第12話 【カフェテリア】
「サンゴ? 珍しい名前ね、どう書くの?」
「
「私は書けるわよ。」
私達が今いるのは学生食堂に
フランス語の授業が終わり、昼休みに入った私達は食事のため、カフェテリアに来ている。
陽当たりの良いカフェテリアのテーブルで、彼女は授業で使っていたノートを取り出すと「
「うわ、凄い。本当に書けている。」
「まるで書けては困るような言い方ね。」
「いや、全然そんなつもりは無くて・・・『
「そう・・・では私もあなたの事を『
「本当ですか!?」
「だってそう呼んで欲しいのでしょう?私の事も『
「よろしくお願いします!」
「・・・あなたって面白い人よね。」
「え!そうかな・・・確かにポンコツの自覚はあります。」
彼女との会話は、私にとって
何でニューヨーク映画祭でプレゼンターをしていたのか?
傘を届けた老紳士は誰なのか?
私にとって彼女は謎の多すぎる存在であり、まだまだ聞きたい事は山ほどあったが、彼女の事情がそれを許さなかった。
「さて、そろそろ行かなくてはいけないの。楽しかったわ、
「また食事に
「もちろん」
私は去って行く彼女の姿が見えなくなるまで見送るのだった。
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