荘田之平 柳生庄へと向かう 2
津から柳生庄へと帰る道中、之平一行は謎の二人組に前後を阻まれる。
「おっと、悪いが止まってもらおうか」
「しまった!?待ち伏せか!」
一行を止めたのは昨日より姿を見せていた不審人物――推定坂崎家の残党たちであった。
之平たちが挟まれたのは伊賀国と伊勢国とを分ける長野峠の道中、崖と倒木によって道幅が狭くなっているところであった。
(……敵ながらいいところで襲ってくる。脇を抜けるのは難しいだろうな)
すぐさま状況を分析し、逃げられないと悟る善祐。こうなれば一戦交える他ないと覚悟を決めるが、まずは落ち着くために時間稼ぎがてら相手の素性を尋ねてみた。
「一応訊くが貴様らは何者だ?ただの山賊なら引いた方が身のためだぞ。相手の力量がわからぬほど愚かでもあるまい」
善祐が鯉口を切って剣気を飛ばす。しかし男らはどこ吹く風という風にためらうことなく刀を抜いた。
「さぁ何者だろうな」
「問答無用というわけか……」
やはり衝突は避けられないか、と合わせて抜刀する善祐と康成。四本の白刃が狭い山道でぎらりと輝いた。
なおこれに長右衛門が慌てて続こうとしたが、それは之平が押しとどめた。
「待て。お前は刀を抜かずに走る用意だけしていろ」
「し、しかし父上……」
「目的を見誤るな!万が一のときはお前が一人で里まで走らねばならぬのかもしれないのだぞ!気をしっかりと持て!」
それは長右衛門が初めて見る義父の剣幕であった。なるほど確かにろくに修行もしていない長右衛門では刀を抜いたところで邪魔にしかならないだろう。長右衛門はこんな場面でも落ち着いて判断を下せる父に改めて敬服の念を抱き、同時に自分の未熟さが悔しくて蓑の裾を握りしめた。
さて、そんな之平親子を尻目に、善祐と彼の前に立つ男は静かに睨み合っていた。
「……」
「……」
そう、二人はただ睨み合っていた。
(こいつ……何のつもりだ……?)
訝しむ善祐。問答無用で刀を抜いてきたときは好戦的な相手だと思っていた。しかし男は抜いた刀をちらちらと振るばかりで一向に攻めてくる気配がない。
(こちらの飛び出しを誘っているのか?いや、それにしては下手すぎる。こやつ、何が目的だ?)
いろいろな可能性を考えてみるも明確な答えは出てこない。善祐はとりあえず重心を低くして腰を据え、何があってもすぐに対処できるように身構えた。
対する男はそれを見て不敵に口角を上げる。
「……囲まれても動じぬその胆力、やはり貴様ら柳生の者か。あのジジイから何を聞き出した?」
(……ちっ。存外知恵が回るみたいだな)
舌打ちする善祐。どうやら彼らはまず之平たちが普通の旅人かどうかを見極めたかったようだ。確かにいきなり囲まれて刀を向けられれば、驚きと恐怖で腰を抜かすのが普通の反応だろう。
ただだからと言ってそんな芝居をすればよかったかというと、そういう話でもない。善祐はこれは仕方のないことだと割り切り、これ以上相手に手の内を見せない方向に頭を切り替えた。
「ジジイ?誰のことだ?」
「とぼけるなよ。津の小物屋の隠居ジジイだ。……こちらの素性の見当はついているんだろう?ならばみなまで言わずともわかるはずだ」
推察通り彼らは家常の長屋に入った姿を見て之平らに目をつけたようだ。そしてその口ぶりから察するにやはり彼らは坂崎家の残党なのだろう。
「……ふん。素性が割れている自覚があるのなら、こちらが何も話さぬこともわかっているだろう?」
「違いない。ならば力づくで聞き出すまでよ!」
互いに相手の正体はおおよそ見極めた。ならばもう控える理由はない。男は好戦的な笑みを浮かべて改めて刀を握りなおす。
(来るか!)
