第6話 鏡

 ガラスに映る自分の姿を見て、目を細める癖を姉に咎められた時、ルイ子はどうしてそんなにそれがいけないことなのかがわからなかった。姉の富貴は「何か馬鹿みたいじゃない」と言うのだが、薄眼で見た自分は全体として悪くないのだった。しかし、少し考えると自分は大きな鏡でじっくりと自分を観察したことがなかった。もしぼんやりとだけ自分を見るのが馬鹿みたいだと言うなら、それはそうなのかもしれないとも、思い始めてくるのだった。

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