第九話 地獄の肝試し(1)

無事に花火大会が終了した。


事が終わり、終了したのは良いが何やら続きがありそうな予感がした。分からないけど、何だか嫌な予感がする。


人が散りゆく閑散とした商店街の中、星川達と共にクラスメイトと合流したのだ。


俺達の周りだけ賑やかで盛り上がっている中、横にいる星川は俺の顔を見て何だか企んでいるような表情を浮かべていた。


「陰キャオタク君…ちょっといいかな?」


「なんだよ……もういいだろ? あと、その顔やめてくれ」


「ちなみに今日は逃さないよ……この後ちょっとした場所にいくからね!」



「いやぁ、星川君......今日俺はそのまま帰るから」



「何をおっしゃいますか...何がそのまま帰るだァ...?逃さないようにあっかりーんがついてるからね!」




「明里......それだけは分かってくれるよな?」



「ハルちゃんが言うなら私はなーんでも言うことを聞くよ?」


「俺には逃げ場がないのかよ……神様、俺にお助けを」




「ふふっ...ちなみにこの試練を耐えたら少しだけご褒美をあげるよ」


「ご褒美......? 何だそれ......?」


「それは、秘密......!! さてと、目的地へ向かうよ」


「へーい......」


商店街を抜け、裏路地の暗がりのある場所へと進んでいく。


人っ子一人おらず、辺りは墓地しかないようだった。


暗闇の中、何かを行うらしい。


「さてと、着いたよ......ボクから話があるからみんな聞いてね」


周りがざわつく中、周りの目線は星川に集中していた。


懐中電灯をつけて少し嫌な微笑みを浮かべていたのだ。


「ちなみにボクが連れた理由としては、親睦を深めるために開いたのが目的なんだ」


「ルールはただ一つ!今からランダムに箱からくじを取り出してあみだくじで当たった者同士で肝試しをするの」


「一組に分かれて、墓地の中を潜って指定された目的地に向かうこと。また、目的地からスタート地点に元に戻ること。様々なトリックや仕掛けがあるからそれに注意して向かってね!」


「楽勝じゃん!向かうだけだろ」


「秒で終わるでしょ!余裕!余裕!」


周りが騒いでいる中、星川は何か企んでいるようだった。


「ちなみに、勝者はテーマパーク1日無料券と豪華ホテルフルコース料理のチケット、敗者はひ・み・つ!頑張ってね!」


「それじゃ、健闘を祈る!レッツスタート!」


クラスメイトの目つきが豹変し、獲物を狙っているかのような表情を浮かべていた。


俺はこのまま殺されるのだろうか.....


十数年間、学生生活を過ごし生きたが俺にはもう悔いはない。


そんな事を考えていたら、星川の口が開いた。


「それでは、今からあかりんが持っている木箱の中に順番に呼ぶからくじを引いてね。皆の健闘を祈るよ!」


「っしゃー! 何が何でも取ってやる!」


「私も負けないわよ!」


辺りがざわつく中、いよいよメインイベントが開かれるのだったーー








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