坂崎平四郎 一人苦悩する (第九話 終)

 雅行が協力を仰いできた太神山のあやかし騒動は、三厳が左腕を折るなどの大きな被害を出しながらも、どうにか交渉によって解決することができた。

 問題を解決した一行は帰路につくが、三厳が片腕が使えないため大事を取って柳生の里に護衛を手配する。こうして呼ばれた里の家臣たちは、三厳不在の間に里でちょっとした事件が起きたことを伝えた。

「実は三厳様が里を出られた翌々日、里に坂崎家の残党関係者と思われる男が訪ねてまいりました」

「なに!?それで里は無事なのか!?」

「里に被害はございません。詳しくは里にお戻りになられてから頼元様(代官)よりお聞きください」

「うむ。では急ごうか」

(どうやらまだ気は抜けないようだな)

 三厳は気合を入れなおして和束の村を出た。


 和束を出て笠置街道を進む三厳一行。冬の街道は人影少なく誰かを襲うには絶好の環境であったが、幸いなことに怪しい者とすれ違うこともなく一行は柳生庄へと続く山道前までたどり着くことができた。そこでは三厳のことを心配していたのだろう、護衛とは別の六人の若い家臣たちが道の入口を守っていた。彼らは三厳たちが戻ってきたのを見つけるや遠くからでもわかるくらいに喜びの色を浮かべる。

「おぉ三厳様!ご無事でしたか!手傷を負ったと聞いていたので心配していたのですよ!」

「うむ、心配させて悪かったな。見ての通り片手は使えぬが歩くくらいは支障ない。それよりお前たちはずっとここにいたのか?」

「はい!いつでも三厳様の元に馳せ参じれるようにと!それと不審な者がいないかの監視ですね。今のところ刺客らしき者は現れておりませぬ。さぁ三厳様。某たちが殿しんがりを務めますので今のうちにどうぞ里にお戻りください」

「ふふっ、殿とは頼もしい。では確かに任せたぞ」

「はっ!」

 鼻息荒い若侍たちに守られた三厳たちは後顧の憂いなく山道を進み、やがて目立った旅禍なく正午ごろに無事柳生庄に戻ることができた。


 里に戻った三厳が早速屋敷に戻ると、留守を任されていた代官の頼元が出迎えた。頼元は腕を吊った三厳を見るや小さく「ひぃ」と悲鳴を上げたが、命に別条がないとわかると大袈裟なくらいにほっと胸をなでおろした。

「三厳様。無事の御帰還、誠に喜ばしゅうございます。あぁ本当に、雅行殿からの手紙が来たときは本当に肝を冷やしたものですよ」

 雅行は柳生庄から護衛を呼ぶ際にあらかじめ三厳が負傷したことを手紙にしたためていた。これがなかったら出迎えた者たちはもっと慌てていたことだろう。

「大袈裟な。だがまぁ心配かけてすまないな。少し未熟だった。……ところで迎えに来た者から聞いたのだが、里に出羽守の残党が現れたそうだな」

 三厳は残党についてすぐにでも話を聞きたかったが、頼元はそれを遮りまず旅の疲れを取るべきだと提案した。

「はい、お聞きになられた通りです。ですがその話をする前に旅の汚れを落としてきた方がよろしいかと。薬も新しいものを塗りなおしましょう。雅行殿も着替えを用意いたしましたのでどうぞお使いになってください」

 確かに三厳たちは草鞋を解いた以外は旅装束のままである。これではせっかく里に戻ってきたのに体が休まらない。二人は「それもそうだな」と頼元の提案を素直に受け入れまずは井戸の水で体を洗い、小袖の着流しに着替え、そして昼食の粥をしっかりと平らげたのち改めて奥座敷に集まった。

 三厳が奥座敷に出向いたとき、関わりのある人物はすでに部屋に集まっていた。つまりは雅行と頼元、そして坂崎家嫡男である坂崎平四郎の姿もそこにあった。三厳は彼の姿を見るや目を丸くした。

