第7話 数学

 我が家系は代々数学が得意な理系だと父が言い続けたせいか、寛子は自分もおそらくやそうした能力を持ち合わせていると信じていた。ところが中二の夏に「お前は国語だけやればよいのだよ」と父に優しく言われて、深く傷付いてしまった。弟の彰宏は父からの圧力が厳しいらしく寛子を羨ましがったが、寛子は数学を勉強をしなくてよいということで、数学以外の何で父が自分を認めてくれているのかがわからなくなったのだ。しかし、本当は数学など大嫌いであることも、自分ではわかっているのだった。

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