それを見て善祐も丹田に力を込めた。
善祐と刺客の男との間合いはおおよそ四間、約7.2メートルであった。
ただし山道ということで平地とは若干事情が異なる。まず足元は傾いているし
(さぁどう出る?見たところ大した腕前ではなさそうだが……)
善祐の構えは正眼。対し男の構えは八相を前のめりにしたような中途半端な構えで、剣先も落ち着きなく揺れている。はっきりと言えば素人にしか見えない。だが男に怯む様子はなく、むしろ見てわかるほどに自信に満ちていた。
(何だ、あの余裕は?力の差がわからぬほど馬鹿なのか、それとも本当に腕に自信があるのか……)
判断に困っていると刺客の男が先に動いた。
彼は実に素人らしい無駄のある動きで上段に構え、袈裟切りを狙う形をとる。善祐はそれを見て
だが男が意気を発し間合いを詰めたその瞬間、善祐は戦慄する。
(早い!?)
刺客は尋常ではない速さで詰め寄り、そしてやはり尋常ではない速さで刀を振り下ろした。それはまるで稲光の様で、宗矩よりも、三厳よりも、善祐が知る誰よりも早い一撃であった。
「しゃあっ!」
「くぅっ!?」
ガキィィィン
両者の刀が交錯し青白い火花が散る。尋常でない速さであったがどうにか善祐は受け止め弾くことができた。しかしその顔に余裕はない。
(あ、危なかった!あらかじめ受けると決めていなければ間に合わなかった速さだ!)
おそらく紙一重で避けるつもりでいたら間に合わず、肩からばっさりと切り落とされていたことだろう。詰め寄り、剣速共にそれほどの速さであった。
そして難境はまだ終わりではない。初撃を防がれた男であったが、彼はそんなことなどまるで気にしていないとでもいう風にすぐさま刀を引き戻し、そして力任せに今度は高速の横薙ぎを繰り出した。
(くうっ!?またかっ!?)
ガキィィィン
再度刀で受けた善祐であったが、今度は半歩遅れてしまい刺客の凶刃が左腕上腕に届く。背後で見ていた之平は驚愕し叫んだ。
「善祐殿っ!?」
「くっ……!?」
瞬間善祐は思いっきり横に飛び、自分の体ごと衝撃を受け流した。彼は横に大きくぐるんと一回転し、そしてすぐに立ち上がり構えなおす。それを見て手ごたえを感じていた刺客の男は意外そうに首を傾げた。
「……むぅん?切ったと思ったのだがな」
確かに男の凶刃は善祐の左上腕に届いていたが、幸い小袖の上だったのと彼の技量が低かったために切り傷にまではならなかった。
しかし速さと衝撃の重さは比例する。切り傷にはならなかったものの打撃としての衝撃はしっかりと伝わったようで、痺れと熱が善祐の上腕を襲う。
(くそっ!ヘマをした!何なんだ、こいつの力は!?)
痛みが脳を打つ。しかしここで弱みを見せれば相手を調子づかせるだけである。善祐は歯を食いしばって構えを維持するが、刀を握る握力は明らかに落ちていた。
(まずいな……。次もう一度重たいのをくらえば終わりだ……)
「切ったと思ったのだが……まぁいい。そう長くは持つまい」
脂汗を浮かべる善祐を前に、男は再度上段に構えた。
山道での攻防は刺客の男の思わぬ馬鹿力により善祐不利の状況で進んでいた。
だが善祐も戦国の世を生き抜いた豪傑である。彼は苦戦しつつも男の力量をしっかりと推し量っていた。
(……筋力だ。こいつ、どういう理屈かはわからぬが異様なまでに筋肉が発達している。あの速さも、重さも、単に全部筋肉によるものだ!)