「平四郎様!?どうしてここに!?」

「此度の件は私にも関係がありますゆえ参りました。詳しくは追々語らせていただきます」

「左様ですか。では雅行の方は……」

 雅行は坂崎家との対立には関係ないはずなのだが、なぜかこの場に同席している。この疑問には頼元が答えた。

「某がお願いいたしました。実は雅行殿に――秘術に詳しい方に見てもらいたいものがございましてな」

「見てもらいたいものとは?」

「それも追って話させていただきます」

「承知した。では話を頼めるか?」

「はい。あれは三厳様が里を出られた翌々日のことでした……」

 三厳に促されて頼元はその日、里で起こったことについて語り始めた。


「あれは三厳様が里を出られた翌々日のことです。一人の修験者の男が里にやってきて、『父が昔、石舟斎様(三厳の祖父)に世話になったから挨拶をしに来た。宗矩様か三厳様はいらっしゃるか』と屋敷に訪ねてきたのです」

「なるほど。まぁたまに聞く話だな」

 柳生庄は現在で言う奈良県北部の山中にある。このあたりには歴史ある修験道が数多くあったため、修験者が里を通り道とすることが間々あった。また柳生庄は彼らのような者のためにお堂を宿泊施設として開放していたため、そのあたりを指して世話になったと称する者がいてもおかしな話ではなかった。

「それでどう対処したのだ?」

「時期が時期だけに怪しいとは思いましたが、確証がなかったため当たり障りなく『今は二人とも里を離れている』と答えました。これを聞いた男は困ったような、あるいは焦ったような表情をしてましたね」

「ん?焦っていた?そいつは俺の留守を狙って里に来たのではなかったのか?」

 三厳は残党たちが自分のいない隙を狙って柳生庄に来たと思っていたのでこの報告に引っかかりを覚えた。これは頼元も思ったらしく頷いて同意する。

「ええ、私もそのように思っておりましたので肩透かしをくらったようになりました。一時は本当に石舟斎様に縁のあるお方なのかと思ったほどです。ですがその者は三厳様がいないとわかるや屋敷を辞して、その足で平四郎様の屋敷へと向かったのです」

「平四郎様の?」

 普通の修験者ならばただの一家臣である平四郎に用などあるはずもない。ならばこいつはいったい何者か?三厳がちらと対面の平四郎に目をやると、彼は深々と頭を下げたのち話を引き継いだ。

「某の家を訪ねてきたのは修験者でも何でもない男――かつて父の馬廻うままわりをしていた弥彦郎やひころうという男でした。湯島の屋敷にいた頃に何度か見たことがあります」

「ほう、馬廻の」

「ええ。と言っても下から数えた方が早いくらいの家格の者でしたがね」

 平四郎曰く、訪ねてきた修験者の正体は坂崎家の元家臣・馬廻の弥彦郎という男であった。

 ちなみに馬廻とは武家の役職の一つで、戦場にて大将に付き従う側近的な役職のことである。その性質ゆえ武芸に秀でたものが選ばれる、武士としてはエリートな役職であったが、当時の坂崎家ほどの家になるとその人数も単純な槍持ちだけで数十人を超え、そしてそれだけ人が集まれば必然その質にも上下が生まれてくる。弥彦郎はその中でも下の方、武士というよりは山師に近い男だったという。

「あまり鍛錬に励まず、下男や町の無頼とよくつるんでいると悪評が立っておりました。そんな男なため父亡き後は牢人に身をやつし、ふらふらとしていたところ例の残党らと合流したとのことです」

