第18話 2021年5月27日(木) 使うもの残せるもの

プレゼントと言うものは、贈る側すると、大切に取って置かれるよりも、使ってもらうことが一番嬉しいと私は思っている。


一般的には、相手に聞いて希望を聞いてそれに沿うのが一番無難なのだが、うちの母の場合は、カタログギフトみたいなものを渡されると、ほとんどの場合、食べ物を選択してしまう。

確かにあの手のギフトの製品は、日用品だと品質が微妙だったりするので、そう考えるのも分からないでもないが、今回の場合、食べ物は毎年渡しているので、相手に選んでもらうカタログギフトみたいな手は使えない。


後は、先日の祖母の命日に考えた通り、思い出を残せるものがいいだろうと思っている。

良かった出来事だけでなく、日常を後から振り返ることができるようにしておきたい。


そうなると、母のスマホやタブレットから写真を印刷できるようにするのはどうか?

母のスマホやタブレットは、下の妹が子供の写真を母に見てもらうため、オンラインストレージに画像や動画を共有できるように設定している。

これをスマホから印刷できるようにプリンタを購入し、アルバムも渡して保存してもらうことを思いついた。


しかし、母はデジタル機器を扱うことは苦手な方だ。

パソコンの基本的な操作は、何度も挫折している。

また、年賀状の印刷は、毎年妹に頼んで宛名やイラスト等を印刷してもらっている。

そのことを考えると、プリンタは途中で使ってもらえなくなるリスクが高い。

操作トラブルだけでなく、紙詰まり、インク切れ、用紙サイズトラブルなどが発生すれば、恐らく放置されるか、無理に何かやろうとして壊しかねない。

贈ったものが経年劣化で壊れるのは構わないが、壊されてしまうのは流石に悲しい。


ただ、考え方の方向性は間違っていないと思う。

ならば、いっそアナログなものにしてしまった方が良いだろう。

あくまで思い出すきっかけでいいのだ。

日々の記録と言えば、日記。

日記をつけていれば、後から詳細に思い出したいときは、オンラインストレージで画像を見ることもできる。

母は日記はつけていないが、手帳に買い物メモなどと一緒に約束事や出来事を書くことがある。

そうであれば、日記帳を送ると、そういったものもそこに書いてくれるようになるのではないだろうか。

毎日書いてもらうことはできなくても、思い出せる頻度は今よりも確実に増えるはずだ。


あとは書くきっかけを、どれだけ後押しできるかだ。

日記を書くには当然、筆記具を使う。

ならば筆記具を使いたいと思わせるにはどうすればいいか?

新しい筆記具もセットで贈れば、それを使うために日記をつけるモチベーションも高まるかもしれない。

最悪、日記が放置されてもペンは使ってもらえるだろう。


ただし、このプランで行くとなると、こちらとしては今年の誕生日当日のことは日記に書いて欲しい。

そのためには、誕生日よりも少し早く渡しておく必要がある。

誕生日は再来週の日曜日……そこから考えると、渡せる機会は今週末にしかない。


急いで日記帳とペンを買いに行かねば。

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