善祐が見抜いたからくり――それは男の常人ならざる筋力であった。
男の見た目は中肉中背の貧乏牢人。しかしその外見とは裏腹に、その力はまるで中に鬼でも飼っているかのように強靭なものだった。
(常人とは思えぬ筋力。よもやあやかしか?……いや、違うな。俺も何度かその手の者とは手合わせしたことがあるが、その時感じた異質な感覚を奴からはまるで感じない)
善祐は三厳のような異能を感じ取る感覚を持ってはいなかったが、それでも長い経験から男があやかしの類ではないことは正確に見切った。
(ならば薬だろうな。昔、筋力を人外の域にまで増大させる薬があると聞いたことがある。かなり危険なものだと聞いていたが、まぁこいつらなら使っていてもおかしくはないだろう)
そして善祐はもう一点、とても重要なことを見抜いていた。
(所詮は力を上げただけ。腕が伸びるわけでも、刀に細工がしてあるわけでもない。ならばやりようはいくらでもある……!)
もし相手が煙のような実態を持たない体をしていたら、それこそ手も足も出なかっただろう。しかし奴には肉の体があり、やっていることも普通の人の延長線上に過ぎない。
『人』が相手ならば自分の剣術は通じる。やることは変わらない。気を取り直した善祐は次の一刀にかけるべく小さく息を吐いた。
そんな意気衰えぬ善祐を見て男は侮蔑するように犬歯を見せる。
「ほう、まだあきらめぬか。面白い!いいだろう。乗ってやる!」
刺客の男は上段と八相の中間のような構えを取った。清廉さのまったくない素人丸出しの構えであったが、男の筋力を考えればそれで十分戦えるのだろう。
対し善祐が見つけた勝ち筋は一つであった。
(次が勝負……。勝つためには相手の一撃を避け、その隙を突くしかない……!)
こちらが先に仕掛けたところで相手の筋力ならば避けられるか、後の先を取られるだけである。勝機があるとすればそれは相手に先に打たせてそれを避け、体勢が崩れた隙を狙うしかない。間合いを重視する新陰流にとって最も基本的な戦法である。
しかしそれは決して簡単なことではない。まず問題なのは相手の間合いだ。相手の外見は普通の成人男性。だがその筋力は常人を大きく逸脱している。その筋肉から繰り出される一撃の間合いを見切るのはかなり難しいことだろう。
もう一つの問題は自分が手負いであるということだ。左上腕の痛みは引くどころかどんどん増している。柄を握る手の感覚も大分怪しくなっていた。果たしてこの状態でどれだけ理想的な一撃を出すことができるだろうか。
善祐の頬をつうと一筋の汗が流れた。
(……失敗すれば死は必然。いや、俺だけでなくここにいる全員が討たれてしまうことだろう。そうなれば何の情報も持ち替えることができず、延いては里や殿たちにまで迷惑をかけてしまう。失敗などできないが……くそ!何か!何かあやつの気を逸らすようなものはないのか!?)
善祐としては少しでも有利な状況で勝負を仕掛けたい。善祐がそう願ったその時だった。
ヒュォッ
「えっ?」
「なっ!?」
善祐の後方から一本の小刀が男に向かって投げつけられた。
「なっ、なんだとっ!?」
突如飛んできた小刀。それは之平が投げた刃渡り三寸(十センチ)程の小刀だった。
善祐の後ろに控えていた之平はただじっと戦いを見守っていたのではなく、いつでも助太刀できるようにと気配を消して機を窺っていた。そして互いに剣気を高めた二人を見てここが勝負どころだと察し、刺客の男の虚を突くように小刀を投げつけたというわけだ。
狙いは男の腹部。胴体の中心は避けづらく、また上段寄りに構えていたため対応が遅れると見ての一投だ。だが相手は異様な筋力を持つ刺客。反応こそ一瞬遅れたものの、達人でもない者の投擲など見てから余裕で刀で払うことができた。
キィィィン
「ちぃっ!小細工をっ!」
之平の小刀はすげなくあしらわれる。しかしそれも之平は折り込み済み。この一投の目的は相手の注意を逸らすことにあった。刺客の男が刀で小刀を払ったのを見るや、善祐は連携して体を低くして一気に踏み込んだ。
「はああっ!!」
「くそっ!鬱陶しいっ!」
接近する善祐を見て男は払った刀の峰を返し横に薙ぐ。その剣速はやはり人外の高速。しかし善祐はその刺客の剣筋をしっかりと目で追っていた。
(やはり素人よ!)
