第39話 【イントロダクション】

真夕さんが誕生日プレゼント用のバーキンを購入する事で、この問題は一段落した。


しかしこれは今日のイベントの導入部イントロダクションに過ぎない。


いよいよ斉藤さんは、私達をこの部屋に招き入れた本当の理由を明らかにする。


「橘様、先日フランス本国から珍しいおしなが手に入りました。当初は来月お伺いする時にお見せするつもりでしたが、せっかくご来店頂きましたので本日ご用意しました。」


そう前置きした斉藤さんは、隣のソファーに置かれていたオレンジ色の布袋をローテーブルに移動させ、次に真夕さんが購入したバーキンをローテーブルからソファーに移動させる。


その結果、私達の目の前には謎めいた布袋だけが置かれる状態になった。


ここまでくれば袋の中身が今日の本題である事は、誰の目にも明らかだ。


私が興味津々きょうみしんしんで乗り出す様に見つめる前で斉藤さんはに布袋を開け、中身を取り出す。


「こちらになります」


『おぉ!これはまさか・・・』


私は特徴的な色に見覚えがあった。

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