4話 解放された力
この世界でたった一人しか持っていない俺の能力『エスパー』。
だが俺は、自分が『エスパー』ということを誰にも話したことがなかった。
なぜ、話したことがなかったのか。
なぜ、ずっと隠していたのか。
それを説明するのには、俺の過去について少し話す必要がある。
実は、俺は転生者だった。
前世は、
両親は、自分達の
そこまでして
が、18歳の時に
そして、転生。
この世界でたった一人しか持っていない俺の能力『エスパー』を持って転生した。
しかし、俺は赤ん坊に生まれ変わった訳ではなかった。
どうやら、俺は殺された人間の中に
俺が入った人間の年はおよそ10歳。
その時のことを今でもよく覚えている。
一番
「やっと、この世から
「この世界で数100年に1度生まれてしまうと言う伝説の能力『エスパー』を、こんなに早く見つけられるとは不幸中の幸い。これで100年後まで
そんな会話を聞いたら力を隠したくもなるだろう。
そして現在。
俺がその力を使わなかった事により、俺を
だから俺は、初めてこの世界最悪の力『エスパー』を使おうと決心したのだった。
「モリス。ごめんね俺のせいで。もっと早くこの力を使うべきだったよ」
俺は、
ピクリとも動かないモリス。
生きてはいるが、かなり重症そうだった。
俺は、そんなモリスを見て、力を使おうと
そして、ユーリの前まで向かう。
すると、俺が
「アハハハハハハ。ねぇ!! 今のを見た?? 最高だったでしょ??
ルディは、あれを食らう前に――」
「黙れ」
俺は、ユーリの言葉を
これ以上ユーリの声を聞くと、ブチギレて殺してしまいそうだったのだ。
「お前は、誰を怒らせたのかを分かっていない。
それを今からたっぷり教えてやる。
そして、俺の友達を傷つけたことを『エスパー』の能力に恐怖しながら
そう言い終わると、右手をユーリの方に伸ばす。
そして、一言だけ
「テレキネシス」
その瞬間、ユーリを除く1000人の程の兵隊達が宙に浮かぶ。
何が起きてるかわからない兵隊達は、地面につかない足をバタバタさせながら宙に浮かないように努力していた。
だが、それは俺の能力の前では全く無意味なのだ。
みんなが浮き終わるのを確認すると、俺は軽く手を動かす。
すると浮いた兵士たちが、空中で一箇所に
その光景を見たユーリが、アワアワとしだす。
「エ、エ、エスパー!? ルディが!?!? エスパー!?!?
う、う、う、嘘だ!! 信じられない」
「別に、信じなくてもいい。俺は真実を言っているだけだ」
俺は、そう言うと宙に浮かんだ兵隊を10メートルぐらいの高さまで持ち上げた。
大体、学校の屋上ぐらいの高さだ。
これ以上高いところから落とすと、時速40km以上出てしまう。
それでは、死んでしまうかもしれないので、そのぐらいにで許してあげた。
「「助けてくれぇぇぇ。家族がいるんだ」」
「「うわぁぁぁー。死にたくないよぉぉ」」
上空10mぐらいのところから、1000人の
同時に、口々に
だが、別に殺すつもりはないので全部無視をする。
そして俺は、
ヒューーーーーーーーーーーーーーーーーー。
1000人の兵隊が、学校の屋上ぐらいの高さから時速40kmぐらいで落下してくる。
落ちている時間は、わずが3秒ぐらいだろう。
兵隊達は、地面と
ドンッッッ!!!!
1000人の人が落下して来た事により、地面が
どうやら、何にも引っ
木とかにぶつかったら、刺さってしまうからな。
地面の上なら助かると見込んで落としている為、
(人殺しになりたいわけじゃないからな)
一応、落ちた兵隊達の方を確認してみると人間の山が出来ていてた。
確認を終えた俺は、目線をユーリに戻す。
すると、そこには信じられないほど
「う、嘘だ……。ルディがエスパー。
エ、エ、エスパーが生き返ってしまった。エスパーが生き返ってしまった……」
余程
かなり怖かったようだ。
だが、それだからと言って俺は許す気はない。
むしろ、心底腹がたっていてやり足りないくらいだった。
なので俺は、
その時。
ようやく、自分がピンチになっていることに気付いたユーリが俺に話しかけてきた。
が、その言葉がさらに俺の怒りに火をつける。
「ルディ。いやルディ……さん。い、今までのは冗談だったんだよ!
ドッキリ大成功!! アハハ……。
じ、実はさ。ルディ……さんの実力を調べるための
でも、これでお
ルディ……さんの実力も分かったしさ。
ど、どうだろう……ドラゴンの牙に戻ってきてくれないかな? アハハ……」
俺は、この時に本気でキレた。
(もういいや。こいつがどうなっても)
そう思い、再び右手をユーリの方に
そんな俺を見てユーリが、次は命乞いをしてくる。
「ルディ……さん!! まって! 悪かった! 僕が悪かった。
なんでもする! なんでもするから許して――」
『アポーツ』
俺は、ユーリの命乞いを無視して、そう一言だけ
その瞬間。
さっきまでいた1000人くらいの兵隊とユーリが、目の前から消したのだった――
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