「なるほど。してそのような男が平四郎様に何用で?」

「はい、それがその……誠に聞き苦しい話ですが、他の残党らの居場所を教えるから柳生家の家臣になれるように口利きをしてくれと頼まれました」

「なんと、それはまた……」

 話を聞いた三厳は呆れと軽蔑が混じったような顔をした。弥彦郎の提案は要は仲間を売るから自分を雇ってほしいというものだった。

「武士の風上にも置けぬような奴ですな。それで平四郎様は何と答えられたのですか?」

「罠かもしれませんし、何より三厳様が不在だったため『私の一存では決められない』と一言。そう答えると弥彦郎は『いずれまた来る』と言って帰っていきました」

「『また来る』……。時期や連絡手段などは話しておりませんでしたか?」

 三厳の質問に平四郎は首を振る。

「無駄に慎重な男でして居場所につながるようなことは何も。某も奴が帰る際に尾行をつけたのですが、何分急な話だったために準備が間に合わず、大和の東大寺近辺で撒かれてしまったとのことでした」

「東大寺……西ですか」

「ええ。ですがあそこからなら大坂でも京都でも、どこへでもいけますからね。あるいは尾行されることを承知の上で西に向かい、その後東に向かったなんてことも……。実質何もわかっていないのも同義です」

 平四郎の言う通り、一度撒かれた以上弥彦郎の寝床を探るのは困難な話だろう。三厳は渋い顔をして唸る。

「胡散臭い奴ですね。信用してもいいのですか?」

「先程申した通り山師のような奴ですからね。安易に信じるべきではないと思います。ただ向こうも信頼されていないということはわかっていたのでしょう、誠意の証としてとあるものを渡されました」

「あるものとは?」

 三厳が訪ねると平四郎が隣の頼元に目配せをする。それを受けた頼元は懐から小皿と印籠を出し、印籠の中に入っていたものを皿の上に出した。それはどこか見覚えのある数粒の黒い丸薬であった。

「まさかそれは……」

「はい。ご推察の通り……」

 弥彦郎が自らの誠意のために平四郎に預けたもの――それは残党らが自らの力を高めるために使っていた例の黒い丸薬であった。


 坂崎家残党が使っていた、呑めばたちまち比類なき力を得ることのできる丸薬。それが今、三厳の前の小皿の上に出されていた。

「これは……本物ですか?」

「一応そう聞いております。よもや弥彦郎も交渉の場で偽物を出すほど愚かではないでしょう」

 皿の上の丸薬の数は四つ。どれも小指の先ほどもない大きさだが、その効果のほどを知っている三厳はごくりと唾を呑んだ。

「なるほど。雅行に見せたかったというのはこれか」

 頼元は「左様」と頷く。雅行はこの薬には調伏術の呪いか何かが使われているのではないかと予想しており、また直接見れば何かわかるかもしれないとも言っていた。

 皿を受け取った雅行は直接振れないように気をつけながら慎重に観察する。

「ふぅむ……、見たところ普通の丸薬のようだが……。どのようなものが含まれているとかはお聞きになっておりますか?」

 雅行が尋ねると平四郎は険しい顔で数秒黙ったのち頷いた。

「……はい。弥彦郎曰く、この丸薬には父の――坂崎直盛の骨が使われているとのことです」

 この回答に三厳たちはギョッとする。

「……まことですか?」

「はい。弥彦郎曰く、焼いて灰にしたものを薬に混ぜたとのこと。聞いたところによると、当時父の右筆ゆうひつだった者が、父の供養ができなくなることを恐れて秘かに小指を落として持っていたそうです」

 平四郎は弥彦郎から聞いた話を三厳たちに聞かせた。

 十一年前、坂崎直盛は(表向きは)坂崎事件の責任を取るために腹を切った。これだけでも家臣らからすれば悔しいことだというのに、幕府による本人確認のため彼らは直盛の遺体を供養すらできずにいた。しかも直盛の体が検分後素直に帰ってくるかはわからない。市中に晒され、鳥や獣の食うに任せたままにされるかもしれない。その可能性に居ても立っても居られなくなった当時の右筆が、せめて体の一部だけでもと、こそりと直盛の死体に近付きその小指を落として大事に確保していたとのことだった。