確かに刺客の剣は速かった。しかしそれだけである。焦りから間合いを見誤った男の剣は善祐の目前を通り抜け、逆に無防備な体を晒すこととなった。
「しまっ……!」
男は自分の愚行に気付いたがもう遅い。いかに筋力自慢でも体が伸び切った瞬間は否応なしに無防備になる。そこに善祐は渾身の一刀をねじ込んだ。
「きぇりゃぁあああ!」
「くっそぉっ!?」
善祐の一振りは刺客の左腕をぱっくりと裂き、血飛沫の珠が街道の土を赤く染めた。
「ぐはあっ!?」
善祐の一撃を受け悶絶する刺客。しかし善祐は未だくっついている男の左腕を見て悔しそうに歯噛みした。
(くっ!切り落とせなかったか!)
善祐は腕を切り落とすつもりで刀を振り抜いていた。しかし筋力がすごいということは避ける速さもすごいということ。刺客の男はあの瞬間、無理矢理体をねじって間一髪で致命傷を回避していた。
「ち、畜生が!なめやがって!」
男の左腕からはぼたぼたと血が流れていたが戦意までは喪失してないようで、男は右手だけで刀を構えなおした。奴の筋力ならばそれでも十分脅威足りえる。善祐はまだ終わってないと気を抜かず再度踏ん張る。
(やはりまだ動くか!だがこれで互いに手負い!刺し違えてでも仕留めて見せようぞ!)
覚悟を決め呼吸を整える善祐。
しかしここで道の後方から水入りの声が入った。
「頭を冷やせ、
そう叫んだのは後方で康成と対峙していたもう一人の刺客であった。彼は新五と呼ばれた男とは対照的に道を塞ぐのに専念し、ただじっと成り行きを見守っていた。そんな彼に新五が噛みつく。
「日和ったことを言うな、
「焦るな、馬鹿者が!柳生が動いたならばそれを他の奴らにも知らせる方が先だろう!無駄死にがしたいのならお前一人で勝手にしろ!」
「だ、だが柳生は江戸と関わりが深い。ここでこいつらを見逃せば後々厄介なことになるのは目に見えているだろう!?」
言い争いをする刺客たち。その隙に之平もこそりと善祐に尋ねる。
「どうします、善祐殿?」
「……引きたきゃ勝手に引かせよう。情報を持ち帰らなければならないのはこちらも同じだ」
善祐は荒い息を落ち着かせながら答える。その様子を見て之平は彼が見た目以上の傷を負っていることに気付いた。
「……まさか先の左腕への一撃ですか!?」
「問題ない。少し痺れているくらいだ」
そう言った善祐であったがその左手はかすかに震えている。それに気付いた之平は顔を青くした。もしこのまま戦闘が続くのならば、いよいよ本当に長右衛門一人を柳生庄に走らせる覚悟を決めなければならないと思ったからだ。
だが幸いにも残党たちは一度引くことに決めたようだ。
「では引くぞ、新五」
「くっ、覚えておけよ!」
二人はそう吐き捨てると街道脇の山中に消えていった。しばらくして本当に彼らが引いたのだと悟ると善祐は大きく息を吐いてその場に崩れた。
「……っくはぁっ!」
「善祐殿!」
「だ、大丈夫だ。血などは流れてない。それより早く峠を越えてしまわねば……」
「それよりも傷の手当てです!早く向こうに腰掛けて!康成殿は前の監視を、長右衛門も後ろを見ておけ!」
二人は「はいっ!」「しょ、承知しました!」と言って前後に散っていった。之平は善祐を近くの岩陰まで運び、慎重に小袖を脱がせる。善祐の左上腕は拳一つ分ほどに赤く腫れていた。
(これはひどい……)
之平は急いで薬の入った旅
