そろそろ痩せるか ~ 足し算と引き算さえ出来たら誰でも痩せられます

@Miriam

そろそろ痩せるか ~ 足し算と引き算さえ出来たら誰でも痩せられます

このエッセイの趣旨を最初にまとめますと、以下になります。


***足し算と引き算さえできる人なら、誰でも健康的に痩せられます***

***内容は昔からの基本、カロリー計算と運動***


私はこの方法で去年の10月から20キロ痩せて、血液検査の値もすべて正常になりました



***情報はよく吟味しましょう***


私は小さい頃から食いしん坊で太りやすく、ジム通いと筋トレは続けていましたが、現在のコロナで自粛になる前から毎年の健康診断で医者から怒られていました。

流石にそろそろ不味いかなと思ったので、去年の10月から体重を落とすことにしました。


街の本屋やネットでも「~減量法」、「これさえ分かれば痩せられる」、「~で1か月で10キロ落とせる」、「~さえやれば何を食べても太らない」など、体重を落とす方法やダイエット方法は巷に溢れかえっています。

TVでも結果にコミットする宣伝がしょっちゅう流れていますね。


それだけ「痩せたい」と思っている人が多く、それにつけ込んだビジネスも隆盛を極めている訳です。

個人的には日本人、特に女の人は「痩せている」と「ガリガリ」の区別がついてないのではないかと思うぐらいに、痩せるという事に関して強迫観念を持っている人が多いように思います。


毎月毎月、本屋に行ったりネットを見ていると、「全世界で大反響!」とか、「世界一の医者が勧める」とか、全世界の基準とか世界一の基準が不明な宣伝文句のもあります。

実際に英語でそれらの原書を調べてみると、とてもじゃないですが全世界とか世界一どころではなく、「それは貴方個人の意見ですよね?」状態なのも多いです。


さらに、モノによっては「脂質を食べて痩せる」とか、「断食で痩せる」、とか、「好きなものを思い切り食べて痩せる」とか、どっちやねんと突っ込みたいような矛盾する主張も多々あります。

数日前にネットでみた主張では、「消費カロリー>摂取カロリーでは痩せない!」というのも見ましたが、別の次元にでも住んでる生命体が対象なんでしょうか?


他にも食べ方の順番によって違うとか、冷やしてから食べてダイエットとか、食べ合わせによって痩せるとか、これまた大量の主張があります。

確かにある程度の効果はあるかもしれませんし、実際に実証結果らしきものを出している説もあったりします。


しかし、それが全ての人に当てはまるかというとそうではなく、また何パーセントの効果がどういう条件で確実に起こるなどは全く書かれていません。

ほとんどは自説に都合のいいところを切り取って宣伝している印象が強いです。


また、大勢の人が実践している糖質ゼロやベジタリアンのダイエット方法ですが、個人的にはやろうとは思いません。

というのも、人間がまだ猿だった大昔から私達は雑食だった訳で、その数百年前からの体と栄養のサイクルを不自然にするのは同意できないからです。


それらの主張には動物の命を救いたいとか、環境のためであるとか思想的な物が入っていますが、思想的には私は賛成でも反対でもありません。

しかし、私は人間の体は雑食で生きるようにできていると思っていますので、ほんの数十年ぐらい前に出てきて実証も十分されていない説には同意しません。


とにかく、痩せる痩せないについては星の数ほどいろんな意見があり、いろんな権威といわれる医者も好き勝手な事を言っていますので、自分にあったのを見つけるのが一苦労です。

他にも、食べた物の吸収を阻害する難消化性デキストリンのサプリとか、脂肪分を分解するトクホ製品も大量にあります。


私も最初はいくつか試してみましたが、私には何の効果もありませんでしたので使うのを止めました。

じゃあ結局は何を信じたらいいの、何をどうすればいいの、という話になりますが、ここからが本題になります。



***基本に立ち返りましょう***


まず大前提として、「人間は口から飲み食いしたもので命を繋いでいる」という事実があります。

これは、胃に直接チューブをつないで影響補給しているような例外を除いて、全ての人に当てはまりますね。


もちろん世界は広いですから、世界人口が80億人に達しようとしている現状においては、世界のどこかに10人ぐらいは別な方法で命を繋ぐ方法を実践できている人がいるかもしれません。

例えば自力で光合成できるとか、強奪スキルを持ってて他人から生命力を吸い取れるとか、テレポートも自由自在なレベルのヨガの達人で食事は不要であるとか、房中術の達人でセックスしたら食べ物いらずとか、山奥に住んでるから霊気を吸収できるとか、実は吸血鬼で血さえ飲めば不老不死とか、宇宙からの不思議パゥワーの供給をうけているとか、そんな人もいないとは断言できません。