「なるほど。それが巡り巡って残党らの手に渡ったと」

「ええ。そしてそれを報復のための薬に混ぜたと。だからこれはのだと……」

 三厳がちらと雅行を見ると彼は肯定するように頷いた。

「確かにそれならば効果の底上げはできるだろう。指は強力な術を扱う際に重要となる器官だし、怨念の方も十二分にこもっているようだからな」

「対処法はあるか?無効化する方法でもいい」

「呑ませない以上の対策があるとは思えないが……とりあえず調伏術の一派にこのような薬を作る者たちがいると聞いたことがあるから、その線でたどれば何かわかるやもしれん。京に戻ったらいろいろと調べてみよう」

 そう言うと雅行は許可を得たうえで丸薬を一粒だけ譲り受けた。

 その後も三厳たちはいろいろと話し合ったが、元より弥彦郎から得た情報が少なかったため今以上の進展は望めなかった。

「とりあえず今できることはこのくらいだろうか。あとは諸々の調査結果待ち、あるいは例の弥彦郎とやらが来るのを待つくらいか」

「そうですね。ただ三厳様がお怪我がなされたことを考えると、見ようによっては『待ち』というのはちょうどよかったかもしれませぬな」

「かもな。ともかく薬の調査の方は任せたぞ、雅行」

「ああ、任せてくれ。世話になった分しっかりと働こう」

 こうして一行は互いに最善を尽くすことを約束し合ったのち今回の会合を終えた。


 その日の夕刻七つ頃(午後四時頃)、柳生屋敷での話し合いを終えた平四郎は一人、里の西のはずれの方にある屋敷に戻った。

 屋敷の門前で掃き掃除をしていた平四郎のとある家来は、彼が戻ってくるのを見るや心配と安堵が混ざったような顔で近寄ってきた。

「おぉご無事でしたか、平四郎様!」

「無事も何も単に話をしてきただけだ。おかしなことなど起こるはずもないだろう」

「そうは言いましても話が話なのですから……」

 家来がこうも心配するのは平四郎が柳生屋敷に呼ばれた理由が直盛に関することだと知っていたからである。主君であった直盛は幕府に責任を追及されて腹を切らされたため、平四郎も同じような目にあうのではないかと心配していたのだ。

「どうか油断しないでくださいまし。先日の残党らの襲撃以来、不審な目を向けてくる者も多くなってきました。思わぬ告げ口などをされるやもしれないですからね」

「考えすぎだ。三厳様や頼元様はよくやってくださっている。今回の会合だって某の話をよく聞いてくれた」

「ですが……」

 それでも心配する家来の肩に平四郎は優しく手を置いた。

「お前たちの心配はわかっている。私も何かしらの手は打とう。……ただ少し疲れたのでな、今日はとりあえず部屋でゆっくりとさせてもらうよ。飯もいらぬから誰も近付かぬよう言っておいてくれ」

「……承知いたしました。どうぞお心のままに。ですがどこに他人の目があるかはわからぬということを努々忘れないでくださいまし」

「……わかっているさ」

 そう言うと平四郎は一人静かに自室へと戻った。


 自室へと戻った平四郎は戸がすべて締まっていることを確認すると、床板のとある場所に指をかけてそれをずらした。ずらした板の下には小さな隙間があり、そこには折りたたまれた油紙が入っている。爪の先でそれを取り出し丁寧に開けば、中に入っていたのは数粒の黒い丸薬。――そう、平四郎は弥彦郎から受け取った丸薬をすべて提出したのではなく、いくつかをくすめて隠し持っていたのだ。

