第11話 【アプローチ】
それからというもの、私は大学で常に彼女の姿を探すようになった。
その結果、彼女についていくつか分かってきた事がある。
まず同じ学部の同じ学年である事。
次に学内では友達とつるんだりはせず、一人で行動している事。
そして週に何コマか、私と同じ講義を
一通りの情報収集が終わったところで、私は再び彼女にアプローチを掛ける事を決意する。
「隣、空いてますか?」
第二外国語であるフランス語の講義が行われる教室で彼女を発見した私は、思い切って声を掛ける。
「ええ、どうぞ」
私の顔を見た彼女は、あっさりと隣に座る事を許してくれた。
どうやら私の事を覚えてくれていたようだ。
私の方も前回ほどは緊張していない。
「あの、お名前は『まゆ』でいいんですよね?」
「
「私の名前を
感激した私が自分のフルネームを名乗ろうとした時、フランス語の教授が入ってきたため、そこで会話は中断された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます