第4話 オブジェ
ある日、町中に変な茶色の物体が現れた。
日が経つにつれて、それは増えていった。
公園にあるような銅像くらいの大いさのものもあれば、ビルくらいの高さまであるものもあった。
「あれは何のかね?」
周りの人から注目されることもあり、メディアに取り上げられることもあった。
好奇心から触ってみる者から話を聞くと、意外にも柔らかく手形が残ってしまったとのことだった。
結構注目を浴びたのだが、慣れというものは恐ろしいもので、人々は次第に気にしなくなっていった。
茶色のオブジェはどんどん増えていった。
しまいには、その茶色のオブジェが周りの建造物や人々を飲み込むようになった。
そして、星全体が茶色いオブジェに飲まれてしまった。
それだけのことだった。
―――――――――――――――――
「また、この子は粘土で遊んでぇ。そんなボールみたいに丸めてどうするの?」
「まあいいじゃないかまだ子供なんだから。」
と言って、両親は茶色い粘土を丸めて遊んでいる子供を眺めていた。
ただ、そんだけの話。
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