しばらくして善祐の治療が終わった。彼の左上腕はおそらく骨にひびが入ったのだろう、とにかく赤く腫れて、とてもではないが動かせるような状態ではなかった。
「……くそっ。いまさら痛み出してきた」
左腕を吊った善祐は脂汗を流しながら歯を食いしばる。どうやら戦闘時の興奮、アドレナリンで抑えられていた痛みが今頃になって表に出てきたようだ。
こうなると一行の計画はだいぶ狂う。
現在地から次の宿場・上阿波宿まではまだあと一里以上ある。しかも長野峠のピークはこれからだ。善祐の具合と今の時間とを考えると日暮れ前に次の宿場に着くのは絶望的になったと言えるだろう。
ならば長野宿に戻ろうか?しかし伊勢は之平たちにとってはなじみのない国。助勢は期待できないし、しかもしばらくは雨模様なため一日待ったところで楽な道程になるわけでもない。加えてその間に先の刺客たちが仲間を引き連れて戻ってくるかもしれない。
(奴らに追いつかれれば今度こそこちらの命はないだろう。しかし峠で日没を迎えればこちらも命の保証はない。進むべきか、戻るべきか……)
悩む之平。しかし善祐の判断は早かった。
「之平殿たちはこのまま峠を越えるといい。俺は長野宿に戻って期を待つさ」
「し、しかしそれでは戻ってきた奴らに襲われるやもしれませぬぞ!ここはやはり多少無茶でも峠を越えて……」
之平は反論するが、それを善祐はぴしゃりと諫める。
「之平殿!峠の厳しさは往路で知っているでしょう。あれを手負いで越えるのは難しいし、少なくとも日暮れには間に合わない。だが全員で長野宿に戻れば柳生庄に戻るのが遅れるし、先の刺客にまた襲われて今度こそ全滅するかもしれない。そうなればだれが今回のことを殿や三厳様に伝える?目的を見誤ってはいけないぞ!」
「っ……!」
善祐の指摘したことは之平もわかっていた。それを当の本人に言われれば之平も覚悟を決める他ない。
「……承知いたしました。某たちはこのまま進みましょう。ですが……」
了承しつつもやはり善祐一人置いて進むのは情なきこと。決心した之平は真剣な顔で長右衛門の方を見た。
「長右衛門。お前が善祐殿を長野宿まで連れて行って差し上げろ。そしてその後はこちらの迎えが来るまで待て。言っている意味が分かるな?出来るな、長右衛門!?」
「あっ、そ、それは……」
長右衛門は顔を青くし一瞬言葉に詰まる。だがそれも仕方のないことだろう。なにせ彼はまだ数えで十三歳。柳生庄から出たのも初めてで、ましてや刺客に命を狙われるなど想像すらしてこなかった。
そんな彼に之平は手負いの善祐と共に伊勢に残れと言う。不運が重なれば命を落としかねない、あまりに重い任務である。
しかし長右衛門の中にも善祐を放っておけないという思いが確かにあった。数日の付き合いであったがそれでも彼の背中には大きく助けられた。今度は自分が彼を助ける番である。長右衛門は覚悟を決めて義父・之平を見返した。
「しょ、承知いたしました!荘田長右衛門、全身全霊をもって善祐様をお助けいたします!」
「よく言った、長右衛門!ではここはお前に任すぞ!それでは善祐殿、必ず戻ってきます故、しばしお待ちになっていてください」
こうして一行は伊賀へと進む之平と康成組、伊勢に残る善祐と長右衛門組と二手に分かれたのであった。
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