しかし、そのような超例外を除いては、「摂取するカロリーは自分の口から飲み食いしたものだけ」というのは純然たる事実です。

これに意を唱える人はいないと思います。


そして摂取したカロリーより、消費するカロリーが少なければ脂肪として蓄積されます。

逆に、摂取したカロリーより、消費するカロリーが多ければ蓄積されている脂肪が熱量として消費されます。


特に上の2行は当たり前の事ですが、大切なので書きました。

誰にでも分かる理屈です。


消費するカロリーの方ですが、こちらは人によってかなりな違いがあると思います。

ですからまずはカロリーの収支を計算するのに、自分の消費カロリーを大まかに調べましょう。


まず年齢と男女の違いによる基礎代謝が違いますし、さらに生活習慣や運動量によっても活動代謝の差が大きくありますので、一定ではありません。

80代でほとんど家にいる老人と、全国大会目指して毎日数時間ハードなトレーニングをしているレスリングの選手、デスクワーク中心の会社員など、消費するカロリーには大きな違いがあります。


そこまで極端な例でなくても、毎週3回ジムにいって筋トレやランニングをしている人と、まったく運動していない人では、大きな違いがあるのはわかりますね。

厚生労働省の資料によりますと、以下が平均的な一日の必要カロリーになります。


女性

12歳~14歳 2,400kcal

15歳~17歳 2,300kcal

18歳~29歳 1,950kcal

30歳~49歳 2,000kcal

50歳~69歳 1,900kcal


男性

12歳~14歳 2,600kcal

15歳~17歳 2,850kcal

18歳~29歳 2,650kcal

30歳~49歳 2,650kcal

50歳~69歳 2,450kcal


上の数字はあくまで平均的な数字で、おなじグループでも実際には違いがあると思います。

私は一日に2650Kカロリーのグループに入ります。


体脂肪の熱量は、1キロでだいたい7000キロカロリーになります。

ですので、もし上記の数字からマイナス700キロカロリーを続ければ、1日100グラムずつ、10日でちょうど1キロずつ痩せていく事になります。


ですので私の場合は、最初は少し厳しめに1日に1800キロカロリーまで摂取OKにしました。

この摂取カロリーでバランスの良い食事をして、筋トレを含む適度な運動をすれば、筋肉を落とさずに脂肪だけを落とせる、いわゆる「健康的に痩せる」が可能になると思いました。


これでやるべき事は決まりました。

後は実践ですが、特に難しい事はなく、自分の飲み食いする物をチェックしてカロリー計算するだけです。


私の場合は、お昼は比較的好きな物を食べて、夜は許容カロリー以内で早めに食べるようにしただけです。

お昼に外食でも自炊でも、一人前を食べたら大体1000キロカロリー、揚げ物なんかが多くても大盛りとかにしなければ1200キロカロリーぐらいで収まります。


マクドナルドのセットでも、カツカレーでも、焼き魚定食でも、唐揚げ定食でも、ラーメンセットでも、カロリーを調べたらだいたいはその範囲に収まります。

そうすると夜もそこそこは食べられるので、減量中のボクサーみたいにきつくはありません。


お昼にガッツリ系の食事や、油が多い食事をとると満足感もあってお腹持ちもいいので、バランス良く食べましょう。

1日で摂取するのを1800キロカロリーまでに抑えるなら、何を食べてもOKなのです。


かといって、ケーキだけ何個も1800カロリーまで食べるとか、毎日炭酸飲料がぶ飲みして普通の食事はほぼ取らないとか、常識で考えて駄目な行動は避けましょう。

たまに雑誌やネットでも目にする、「~だけ食べて痩せる!」系の単品ダイエットですが、あれをそのまま信じちゃう人は、ダイエット云々の前に頭の病院に行った方がいいと思います。


昔アメリカで付き合ってた彼女も、一時はメロンダイエットとかいうのを怪しげな中華系の医者に進められてましたが、ほぼ水分と糖分しかないのに何がダメなのか理解できないのが理解できませんでした。

太るのも1日で太ったわけじゃないので、1日で痩せるとかの近道はありません。


お肉も魚も穀物も野菜も、制限カロリー以内で全てをバランス良く食べます。

焦らずゆっくりとやっていきましょう。



***量が少なくて我慢できない? ならば野菜だ***


カロリー制限は我慢できますが、食事の量が少なすぎるのは我慢できませんね。

私も出来ません。


昼は比較的自由に食べるとして、夜はあまりカロリー的に余裕がありません。

そこで野菜です。


ボクサーの減量みたいに水分は制限してませんし、無理に我慢する必要は皆無ですので、カロリー以内なら何も食べてもOKなのです。

牛肉も豚肉も鶏肉も食べて、サバやアジの焼き魚も食べればアジフライも食べて、それで足りなければ野菜でお腹いっぱいになってもOKなのです。


カロリーの少ないダイエットの味方といえば、パッと思いつくのはキノコとか絹ごし豆腐とか、コンニャクですが、手軽なのは野菜ですね。

根野菜以外のキャベツや白菜などは、量は沢山あってもカロリーが非常に少なく、しかもレシピは大量にあります。


お手軽で特にお勧めなのはポトフや鍋です。

野菜を切って煮込むだけですぐにできて、鍋の方は具や味付けも毎日ローテーションできるぐらいに種類もあります。


ポトフの場合、カロリーと言えるのはソーセージとジャガイモぐらいで、鍋の場合は肉や魚、それとお豆腐ぐらいですのでカロリー計算も簡単です。

そして両方とも熱いので必然的にゆっくりと食べますし、体も温まって代謝も良くなって良い事づくめです。


鍋やポトフ以外の場合でも、最初にスーパーで売っているキャベツの千切りとかミックスサラダをノンオイルドレッシングなどで食べたり、袋のインスタントラーメンの場合は野菜のミックスを入れたりして量を増やしましょう。

