タバコの煙を媒介にした術を使う魔女が、一応友達である少女を救うため、悪霊とバチバチやりあうお話。
不思議な異能を持った人たちの活躍を描いた、ゴリゴリの現代ファンタジーです。
それも最強主人公もの、と言い切ってしまうのもニュアンスが違う気がしますけど、おそらく設定上は主人公が最強クラスの実力者ではないか、と読める作品。いわゆる強キャラ的なオーラを存分に放ちながら、でも展開自体は決して一方的ではないのが良かったです。しっかりピンチに陥って、それを切り抜ける活躍がある。
主人公の扱う異能、〝魔法〟の設定が非常に独特でした。パッと魔法と聞いて想像されるものとは違う、何か契約によって生じる呪いのような力。単純なありものの世界ではない、凝った設定を想像させてくれる楽しみ、というのももちろんあるのですけれど、そのうえでなお画的にも格好良いところが素敵です。紫煙の魔女としての魔法、吐いたタバコの煙を使うところとか。
個人的に好きなのはやはりキャラクターたちというか、彼らの性格が最高でした。結構な数の人物が登場するのですけれど、揃いも揃って直情型でキレやすいところがもう本当に好き。思えば生業からして全員カタギでない(反社組織か拝み屋)というのもあり、終始一貫した殺伐感のたまらないお話でした。