 平四郎はそれを机の上に置き、憂う瞳でじっと眺める。

「……俺はいったいどうしたらいいのだろうか?」

 平四郎が丸薬をくすねた理由はいくつかあるが、その一つがこれが数少ない父の遺品であったためである。

 周知のとおり坂崎直盛は幕府の敵として処理された。そのため大々的な供養もできず、家中にあったものもほとんど他者の手へと移ってしまっていた。そんな中偶然手に入った父の身体の一部が入った丸薬。戻ってくるかもわからぬ中で、これをすべて提出してしまうのはさすがの平四郎もためらった。

 加えてもう一つの理由として、彼は一種の保険としてこれをくすねた。実は三厳たちには伝えてなかったが、平四郎は弥彦郎から次のようなことを言われていた。

「平四郎様。どうか某を雇ってくだせえ。それかあるいは共にこの里から抜け出しませぬか?」

「抜け出すだと?俺に残党に加われというのか?」

「まぁそうですが、これはあなた様のためでもあるんですよ?よく考えてもみてくだせえ。今回の件が片付いたとき、その責任を直盛様の嫡男であるあなたに負わせないという保証がどこにありましょうか。なにせ相手は江戸の御公儀、そして柳生宗矩なのですよ」

 これに平四郎は「うっ」と一瞬言葉に詰まる。宗矩や柳生の人たちを信じていないわけではなかったが、それでも幕府が関わればそんな命令が出る可能性もあると考えていたからだ。だがだからと言って今里を出るのはあまりにも短慮な判断に他ならない。

「し、しかし里を出てどうするというのだ?ほかに頼れるところがあるというのか?父上は御公儀の敵として処理された。そのような家の者など誰も匿いたいとは思わんだろう」

「そこはほら、とにかく殿の事件に関係する誰かを討てばいいんですよ。そうすれば平四郎様は父親の仇討ちをした殊勲な息子だ。うちの国で面倒を見たいと言ってくる人たちがきっとわんさか寄ってきますよ」

「そんな馬鹿な話があるか!」

 平四郎は叱咤して一蹴したが、この弥彦郎の意見は存外的外れなものではなかった。というのもこの時代はまだ薄っすらとだが戦国時代の気風が残っている時代である。そんな中で父親の無念を晴らせば、それは確かに殊勝な息子として世間から評価されることだろう。

 実際これから三年後の寛永七年に起こった仇討ち事件――いわゆる『鍵屋の辻の決闘』でも、相手が三十万石を越える大大名・池田忠雄の小姓であったにもかかわらず、仇を討った河合又五郎とそれを手伝った荒木又右衛門は評価され、ぜひうちでその後の面倒を見たいと言ってくる大名が多くいたという。

 とはいえこれはあくまですべてがうまくいったときの話。安直に飛びつくような話ではないと平四郎はきちんとわかっていた。

「悪いがお前の話には乗れん。坂崎の名を残すのも俺の使命だからな」

「おや、そうですか。まぁ無理強いはしませんよ。ですが一応念のためにこちらをお渡ししておきましょう」

「それは……?」

 そう言って渡されたのが例の丸薬であった。渡された数は七粒。平四郎はその内四粒を三厳たちに渡し、残り三粒をこうして確保していたのだ。

 平四郎はそんな丸薬を見つめながら苦悩する。

(くそっ!いったい何が正しいんだ!?俺はいったいどうしたらいいんだ!?)

 いまさら幕府や柳生家に逆らうつもりはない。しかし向こうがどう思っているかはわからない。もしかしたら弥彦郎のいう通り今回の残党の件の責任として腹を切らされるかもしれない。そんな時この丸薬があれば窮地を脱せるかもしれない。

(しかしその先はどうする?幕府に盾突けばもはやこの世に居場所はない。どこまでも追ってきて、それこそ父のように腹を切らされるかもしれない!かといって宗矩様をどれほど信用してもいいものか……)

「父上……。某はいったいどうすればいいのでしょうか……」

 しかし当然ただの丸薬が答えてくれるはずもなく、平四郎の悲痛な呟きは誰にも届かぬまま柳生の里は夕闇に包まれたのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る