第11話 2021年5月19日(水) 妹と母親

私には妹が二人いる。

一人は2学年下で、もう一人は5学年下だ。

上の妹は、独身であり、実家から100㎞ほど離れた大きな都市で働いている。

下の妹は、結婚していて三児の母親になっており、今は北関東で育児休業中だ。


私は、今後、婚活に向けて活動をするが、それと並行してやらなければならないことがある。


それは、自分の母をできるだけ喜ばせてあげることだ。

そしてそれを実現するためには、母の周囲の人間、とりわけこの妹の二人の協力は不可欠だと考えている。


喜んでもらえる最も確実なことの一つは、孫の関係だ。

下の妹の子供は、一番上の子が現在5歳になる女の子だが、私の母との関係は非常に良好だ。

直接会う機会があると、とても懐いているのがはたから見てすぐに分かるほどだ。

ただ、妹は遠距離におり育児で多忙なため行動の制約が多い。

だから下の妹には、自分や孫の写っている写真や動画をなるべく多く送ってもらったり、可能であればイベントのときにビデオ通話を依頼しようと考えている。


一方、上の妹はある程度行動に自由が利くので、母のやりたがっていること行きたいところに連れて行ったりやイベント等に協力してもらうことになるだろう。


ただし、母の病気のことについてはどこまで理解しているのか分からないので、そこは確認がとれてから伝える方がいいだろう。


こんなことを日中に考えて、帰宅して夜の9時頃に上の妹にLINEを送った。


「みんなワクチン打ってコロナが落ち着いたら、今年中にお母さんを3人で旅行にでも連れて行ってあげたいんだけどどうかな?」


妹からの返信は、予想外のものが含まれていた。


「それはいい案だと思うけど、さっきお母さんから先週くらいからそっちが異様に優しくて不安になるって長文メールが来たんだけど何かあったん?」


親は子のことを一番見ているとはよく言われるが、私はこのときにその言葉を初めてしっかりと理解した気がした。


確かに行動は母の日から変わったと思うが、直接会ったのはまだ前の土日の2日だけだ。しかし、母からすれば、反応が私らしくなかったのかもしれない。

母を不安にさせてしまっては元も子もないが、あとで後悔がないように今できるだけのことはやってあげたいのも本音だ。


難しいが、これからさてどうしたものか……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る