第6話 魔女はアップデートする
ウチから私が的を作り、ソトから
ウチとソトが繋がり、ソトの
ウチの
だから撃ってきた。私の両膝を砕いた弾丸は長谷井が撃ったものだ。この異常な精度、悪霊としての力を使っている。
床に倒れ込んだ私の周囲で空間が
まあ、ハナから狂ったタイプとは思ってた。でもそれ、やくざ界隈だと割と普通だからスルーしてたんだよね。基本、私ってやる気ないし。結局、お嬢の魔性がめんどくせえってことだよな。あれがなければ私も拙速に飛び込んできたりはしなかった。でもって、一度ウチのものになってしまった私単独ではもう長谷井を倒せない。まったく、
まあ一応、
お嬢の悲鳴が聞こえる。どこからか分からない銃撃を見て橋口がお嬢を
驚愕に目を見開いている。何その顔、ウケるんですけど。
ってかお前、ほんと健康そうになったよな。目玉以外は腐った死体がうっかり動いてるみたいな臭くて汚いガキだったのに。
舌打ち一発で私の
煙に脚を支えさせて私は立ち上がる。痛み、そんなものは切り分けた。魔女の意志をナメるな。魔法とは、異常化した潜在能力と意志でもってこの世に不自然を起こす技術。思念一本で魔性を飼い慣らす暴力だ。
どんなことも、望めば起こせる。私の意志がある限り、命の残量がまだある限り。深紫色の星を無数に散らし、私がこの場を支配する。
私は今から魔法を
手にした煙草にはまだ火が点いている。当然だ、魔法は続く。まだ、使えるものがある。私は煙草の火を自分の胸に押し付けた。灼ける熱。煙。火傷を中心に、
悪霊の咆哮よりも高く叫ぶ。
「
直後、背中側から、肩に着弾した。長谷井だ。衝撃と同時に煙を広げて身体を支える。口角が上がってしまう。血の味がする。鉄火場ってのは、こうじゃねぇとな。
「早く撃て。長谷井に私を殺させるな。お前が殺して力を取り戻せ、私が生き返るまで!」
分かるだろ、
私の
目が合う。もうあの倦み疲れた色をしていない。それ自体が、今日までお前が生きてきた結果そのものだ。
信じる他人がいて、信じる自分の力がある。
だからお前は撃てる。
さあ、私が
お前の意志が、
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