パスタや麺類の場合は糖質ゼロのコンニャク麵にすれば、カロリーはソースと具だけになりますので、もう一品ぐらいは食べる余裕も出てきます。


そして野菜を大量に取ると、食物繊維も大量に取りますのでお腹の調子も良くなります。

いろいろな食べ物のカロリーを調べていると、ご飯やパンといった糖質のカロリーが高いのにも気づくと思いますが、カロリーを削るために必然的に夜は糖質も抑えめになります。



***燃費の悪い体になろう***


ダイエットで検索すると、大抵はこのエッセイと同じく「カロリー制限して運動」という記事が最初の方にヒットすると思います。

そして基礎代謝をあげようとも書かれているはずです。


誤解している人が結構いますが、運動そのものの消費カロリーだけで痩せるのは至難の業です。

それこそプロのアスリートぐらいでないと、運動そのもののカロリーは大した事はありません。


調べれば分かりますが、30分のウォーキングで120キロカロリー、ジョギングで210キロカロリー程度しか消費しません。

パックのご飯200Gで約300キロカロリーありますので、ご飯一膳にもなりません。


因みにフルマラソンを走っても2500キロカロリーにしかなりませんので、42キロ以上走っても大人の男性なら一日の消費カロリーにも及びませんし、脂肪に換算すると400グラム弱しか燃えません。

ついでに多くの人が誤解していますが、腹筋運動をしてもお腹の脂肪は減りません。


腹筋運動の消費カロリーは10回で7キロカロリーしかありません。

脂肪を1キロ燃やそうと思ったら、腹筋運動を1万回しないと駄目な計算です。


しかも脂肪が1キロ減ったとしても、お腹の脂肪がピンポイントで減る訳ではないので、「腹筋でお腹の脂肪を減らす」は無理なのです。

もちろん腹筋は鍛えられますので、痩せた後に見事なシックスパックになるとは思いますが。


それに対して、筋肉量を増やして基礎代謝量を上げると、運動する以上のカロリーを普通に過ごしているだけで消費してくれます。

ちょっとたとえは違うかもですが、運動そのもののカロリー消費が時給であくせく働くのに対して、多い基礎代謝量のカロリー消費は投資に回したお金が勝手にお金を産んでくれる感じでしょうか?


多い基礎代謝量という元手さえ準備できれば、後は勝手にカロリー消費してくれます。

まずは週に3回程度、軽い筋トレと有酸素運動から始めてみましょう。


特に日本の人は男も女も筋肉が少なすぎるので、筋肉をつけましょう。

こう書くと、「筋トレしたらムキムキのマッチョになるから嫌」とか言う人がいますが、それに対して私が言いたいのは、「そんな簡単にムキムキになったら誰も苦労せんわ」です。


筋トレの専門家のボディビルダーが、どれだけ食事とトレーニング内容に気を使っているか知っていれば、こんな言葉は出て来ません。

日本のTVに「細マッチョ」のくくりで出ているレベルだと、外国にいったらガリガリの虚弱扱いです。



***無理しないで続けよう***


ここまで書いて来て読み直しましたが、本当に昔から言われてきた当たりまえの事しか書いていませんね。


まとめますと、

カロリーの収支をマイナスにしよう

量が少ないのは我慢できずに続かないので野菜で量を増やそう

燃費の悪い体になって基礎代謝量をあげよう

になります。


しかしこのダイエット方法も、あらゆる勉強や仕事と同じく、即日に結果が出るようなものではありません。

私も1日に100グラム、10日で1キロ、1か月で3キロと予定通りにきましたが、毎日の積み重ねでここまできました。


その中ではコンビニのシュークリームを食べた日もあれば、クリスマスにはケーキも食べました。

普段は制限内で栄養のバランスも考えながら食事を決めていますが、カロリーの調整をして好きな物を食べる日もあります。


祝い事の日はリミッター解除で他の人に合わせて食べましたが、それでも問題ありません。

「決めた事を何が何でも絶対に守らないと駄目」と自分ルールを厳しく厳守する人がいますが、私はいたって凡人ですので「出来るだけ」の範囲を目標にしています。


オリンピックの選考試合を控えた柔道選手や、タイトルマッチに挑戦するボクサーじゃありませんので、気楽にいきましょう。

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