人でることは私でもそれなりに怖いと思う。
ちなみに妹達や親戚周りの女性は、昔からのことなので慣れてはいるのだが、妹や従姉の子供たちは最初使い方が分からなかったらしい。
元々、農家だったため農作業の際にも手間がかからないようにした結果が、この形なのだろうが、初めて見る人にとってはドン引きしても仕方がないものだろう。
特に、田舎暮らしをしたことがない人間には理解できなくても不思議ではない。
そうということであれば、この問題は解消するべきだ。
幸い私の親戚は、実家の近くで土建業を営んでいる。
小さな会社だが叔父が社長をしており、何かと融通が利くところがありがたい。
町の上下水道に関する指定業者にもなっているので、工事の内容について相談すれば間違いないだろう。
母屋の内でのトイレの新設という形になれば、下水管の設置や引き込み、部屋の場所や広さ、間取り構築や便器の準備など検討しなければならないことは少ないない。
もちろん、設計や予算の相談、人員の準備等を考えればすぐに着工できるものではない。
ただ、婚活の際には、最低限、実家のトイレを最低限どのように対応するのか具体的な段取りを決めておかねば、相手は落胆するだろうし、イメージダウンは免れないだろう。
それまでの努力が徒労になってしまいかねないこともある。
たかがトイレ、されど毎日使う生活に欠かせないものだ。
母が夏に退職した後は、平日でも問題なく実家内での工事の立ち合いが可能になるのでその頃には着工できるように進めていきたい。
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