第5話 魔王降臨! 始まる幼女裁判!
俺は村へと帰って来た。
そこで異変に気づく。
――気を付けて下さい。
ミケの助言。
俺はすかさず。
「
と唱えた。すると。
「ひっ!?」
莫大な魔力。無尽蔵の一人。それはまさしく絶望の匂い。
「なぁに、これぇ……?」
大きい、大き過ぎる。
そのあまりの大きさに俺は少し漏らした。
ホットパンツの隙間から滴る。
「あ、あはは……嘘、でしょ」
なにが嘘なのだろうか。
これ以上、村の中へ進みたくない。しかし。
「あ! アリス様! どうかお助けください! 魔王が!」
魔王!? 俺はまだレベル2くらいのただのロリだぞ!?
武器頼りのか弱い美少女だぞ!?
いきなり魔王が出て来るヤツがあるか!
「そ、そんな」
ドシドシドシッ、という足音が聞こえて来る遠くに見える二メートル近い成人男性。黒い豪奢な装束を身に纏い、マントを羽織り、頭からは角を生やしている。THE魔王という感じ。
「えっと……」
「お前が今回、召喚された幼女か」
「いや、私はただの女の子……」
「幼女とは気高く、強い者でなくてはならない。虚偽で飾る者は幼女ではない」
「ひぃ……」
俺は腰を抜かして、尻もちをつく。
「まずはその戦斧、それは合格だ。幼女らしい力強さを感じさせる」
魔王は値踏みするように、俺を眺める。
その眼光は猛獣のそれだ。
俺はがくがくと身体を震わせる。
(嘘だろ、マザースライム相手にだってあんな余裕だったのに)
「だがしかし、その言動はいただけない。マザースライム戦を千里眼にて観戦していたが、あの言動、幼女らしさの欠片もない残虐さ。純粋無垢な幼女はあんな事言わない」
面倒くさいオタクみたいな事言い出した。
どうすればいい、というかこれなんだ。
魔王に俺は何をされてるんだ。
漏らしてるのに。
――これが幼女裁判です。
ミケの声が響いてくる。幼女裁判、下手したら死刑というあれか……。
え、魔王がすんのそれ。
「幼女裁判……」
思わず声が漏れる。
「如何にも、幼女裁判とは魔王の敷いた魔の法に従って幼女を裁く、幼女とは魔王を討つ者として相応しい者でなくてはならない」
「魔王を討つ者……あたし、まだ駆け出しで……」
「幼女とは無限の可能性、全てを否定する事は出来ない。今のお前が私を倒す事もあり得る。小便臭いお前がな」
「しょ、小便臭い言うな!?」
おっと素が出た。ヤバいかもしれん。
「今の所、合格一点、不合格一点、次の評価項目で不合格だったらお前にはしかるべき刑を受けてもらう」
「……その~、評価項目って?」
「この魔力を受け入れてもらおうか」
魔王に集まる強大な魔力。どす黒い塊。
「なにこれ……大き過ぎる……そんなの入らない……」
「幼女ならば入るはずだ」
「あっあっぁっ」
魔力の塊が腰を抜かした俺にぶち込まれる。
「カ、ハッ!?」
息が詰まる、身体が
その膨大な魔力に意識が飛びそうになる。
「大きすぎる……! 深いっ! やめて! イく! イっちゃう! もうイってるから!」
「この程度で耐えられないか、まだ行くぞ」
魔力を流し込む魔王、俺は体のガクビクが止まらない。
地面で身体を痙攣させる俺、その状況の犯罪臭は凄まじかろう。
そんな事考える余裕もないが。
俺はちょっとどころじゃなく垂れ流す。
何がとは恥ずかしいから言わない。
意外と余裕あるな俺。
だけど意識が跳びそうだ。
「この程度の魔力にも耐えられないか、不合格だな」
「はぁ……はぁ……あっ♡」
なんだ今の嬌声は。
「合格一、不合格二。合格が過半数を超えなかった。お前は刑罰に処される」
「……まさか、死刑!? いやだ! 死にたくない!」
「そう懇願したオークにも無惨に死刑を下したのがお前だったな。しかし合格一点に免じて死刑は止めておいてやる、お前の刑は『放逐刑』だ」
「ほう、ちく……?」
下半身びしょびしょの俺はどうしたらいいのか。
「その前に確認を」
俺は魔王の腕の一振りで服装をびりびりに破かれた。
「きゃあ!?」
「ふむ、男の娘ではないようだな」
「当たり前でしょ!」
露わになる乳房と局部。幼さが顕著に現れたそれは見るものにどんな感情を想起させるのか。
「素晴らしい」
「変態!」
「失礼、服装は戻そう」
と言って魔王が魔力で生成した服装は皮の服に胸当てにスカート、女冒険者然としていると言って俺以外に伝わるだろうか。
「チュニックとホットパンツを返せ!?」
「すまないが異世界の服装には疎くてな、さて放逐先だが」
「まさか、選べるの……?」
「
「お兄さんのバーカ!」
「減点」
今のが幼女らしくないとな。こいつの幼女感は狂っている。
「ではさらばだ幼女、我をいつの日か倒す勇者よ、最後に名乗りがまだだったな。私のは『白の王』、赫の女王を継し最強の魔王なり」
そして俺は魔王に引っ掴まれ、魔王が開いた
「うわあああああ!?」
「また会える日を楽しみにしているぞ! 戦斧の幼女よ!」
次に俺が目を覚ましたのは、砂漠のど真ん中だった。
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